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環境Q&A

削減量の認証について 

登録日: 2005年02月22日 最終回答日:2005年02月24日 地球環境 地球温暖化

No.9642 2005-02-22 07:06:55 桜花

京都議定書が発効し、二酸化炭素削減にむけた
取り組みがすすんできております。
その情報を読んでいて、疑問をもち、調べてみても
はっきりしなかったので、ご存知の方がいたら、教えてください。
京都メカニズム(CDM・JI)では、国内認証機関(DOE)が
クレジット発行が可能なプロジェクトかどうか審査しますが、
国内で事業者や公共機関が自分たちの事業内で削減した
量は、どこがあるいは誰がオーソライズするのでしょうか?
日本として国際的に課せられた削減量を達成するためには、
CDMや植林による削減量も加算されますが、国内事業者や
一般家庭などからの削減量も重要なはずです。この量の
把握について、自己申告のみですむ訳はないですよね?また、国が審査するのでは、政府が「公的機関」として
削減した量に客観性がでてこなくなるのでは、
と思いました。
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら
よろしくお願いいたします。

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No.9672 【A-1】

Re:削減量の認証について

2005-02-23 18:57:00 marimo

勘違いをされているようですが、事業者のインベントリを積み重ねて国家インベントリにするわけではありません。国家インベントリは、俗に言うIPCCガイドラインにある算出方法で計算するように決められています。事業者を勝手に検証したとしても、極端な話、国家インベントリには何も関係しないわけです。

EUで行われている排出権取引EU−ETSは事業者に対するキャップ&トレードですので、事業者レベルでの検証は必要でしょう。現在の日本の状況では、環境省が進めようとしている国内排出権取引に参加しない限り、または国内(域内)でキャップ&トレードが実施されない限り、事業者インベントリの第3者検証が必要ということはないと考えられます。

ご参考
日本国温室効果ガスインベントリ報告書
http://www-gio.nies.go.jp/activites_j/lib-j/4-giopublish-j.php

IPCCガイドライン
http://www.ipcc-nggip.iges.or.jp/public/gl/invs1.htm

回答に対するお礼・補足

どうもありがとうございました。

No.9683 【A-2】

Re:削減量の認証について

2005-02-24 10:46:02 東京都 / 君山銀針

marimo さんの補足ですが、環境省が17年度から行う補助金つき国内排出量取引制度でも、「制度のルールに則り新たに算定を行い、検証機関による検証を受ける必要があります」としています。
http://www.et.chikyukankyo.com/qa/data_list.php?category_id=11#21
http://www.et.chikyukankyo.com/about/
資金供与が行われるような場合は検証をきっちりやると思います。

なお新聞などで報道されている、地球温暖化対策推進法を改正して盛り込むらしい工場やオフィスの温室効果ガス排出量報告制度はまだ正式な制度内容が公表されていません。

国レベルの排出計算はmarimo さんも書かれていますが、1996 年改訂IPCC ガイドラインに基づき全国レベルの統計などに沿って計算されています。

その経緯は環境省 温室効果ガス排出量算定方法に関する検討結果 14年度総括報告書を参照ください
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santeiho/kento/index.html

回答に対するお礼・補足

どうもありがとうございます。
早速勉強させていただきます。

No.9692 【A-3】

Re:削減量の認証について

2005-02-24 16:41:48 みーこ

国内事業者の削減量についてはみなさんが既に書かれている通り,現状では自己申告ですが,既に削減量の計算方法や削減量自体を第三者に認証してもらっている事例も出てきています。

削減量の算定をめぐる困った例としては,電気使用量を減らしたことによる削減量の算定の問題(いわゆる「原単位問題」)があります。
電力消費に伴う排出量の計算では国が決めた原単位を使って計算するのですが,ガスコジェネレーションなどの導入に際して,電力消費が減ったことによる削減量を宣伝するため,排出量の算定で使うのとは別の原単位を使って計算するケースが多数発生しています。
この場合,実際に設備を導入したあとの排出量については国が決めた原単位を使って計算されるため問題は生じないのですが,実際の削減量(導入前排出量−導入後排出量)と計算上の削減量が異なる(実際の削減量<計算上の削減量)ため,計算上の削減量だけを見ていると実態以上に削減が進んでいるということになり,このあたりをキチンと整理しておかないと,今後,国の目標達成計画の根幹が揺らぐおそれがあります。

なお,算定方法を第三者が認証している場合でも,原単位などのデータについては認証の範囲外なので,計算の結果が正しい削減量になっているかどうかはそれだけでは判断できません。

回答に対するお礼・補足

国内削減量については、いろいろと問題があることが
わかりました。
どうもありがとうございます。

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