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環境Q&A

アスベスト分析 

登録日: 2007年03月23日 最終回答日:2007年04月26日 ごみ・リサイクル 産業廃棄物

No.21818 2007-03-23 09:03:48 MIKI

私の友人からの情報ですが、コンクリート建物の解体現場で住民からコンクリートガラのアスベスト分析を強要され、実施した所、アスベストが少量ではあるが検出されたそうです。建物解体の場合、内装材の分析は事前に行なっていると思いますが、一般的にコンクリートガラの分析は行なわれていないように聞きました。実際にコンクリートガラの分析も行なう必要が有るのではないでしょうか。
ご意見をお聞かせ下さい。

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No.21913 【A-11】

Re:アスベスト分析

2007-03-30 18:35:06 火鼠

論点がずれてしまうことを、お許しください。
石川さま。
カクセン質系のアスベストと、蛇紋岩系のアスベストは、荷電が違うことから、粒子の付着量がまったく違います。今の方法で、感度がいいなどと言うことは、ちと、疑問です。アスベストは、世界各国にあります。あなたの言われる。分散染色で、同じ色がどこのアスベストでも同じ色がでるのでしょうか?め〜いっぱい。疑問です。

No.21921 【A-12】

Re:アスベスト分析

2007-04-01 01:05:29 石川

>今の方法で、感度がいいなどと言うことは、ちと、疑問です。

X線回折法や他の方法に比較して分散染色の方が低含有率でも検出されるという意味で感度が良いと表現しました。
一般分析の試薬の化学反応による色変化とは原理がちがうのでそう思われたのかもしれません。

なにしろアスベスト繊維一本一本を数えるわけですから。感度が上がるのは当然かも知れません。

>アスベストは、世界各国にあります。あなたの言われる。分散染色で、同じ色がどこのアスベストでも同じ色がでるのでしょうか?め〜いっぱい。疑問です。

クリソタイル 浸液屈折率1.550 赤紫色〜青色
アモサイト 1.680 桃色 、1.700 青色
クロシドライト 1.680 橙色 、1.700 青色

といった分散色が示されているわけですが、おっしゃるようにまったく同じ色がでるわけではなくある程度幅のある感覚的なものになりますね。

蛇足ですが、分散染色方ではこれ以外の屈折率の浸透液も使用して検証することもでき、またあくまでX線回折方との併用で定性分析を行います。

「産地によるアスベスト分散色の違い」というのは面白い研究テーマかもしれませんが、現在実験用でも全面輸入禁止ですから。。。

ただ、日本が輸入していたアスベストは数カ国に限られていたようですから、その当たりは検証済みなようです。(アスベスト分析講習会にて)

回答に対するお礼・補足

日本の分析方法につきまして、単純な疑問ですが
世界の分析方法と同じですか。又、最適な分析方法なのですか。失礼なご質問ですが分析者の技量に多くの問題が有ると新聞記事で見ました。

No.21941 【A-13】

Re:アスベスト分析

2007-04-02 18:24:55 石川

>日本の分析方法につきまして、単純な疑問ですが
世界の分析方法と同じですか。

日本の分析方法=JISということであれば同じ部分と違う部分があります。
X線回折法による定性分析は各国で行っているようです。偏光顕微鏡による消光角方もEPA等で行われている方法ではないでしょうか。
分散染色法も外国の方法らしいですが、倍率を高めた対物レンズの開発という面では独特の方法だと思います。

日本の場合、アスベスト工場の作業環境測定を長年手がけてきた作業環境測定機関に設置義務のあるX線回折装置と位相差顕微鏡がある程度数が確保できるということでそれらを主体にした分析方法が開発されたと聞きました。


>又、最適な分析方法なのですか。

それは目的によっても違うでしょうし、
コスト・スピード・正確性・試料の種類によってもちがうでしょう。
例えばTEM(透過型電子顕微鏡)で分析すれば正確性はあがるでしょうが、コスト・時間はかなりかかる上定量が難しいかもしれません。

解体工事でアスベストらしき物が出てきて工事がストップ。。数週間も結果がでないとなれば、スピードの速い簡易な方法で「アスベストである可能性が否定できない」とだけわかればいいのかもしれません。

法令でも「怪しければアスベストとみなして除去しても良い」となっています。

>失礼なご質問ですが分析者の技量に多くの問題が有ると新聞記事で見ました。

日本の分析者は総じて優秀です。
問題は分析技術の確立や分析者育成を待たずに法制化した行政に問題があるのではないでしょうか。

建材中や製品中のアスベスト対策や分析はアメリカを含めた世界でもこれからの分野だそうです。
日本はむしろ先頭を行っているのかもしれません。

回答に対するお礼・補足

様々な疑問に対し、丁寧なご回答感謝申し上げます。

No.22009 【A-14】

Re:アスベスト分析

2007-04-05 18:06:09 火鼠

分散染色法の現行のJIS(石綿)日本独自の方法であり、感覚的な因子が多く、また、環境条件(測定時の温度)の明記もないため、トレーサビリティの取れた分析法とは、思えません。繊維の持つ帯電性、顕鏡時の温度上昇も視野に入れないと1ミクロン以下の繊維の精査なんかできませんよ。普通の位相差顕微鏡でも、アモサイトと、ロックウールの判定は見る人が見ればわかります。逆に、分散染色では、クリソタイルを選別するための、分散液より、違う分散液のほうが、繊維構造がみえたりします。分散染色自体歴史は、長いでしょうが、石綿に使われだしたのは一部の研究者の高々、20年ではないでしょうか?

回答に対するお礼・補足

ご回答感謝いたします。
またまたお尋ね致しますがトレーサビリティの取れた分析法とは具体的にどの様なことでしょうか。火鼠さんは総合的な観点からどの様な分析方法がベターとお考えですか。

No.22038 【A-15】

Re:アスベスト分析

2007-04-07 16:24:59 石川

>分散染色法の現行のJIS(石綿)日本独自の方法であり、感覚的な因子が多く、また、環境条件(測定時の温度)の明記もないため、トレーサビリティの取れた分析法とは、思えません。

測定時の温度は25℃です。屈折液の屈折率がその温度で調整してある為です。

>繊維の持つ帯電性、顕鏡時の温度上昇も視野に入れないと1ミクロン以下の繊維の精査なんかできませんよ。

帯電性は分散染色法等の顕微鏡分析には影響しないと思います。
検鏡時の温度上昇については顕微鏡下の温度を一定に保つキットが発売されています。

尚、ご存知かもしれませんが、光学顕微鏡長さ5μm以上、幅3μm未満、アスペクト比3以上の繊維をカウントします。また、どのくらの細い繊維が検出出来るのかわかるテストスライドが販売されていて、そちらで精度を一定に保つ必要があります。


>普通の位相差顕微鏡でも、アモサイトと、ロックウールの判定は見る人が見ればわかります。

そうですね。しかし、それは分散色以上に感覚的なものですし、幅3μm未満のロックウールはまれでしょうから意味がないように思います。

>逆に、分散染色では、クリソタイルを選別するための、分散液より、違う分散液のほうが、繊維構造がみえたりします。

分散染色法では各種類のアスベストの屈折率に近い液を使う事によって特定の色を出しています。違う屈折液を使うのであれば普通の生物顕微鏡や位相差顕微鏡の方が観やすいでしょう。

>分散染色自体歴史は、長いでしょうが、石綿に使われだしたのは一部の研究者の高々、20年ではないでしょうか?

様々な分析方法が提唱され研究されるべきでしょうね。

No.22236 【A-16】

Re:アスベスト分析

2007-04-18 17:02:02 ご参考までに

在日米軍基地でアスベスト管理の仕事に携わっている者です。 原則、米軍基地では米EPA、OSHA等の法規制を基本として、必要に応じ日本の法規制も取り入れるといったようなスタンスで、従来よりアスベスト管理を行ってきています。今回の日本の石綿障害予防規則の改正(石綿含有物の規定を0.1%重量比に改正)に伴い、その導入に関して様々な問題が発生している状態です(米国ではご存知のように1%重量比)。 正直、今回の石綿含有物の規定の変更は、自分は日本人ですが、米軍側の環境管理担当者として、日本の法規制についてどうこう言うつもりはありませんが、米国の石綿管理体制を熟知している者からすると、あまりに急すぎたもので、導入の根拠も明白ではなく、分析体制の整備も不十分、廃棄物の受け入れ先の問題等、多くの米側の専門家も含め個人的にもかなり問題があるように感じています。
 
それはさておき、ご質問の件ですが、ちょうどこちらでも同様の事例がありましたので、ご参考までに投稿させていただきました。

こちらでは、石綿障害予防規則施行以前より、建材等のアスベスト調査等は実施してきていましたが、最近、以前は調査していなかったようなコンクリート等も新0.1%規定の導入により(重量比が下がった事で可能性がゼロでないものは検査するとの方針、何分こちらの施設は外部からなにかにつけ叩かれ易いので)、それぞれ異なる場所から、20点程のコンクリートの検体を採取、0.1%基準で分析を行いました。 その中で5点ほどクリソタイルが検出されました(0.2−0.5%の範囲)。 それらは、外見ではモルタル等の表面加工がされたものではなく、通常の打ちっぱなしのコンクリートのようなものばかりでした(外見では判別できない表面加工材等が使われている可能性はあり)。 こちらの調査でも、セメントや骨材、混和材等にクリソタイルが含まれていたと考えるのは不自然で、A-1、A-6の方のご指摘どおり、2004年に厚生労働省から出された、コンクリート表面加工用のモルタル等にクリソタイルが含まれているとの通達に基づき、そちらからのクリソタイルが検体に含まれ、検出されたのではないかと考察しています。 現在、他のコンクリート建材(外見上判別できるモルタル等表面加工有り、無し)を含め、表層、深部等に検体を分け、さらに調査をすすめている段階です。

次へ続く、

No.22246 【A-17】

Re:アスベスト分析

2007-04-19 08:23:50 ご参考までに

続き、

私の知る限り、廃棄するコンクリートガラ等を分析しなければならないといった規則、地方自治体による条例等は無いと思います(原則、解体前に石綿含有建材を判別し分別する前提があるわけですから)。 仮に、それらの廃棄物を分析するという事になったとしても、検体採取/分析の方法を確立し、標準化するのは非常に困難だと思います。 米国では同様の問題が鉛入り塗料を使用した廃建材でありまして、最初は廃棄物の鉛浸出検査を義務化していたのですが、前述のように検体採取/分析の標準化の面での問題のため、EPAにより連邦レベルでは中止になりました(各州によっては今も実施しているところもありますが)。

モルタル等を表面に使用したコンクリート等(ごく微量石綿を含む、0.1%に基準を下げた事で対象になる)の適切な除去作業、廃棄方法等の指針もはっきりしていないようですし、多分このように、石綿含有物質の規定を0.1%にさげた事によって生じる問題については、想定もしていなかったでしょうし、日本の環境省、厚生労働省等もまだ十分認識していないのでないかと思っています。 まあ、こちらとしてはさまざまな矛盾を感じつつも、日本の法規に厳密に従って石綿管理を行うよう、日々努力しているところです。 

かなり長くなってしまいましたが、とりあえず、ざっとこんなところですが、ご参考になれば幸いです。

回答に対するお礼・補足

興味有るご解答感謝申し上げます。
米国の西海岸は0.1%規準では無いのですか。

No.22254 【A-18】

Re:アスベスト分析

2007-04-19 11:46:51 ご参考までに

最近、日本の法規制について勉強を始めたばかりで、このサイトにたどりつきいろいろ有用な情報を拝見させていただき、大変役に立っています。 こちらとしても、何かご参考になればということで...

>米国の西海岸は0.1%規準では無いのですか。

米国の場合、石綿含有物(Asbestos Containing Material - ACM)の定義はEPA(日本の環境省相当)とOSHA(日本の厚生労働省、労働局相当)がそれぞれの関係法規の中で定めていて、いずれもACMとは石綿含有率>1%重量比です。 両機関ともFederal Agency(連邦機関)で、アスベストの定義に関しては、州ごとに違いはありません。

唯一、0.1という数値が出てくるのは、OSHAの労働者の空気中の暴露基準で、8時間あたりの平均暴露基準は0.1f/cc(1立方あたり、0.1本の繊維の意)。 これは、日本の作業環境の暴露基準である、管理濃度0.15f/ccに相当するものです(日米ではかなり測定方法等が異なり、比較する事はできませんが)。

ご参考までに、米側から見た場合、日本の法規制の大きな問題点の一つとして、石綿分析機関の標準化問題があるように思います。 米国では、AIHAのプログラムやNVLAPといったかなり厳格な分析機関のライセンスプログラムがあり、分析の質を一定に保つような形になっており、法規でそのような分析機関の使用が義務化されています。 厚生労働省の方にもお聞きしたのですが、現在、アスベストの分析(建材等のバルク検体)に関しては日本にはそのような法的な規制は無いとの事でした(考慮中だと言うことでした)。 日本作業環境測定協会が主導になって、この問題に取り組んでいらっしゃるようですが、需要は増える一方であるのに、施設、機器整備、人材の教育/確保も含めてまだまだ大変なようです。

では、また何かありましたら。




回答に対するお礼・補足

御意見感謝申し上げます。
今後とも米国等の情報をお知らせ頂ければ参考になると思いますので宜しく御願いいたします。

No.22321 【A-19】

Re:アスベスト分析

2007-04-21 21:00:08 火鼠

今のアスベスト分析(環境)石川様は3ミクロン以下のロックウールは少ないと言われておりましたが、環境測定すれば、いっぱいありあります。ホテルや、病院で測れば、石綿とカウントしなければならない繊維が山となります。しかし、それを分散染色で測ることは、また違う問題があります。環境石綿を、論じていて、3ミクロン以下のロックウールが少ないなんて、現場を知らない。学者さんだろうとおもいますよ。
わたしは、最近の低温灰化も否定します。ニトロセルロースの濾紙を灰化したら、爆発的に燃焼します。温度が、いくら低くても、酸素リッチでプラスチック爆発的なガス発生量です。ミクロン単位の繊維なんざ飛ぶのが当たり前ではないでしょうか?

No.22368 【A-21】

Re:アスベスト分析

2007-04-26 04:35:45 石川

アスベスト含有率の0.1%規制というのは世界的な流れ(イギリスやWHOの答申等)でしょうから適正な処置だと感じます。
法律の運用的な意味合いから言えばとにかくアスベストが検出されれば規制したいというのが本音でしょう。
1%未満であるからアスベストの処理は不用というよりは怪しい物は取りあえず処理しようというほうが安全サイドによった考え方かもしれません。

火鼠さん

>今のアスベスト分析(環境)石川様は3ミクロン以下のロックウールは少ないと言われておりましたが、環境測定すれば、いっぱいありあります。

どのような環境での測定かわかりませんが、ロックウールの製造工程から考えて3ミクロン以下の繊維が多く生成されることはまれでしょう。またロックウール+クリソタイルの吹き付け除去作業の空気環境測定ではさほど区別がつきにくいとは思いません。

>ホテルや、病院で測れば、石綿とカウントしなければならない繊維が山となります。

アスベスト繊維と混同しやすいものは多くありますね。
アスペクト比が一致していても質感・形状でアスベストで無いと判断できればカウントしなくても良いと思いますが確信がもてなければカウントしたほうが無難でしょう。

>わたしは、最近の低温灰化も否定します。ニトロセルロースの濾紙を灰化したら、爆発的に燃焼します。温度が、いくら低くても、酸素リッチでプラスチック爆発的なガス発生量です。ミクロン単位の繊維なんざ飛ぶのが当たり前ではないでしょうか?

確か低温灰化装置は真空に近い状態でプラズマで灰化するのではないでしょうか。燃焼に伴う気流の発生は抑えられるのでは?

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