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環境Q&A

「4.5.1 監視及び測定」のみの管理について 

登録日: 2011年12月21日 最終回答日:2012年03月05日 エコビジネス 環境マネジメント

No.37819 2011-12-21 14:16:54 ZWl47e たる吉

JIS Q 14001において,3.6 環境側面は,
「環境(3.5)と相互に作用する可能性のある,組織(3.16)の活動又は製品又はサービスの要素。
参考 著しい環境側面は,著しい環境影響(3.7)を与えるか又は与える可能性がある。」
と定義及び説明があります。

一方,4.5.1 監視及び測定においては,
「組織は,著しい環境影響を与える可能性のある運用のかぎ(鍵)となる特性を定常的に監視及び測定するための手順を確立し,実施し,維持すること。」
という規定があります。

これらを総合すると,
「著しい環境側面の管理上のキーに対して,監視及び測定を行う」
は成立すると思いますが,逆に組織が「著しい」とは,認識していない環境側面の管理上のキーに対して,「監視及び測定」の規定は適用されない,という認識で良いのでしょうか?

何故疑問に思っているかというと,4.5.1 では「著しい環境側面」ではなく,「著しい環境影響を与える可能性のある運用の鍵」と記載されておりますので,
『著しい環境影響を与える可能性のある運用のキー』≠「著しい環境側面の運用のキー」
ということだろうと思うのですが,これが成立してしまうと
「著しい環境側面で無くとも,監視及び測定を行うもの」
が存在しえると思います。

つまり,著しい環境側面以外に「4.5.1のみが適用されるものが存在する」と思うのですが,この理解の方が正しいのでしょうか?

仮に正しいとした場合,4.5.1のみが適用される事例は,どのように管理するものなのでしょう?

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No.37831 【A-2】

Re:「4.5.1 監視及び測定」のみの管理について

2011-12-23 17:05:16 さんぱい (ZWlc35f

たる吉様くらいのレベルですと、ここをご存知の事かと思いますが、貼り付けておきますね。

http://www.mars.dti.ne.jp/~saitota/iso.htm

ISO14001は誤訳であるなどを見られると、いかがでしょうか?
ぶらっくたいがぁ様も登場しております。

私もISO14001の事務局によく吊るし上げをくらうのですが、ここでISO14001の裏を突く勉強をして、逆にやり込めるくらいの知識はつけたつもりです。
おかげでいつも不評を買ってますが・・・。

著しい環境側面に該当しなくても監視測定してるものは確かにあります。だからといって規格不適合とはならないと思います。
ある審査員が言ってました。規格の適合性を評価するものであって、遵法性をみるものではないと。
ISO14001認証したからといって企業の法律違反や不祥事がなくならないわけですね。
どのように管理したらいいか?私の短絡的な馬鹿な発想では内部告発しかないように思うのですが?

No.37829 【A-1】

Re:「4.5.1 監視及び測定」のみの管理について

2011-12-22 21:29:13 ぶらっくたいがぁ (ZWlc74f

質問の背景がわからないのですが、審査員から何か理不尽なことを言われたのでしょうか?
もしそうであれば、それを差し障りのない程度で明示していただいた方が、反論や申し立ての役に立つアドバイスが得られるのではないかと思います。
そうではなく、純粋に規格要求事項に対する探求心から質問されているのであれば、以下のとおり4.5.1項についての私見を述べさせて頂きます。

まず、規格がいう「著しい環境側面」とは、本来は「重大な環境側面」あるいは「重要な環境側面」と訳されるべきものですし、そう読み替えた方がより理解が深まります。なぜなら、環境側面は管理の対象となる「要素」だからです。「際だった要素」「顕著な要素」では何のことかわかりません。一方、「著しい環境影響」は、「際だった影響」「顕著な影響」で意味が通ります。
どちらも英原文は"significant"なので、それを尊重して同じ「著しい」にしてしまったのでしょうが、日本語には他に適切な語彙があるので使い分けるべきでした。(その結果、審査員でさえ「環境側面」と「環境影響」を混同するはめになってしまいました。)
以上をふまえて、以降は「重大な環境側面」という用語を使わせていただきます。

結論を述べると、4.5.1項が「組織は,重大な環境側面を定常的に監視及び測定するための手順を確立し,実施し,維持すること。」となっていない理由は、「要素」(重大な環境側面)は原則として変化しませんが、「特性」は状況によって変化するものだからです。
つまり、4.5.1項は変化を捉えるために「特性を監視・測定せよ」と言っているのであって、「要素を監視・測定せよ」と言っているのではないのです。言い換えれば、「要素」は管理の対象ではあっても、監視・測定の対象ではないということです。
監視・測定すべきは、その要素が有する「特性」です。

補足すると、前述の通り特性は変化しますが、環境側面の重大さ(要素としての重大さ)は変化しません。
例えば、PCB廃液が入った容器は、そこにあり続ける限り重大な管理対象です。厳重に保管されていようが、うっかり雨ざらしになっていようが、万が一漏洩した場合の重大さは同じです。でも、保管の状況によって漏洩の危険性(容器の耐久性などの特性)は変化します。そこでそれを監視・測定する必要が出てくるわけです。

回答に対するお礼・補足

ぶらっくたいがー さま
さんぱい さま

回答ありがとうございました。

>ISO14001は誤訳である
確認させていただきました。

>審査員から何か理不尽なことを言われたのでしょうか?
過去に審査員から、「何年もISO14001をやっていて環境側面が変化しないのはおかしい」とコメントを受けたことがあるくらいです。

>純粋に規格要求事項に対する探求心から質問されているのであれば
最近、内部監査をやってる最中に「組織が重要とは思っていない監視項目が確かに存在する」ということを再認識できました。

どんなに改善しても「可能性がある」のだから、4.5.1が必要なんだけど、一方で「著しさは相対的である」とも言っており、「いつまでも著しい環境側面であることを否定しようとしている」気がするのです。

>特性は変化しますが、環境側面の重大さ(要素としての重大さ)は変化しません。
このことに尽きると思います。

間違っているとは思いますが、私は環境側面のことを『「環境」という「側面」から見たときの「業務」または「設備」』と呼んでいます。

目的や目標については、「著しさ」の大きさで組織における「優先順位」つけ、改善に努める、しかしながら、「絶対的に」管理を行わなければならない環境側面の特性はある、と思うのです。

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