一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 2003.12.12 更新日 | 2009.10.14
生物濃縮
セイブツノウシュク 【英】Biological Accumulation / Bioconcentration
解説
生物が、外界から取り込んだ物質を環境中におけるよりも高い濃度に生体内に蓄積する現象を生物濃縮という。生体内蓄積とも言われる。特に生物が生活にそれほど必要でない元素・物質の濃縮は生態学的にみて異常であり環境問題となる。
動物には餌にするものと餌にされるものがありこれを食物連鎖というが、蓄積性のある物質が食物連鎖により生物濃縮を起こす。例えば、海産の藻類では臭素、ヨウ素、クロムなどを濃縮することが知られているほか、DDT、PCB、ダイオキシンなどの化学物質も高濃度の濃縮が起こる。食物連鎖を通じて蓄積性の化学物質の生物濃縮が進む場合には、食物連鎖の高次に位置する生物でより高濃度(自然状態の数千倍から数万倍)に濃縮され、その生物に影響を及ぼす。水産資源生物などの摂取により生体に悪影響を与え、公害病の原因となることがある。具体例として有機水銀による水俣病などがある。
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関連Webサイト
- 環境と農薬(農薬情報館):http://www.jcpa.or.jp/qa/detail/11_06.htm
- 瓦版−研究の”森”から−(独立行政法人・森林総合研究所):http://ss.ffpri.affrc.go.jp/labs/kouho/mori/mori132/mori-132.html