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アンモニア燃料 環境用語

作成日 | 2021.09.21  更新日 | 2021.09.21

アンモニア燃料

アンモニアネンリョウ   【英】Fuel Ammonia  

解説

アンモニアは水素と窒素の化合物であり燃焼させても二酸化炭素が出ないこと、また、水素を原料として利用でき、水素よりも運搬しやすいためにエネルギーキャリアとしても近年注目されている。通常は、高温高圧で水素と窒素を反応させて合成するが(ハーバー・ボッシュ法)、この際に化石燃料を使用しないアンモニアをグリーンアンモニアと呼ぶ。アンモニアは全世界で年間約2億トン生産されているが、大半が肥料の生産に用いられており生産国で消費されているため世界の貿易量は2000万トン/年程度である。常温で気体であるが、マイナス33℃まで冷却するかまたは圧力を加えると液化するため、冷媒としても使用される。

我が国の石炭火力に20%のアンモニアを混焼させた場合には、年間CO2排出量が4,000万トン削減できると想定されている。また、ガスタービンでの利用も研究されている。政府は2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(2021.6)において、有効な脱炭素燃料として技術の確立と国際的な展開を目指している。現在では、アンモニアが人体に有害(劇物)であるためその管理の徹底、燃焼による窒素酸化物の排出量の抑制、天然ガス価格を下回るコストの低減化、及び2050年には年間3,000万トン(水素に換算すると約500万トン分)と想定されるグリーンアンモニアの安定的な調達先と国内への供給等が展開のための課題となっている。また、アンモニアは、船舶の燃料や燃料電池への利用も検討されている。(2021年7月作成)

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