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化学物質アドバイザー 環境用語

作成日 | 2007.05.10  更新日 | 2025.07.17

化学物質アドバイザー

カガクブッシツアドバイザー  

解説

市民、企業、行政からの要請に応じて、中立的な立場で化学物質や化学物質による環境リスクPRTR制度の仕組みに関する疑問に答えたり、関連する情報を提供することなどにより、化学物質に関するリスクコミュニケーションを推進するための専門的な能力を有する人材。2003(平成15)年度に開始した環境省のパイロット事業により、全国からの受験総数約400名から厳正な審査により25名の人材が登録され、派遣を開始したのち、2024(令和6)年4月現在44名の人材が登録されている。登録の基準は、大学や大学院で主に化学関連を専攻し、一定期間社会人としての経験を積んでおり、かつ環境リスクの考え方やコミュニケーション能力等を持っている者で、多くは有職者として日頃は化学系会社、環境調査会社、病院の医薬局、消費者団体、行政機関等で働いている(OBもいる)。なお、2003(平成15)年から2025(令和7)年3月末までの派遣総回数は、インタープリターとして79回、勉強会や講演会等の講師として553回、パネラーとして7回の合計628回を数える。

背景として、日常生活で身の回りに化学物質が満ちあふれるようになって、市民の安全と安心を確保するため化学物質に関する正確な情報を市民、NGO、事業者、行政等のすべてが共有しながら相互に意思疎通を図るリスクコミュニケーションの必要が指摘されたことがあげられる。今日では、世界的な循環経済への移行の加速化によって、化学物質のライフサイクルの流れも製造から使用、廃棄へのワンウェイではなくなり、循環利用を考慮した化学物資管理が求められるようになった。また、PFASなど国内外で新たな課題が持ち上がり、個別物質ごとの対応から物質郡での対応の必要性も指摘されるようになり、動物福祉等の観点を考慮した評価手法や、有害性分類のハーモナイズな取り組みも国際的に推進している。SAICM(国際的な化学物質管理に関する戦略的アプローチ)の後継枠組みであるGFC(化学物質に関するグローバル枠組)は、気候変動生物多様性の損失及び汚染という3つの危機に取り組むため、ステークホルダー間の協調と協働を強化し、政府機関だけでなく全ての関係者に対してオーナーシップを持った行動を促す、マルチセクター・マルチステークホルダーアプローチで形成された自主的取組の枠組みとして、2023(令和5)年の第5回国際化学物質管理会議(ICCM5)で採択された。(2025年5月改訂)

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