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生物多様性国家戦略2010 環境用語

作成日 | 2010.06.10  更新日 | 2014.02.25

生物多様性国家戦略2010

セイブツタヨウセイコッカセンリャクニセンジュウ   【英】National Strategy for the Conservation and Sustainable Use of Biological Diversity (2010 Version)  

解説

生物多様性条約第6条に規定されている生物多様性の保全と持続可能な利用のための国家戦略。日本の生物多様性施策の方針などを示したもので、2010年3月に閣議決定された。1995年10月に策定された最初の「生物多様性国家戦略」から、「新・生物多様性国家戦略」(2002年3月)、「第3次生物多様性国家戦略」(2007年11月)と改定され、今回の「生物多様性国家戦略2010」で4版目となる。「生物多様性基本法」(2008年6月施行)第11条により作成を義務付けられた初めての「生物多様性国家戦略」としてとしても位置付けられている。その後2012年9月に「生物多様性国家戦略2012-2020」として改定された。

この戦略では第1部「戦略」と第2部「行動」の二部構成となっている。生物多様性の4つの理念(1. すべての生命の存立基盤、2. 将来を含む人間にとって有用な価値、3. 豊かな文化の根源、4. 暮らしの安全性)および4つの危機(1. 人間活動や開発による危機、2. 里地里山など人間活動縮小による危機、3. 外来生物など人間により持ち込まれた生物による危機、4. 地球温暖化による危機)、実現のための4つの基本戦略(1. 社会への浸透、2. 人と自然の関係の再構築、3. 森・里・川・海のつながり確保、4. 地球規模の視野を持った行動)など、「第三次生物多様性国家戦略」をほぼ踏襲した部分も多い。

一方で、2010年10月に名古屋で開催される「第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)」でも議論される予定のポスト「2010年目標」を踏まえて、新たに中長期的・短期的目標も設定している。2050年を目標年次とした中長期的目標では、「生物多様性の状態を現状以上に豊かなものとすること」を掲げている。短期目標では、生物多様性の損失を食い止めるために、2020年までに、1. 生物多様性の分析・把握、保全活動の拡大、2. 生物多様性を減少させない方法構築、持続可能な利用、3. 社会経済活動への組み込み(主流化)、新たな活動の実践を掲げている。(2014.01.21改訂)

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