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化学物質、廃棄物及び汚染防止に関する政府間科学・政策パネル 環境用語

作成日 | 2025.07.09  更新日 | 2025.07.24

化学物質、廃棄物及び汚染防止に関する政府間科学・政策パネル

カガクブッシツ、ハイキブツオヨビオセンボウシニカンスルセイフカンカガク・セイサクパネル   【英】Intergovernmental Science-policy Panel on Chemicals, Waste and Pollution  [略]ISP -CWP  

解説

人の健康と環境を保護するために、化学物質や廃棄物の適正管理、汚染防止に関する科学的知見を評価し、政策決定に貢献することを目的として、政府間会合(2025.6.19-20、ウルグアイ)で設立が決定された国際機関で、国連環境計画が事務局となる。主要な機能は、化学物質等に関する、ホライズンスキャニング(課題の特定と対応策の提示)、課題に関する評価、科学的研究のギャップの特定、科学者と政策決定者の間のコミュニケーション促進、特に途上国との情報の共有や能力開発等であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)並びに生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)に続く政府間科学・政策パネルとなる。

国連環境計画により作成された、世界化学物質概要(GCO-11、2019)では、2020年までに化学品と廃棄物による負の影響を最小限にするという持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)で採択され、その後国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICEM)等に引き継がれた世界目標の達成は困難であるが、すべての関係者による世界的な行動が緊急に必要であることを指摘している。このため、第5回国連環境総会再開セッション(UNEA5.2 2022)で設立が提案され、延べ4回にわたり公開作業部会で議論が行われ、パネルの目的や機能について設立提案がまとめられていた。

なお、化学物質と廃棄物の適正管理に関する国際的な枠組みとして、2023年には化学物質と廃棄物の適正管理に関する新たな世界枠組(GFC)が採択され、製造から製品への使用等を経て廃棄までのライフサイクルを通じた化学物質管理の枠組みとして、法的枠組み、組織的メカニズムの整備等の目的やターゲットが策定されているが、本ISP-CWPはそれらに貢献することが期待されている。

日本は、パネルの設置を支持し、政府間会合の共同議長を務めた。(2025年6月作成)

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