一般財団法人環境イノベーション情報機構
作成日 | 0000.00.00 更新日 | 2025.07.17
第7次エネルギー基本計画
ダイ7ジエネルギーキホンケイカク 【英】7th Strategic Energy Plan
解説
第7次エネルギー基本計画は、2025年2月18日に閣議決定された日本の中長期的なエネルギー政策の指針である。同時に閣議決定された「GX2040ビジョン」、「地球温暖化対策計画」と一体的に、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に取り組んでいくこととしている。2050年のカーボンニュートラル実現を掲げつつ、エネルギー安全保障や経済成長との両立を目指している。主な柱は、再生可能エネルギーの主力電源化、原子力の活用維持、火力発電の高効率化・脱炭素化、水素・アンモニアの導入拡大などである。また、エネルギー自給率の向上や分散型エネルギーの推進も重視されている。計画では、2040年に再生可能エネルギーの比率を40‐50%、原子力を20%に引き上げ、化石燃料に依存した火力も30-40%維持する構成としているが、その目標設定は多くの批判を招いている。まず、原子力の活用を維持・拡大する姿勢に対しては、安全性や核のごみ処理問題を軽視しているとの懸念がある。再エネの比率向上目標も野心的とは言い難く、送電網の整備や地域分散型モデルへの移行戦略が不十分との指摘もある。また、水素やアンモニアの導入については技術的・経済的課題が多く、実効性に疑問が残る。全体として、政策の実現性と国民的合意形成のプロセスが不透明との批判がある。したがって、気候変動対応とエネルギーの安定供給をどう両立するかが今後の課題である。(2025年7月作成)
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関連Webサイト
- エネルギー基本計画について(資源エネルギー庁):https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/
- 第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました(経済産業省):https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218001/20250218001.html
- 大きく変化する世界で、日本のエネルギーをどうする?「エネルギー基本計画」最新版を読みとく(前編)(資源エネルギー庁):https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2025_01.html