一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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エコチャレンジャー 環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

No.054

Issued: 2016.06.21

株式会社ファーメンステーション代表・酒井里奈さんに聞く、奥州市における地域循環サイクルの取り組み

酒井 里奈(さか・いりな)さん

実施日時:平成28年6月7日(火)10:00〜
ゲスト:酒井里奈(さかいりな)さん
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎

  • 国際基督教大学(ICU)卒業。富士銀行(現みずほ銀行)、ドイツ証券などに勤務。
  • 発酵技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、09年3月卒業。同年、株式会社ファーメンステーション設立。研究テーマは地産地消型バイオエタノール製造、未利用資源の有効活用技術の開発。好きな微生物は、麹菌。好きな発酵飲料は、ビール。東京都出身。
目次
国際金融の仕事や国際交流基金の仕事をしていた時から、代替エネルギーに興味があった
醸造学は文化の側面も強く、半分は生化学、微生物学、有機化学、残りの半分は食品や料理にかかわるもの
大学に入るときから卒業したら会社を始めようと決めていた
農家の皆さんが得意なのはコメつくりで、栽培方法も使用する機械もコメ栽培用のもの
手間をかけてでも時間をかけてでも、良いものをつくりたい点で共通している
大事なのは、仲間と一緒に、仲間のことを大事にしながら事業を進めること
小さな試みでもいいから、新たな取り組みを続けていける社会にしていきたい
さまざまな発想が、バックグラウンドの異なる人びとの組み合わせの中から出てくる

国際金融の仕事や国際交流基金の仕事をしていた時から、代替エネルギーに興味があった

大塚理事長(以下、大塚)― エコチャレンジャーにお出ましいただきありがとうございます。
 酒井さんは、岩手県奥州市の休耕田で栽培したコメからエタノールを製造し、製造過程でつくられる蒸留残さを飼料として活用する地域循環型事業を進めておられます。この環境保全と地域活性化を両立させる事業は高く評価され、環境省の「持続可能な社会づくりを担う事業型環境NPO・社会的企業中間支援スキーム事業のモデル実証事業」における地域循環サイクルのお手本になっています。
 本日は、酒井さんがこの事業に取組まれるようになった経緯や実際の展開、さらには事業にかける意気込みなどをお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 酒井さんはこの事業に着手される前にさまざまな経験をなされましたが、その紹介から始めていただけますか。

酒井さん― 私は1995年にみずほ銀行(当時の富士銀行)に入り、主に金融部門で10年くらい仕事をした後、東京農業大学に入学したのですが、銀行に勤務中の1997年から1999年まで、国際交流基金日米センターに出向していました。NPO法案が成立した時期で、日米の草の根交流促進のプログラムオフィサーの仕事をし、すっかりハマってしまいました。
 銀行に戻ってから国際金融やM&A【1】の仕事をしましたが、自分にしかできないことをしようと決意し、2005年に東京農大に入学したのです。2009年に卒業と同時に、現在の仕事を始めました。

大塚― 東京農大で醸造学を専攻することは、受験前から決めていたのですか。

酒井さん― そうです。その前年にNHKテレビで東京農大の小泉武夫先生が、発酵の楽しさだけでなく、醸造発酵で生ごみをエネルギーにできるという研究を紹介されていました。国際金融の仕事や国際交流基金の仕事をしていた時から、代替エネルギーに興味があり、地熱や風力だけでなく生ごみがエネルギーになるならと考え、その研究室に入りたくて入学しました。

大塚― その頃は、生ごみのエネルギー源としての利用が始まったばかりだったでしょうか。

酒井さん― バイオマスタウン構想【2】などが出る前です。食品リサイクル法の中で、メタン発酵が取り上げられはじめたころです。


醸造学は文化の側面も強く、半分は生化学、微生物学、有機化学、残りの半分は食品や料理にかかわるもの

大塚― ところで、東京農大での勉強の中心は化学系で実験なども多かったと思いますが、いかがでしたか。

酒井さん― 私はいわゆる「ド文系」で、最初に卒業した大学では理系の勉強を避けてきたほどです。しかし、醸造学は文化の側面も強いのです。半分は生化学、微生物学、有機化学のようなサイエンスですが、残りの半分は「なれずし」【3】などの食品や料理にかかわるものでした。私は結婚し主婦でしたし、料理に関係するおもしろい話も聞けたので楽しかったです。もっとも、有機化学や生化学はまったくわからず、家庭教師の先生に習っていました。

大塚― どういう先生だったのですか。

酒井さん― 遠い知り合いのポスドク【4】の方が、大学入試を目指す受験生向けの家庭教師をしており、私は1人だけで個人授業を受けたのです。お金はかかりましたが、しっかり勉強できました。

大塚― 気合が入ったお話しを伺いました。とはいえ、大きな方向転換をされたわけですから、いろいろ苦労があったのではないですか。

酒井さん― 私はすごく不器用で、微生物の扱いなども苦手で、絵を描くのも苦手です。ところが、東京農大でPDCAサイクルのサイエンス版のような考え方を教えていただき救いになったと思っています。どういうことかというと、対象にいきなり取組むのではなく、事前にリサーチし仮説を立て実証し検証するのです。
 それに、自分のテーマがもてたことも本当にラッキーでした。もっとも、私のテーマは生ごみではなく稲藁【5】のエタノール化になりました。というのは、ちょうどその頃、農水省の稲藁のエタノール化事業の実証実験が全国で行われており、私も全国を見て回ることができたからです。事業の内容は高いレベルでしたが、現場での生の話を聞き自分で勉強できたのです。すごく楽しくて、苦労とか嫌なことは何もありませんでした。

農家、現地スタッフ、市役所の皆さんなどと。

農家、現地スタッフ、市役所の皆さんなどと。


大学に入るときから卒業したら会社を始めようと決めていた

大塚― 2009年に卒業と同時に、ファーメンステーション社を立ち上げられたのですね。奥州市で、無農薬生産によるコメを原料とするエタノール製造に取り組まれたわけですが、その経緯をかみ砕いてご説明いただけますか。

胆沢の風景。

胆沢の風景。

酒井さん― はい。大学に入るときから卒業したら会社を始めようと決めていました。もっとも、卒業後の1年間は研究生として大学をうろうろしていたのです。その時ちょうど、奥州市と東京農大との共同研究が始まったのです。
 奥州市の胆沢(いさわ)という地域(旧胆沢町)なのですが、私がまったく知らないころから、胆沢町の町長や役場の方それに農家の方が、東北大学の先生を交えて勉強会をしていたのです。その背景として、胆沢の田んぼの3分の1が休耕田、耕作放棄田、転作田になっていて、農家がどう生きていくかが大きな問題だったからです。農家の方が、ブラジルでサトウキビから、アメリカでトウモロコシからエタノールをつくっているように、胆沢のコメからエタノールをつくれないかと、アメリカ・ミネソタ州に視察に行くなど積極的だったのです。このような動きの中で、実証実験が計画され、指導者として東京農大の先生に白羽の矢が立ったのです。
 鈴木昌治先生が奥州市の方々と相談した結果、私が受託事業をお手伝いさせていただくことになり、2010年から奥州市で実証実験が始まったのです。

大塚― このことが、ファーメンステーション社の最初の事業になったのですね。

酒井さん― そうです。弊社の最初の事業が奥州市での実証実験です。実証実験を行ったのは現地の方、市役所の方と私でした。私たちは、市役所の近くで閉業していた酒蔵を借り実験を進めました。

大塚― 1つ気になっていたのですが、サトウキビやトウモロコシに比べ、コメはエタノールの収量の点で問題ないのでしょうか。

酒井さん― サトウキビやトウモロコシに比べ、エタノールの収量はものすごく少ないです。それに、アメリカやブラジルのような広大な農地もなく、コスト的に厳しいのです。私たちも、最初の年は非食用でエタノール用の稲穂の大きいコメを植えました。この地域で一般的な食用の「ひとめぼれ」の収量が1反あたり約600kgなのに対し、1トンを超えるほど栽培したのです。しかし、収量を多くすると茎の倒伏などを招くことにもなるので、最近は無農薬で収量を650kgくらいにしています。もっとも、現在はエタノールのエネルギー源としての利用はやめ、化粧品の原料にしています。


農家の皆さんが得意なのはコメつくりで、栽培方法も使用する機械もコメ栽培用のもの

株式会社ファーメンステーションの「循環図」。

株式会社ファーメンステーションの「循環図」。
※PDFファイルはこちら

大塚― もう1つ気になっていることを伺います。農家の方にとって、昔から一番大切な作物であるコメを、非食用に栽培することへの違和感というのはなかったのでしょうか。

酒井さん― 私も、奥州市に行く前はすごく懸念していましたし、もったいないなと思ったりもしていました。しかし、通い始めて10年くらいになりますが、非食用のコメの栽培を非難されたことは一度もありません。そういう気持ちは昔はあったかもしれませんが、農家の方も今はパンもパスタも食べますし、田んぼの状況から、最早そんなことを言っている場合ではないと感じておられたようです。
 もう1つ私が感じたのは、胆沢の農家の皆さんが得意なのはコメつくりで、栽培方法も使用する機械もコメ栽培用のものに馴染みがあることです。大豆や小麦より、非食用であってもコメをつくりたいという気持ちだったのではないでしょうか。

大塚― そうすると、コメ栽培は最初からスムースに進んだのですね。

酒井さん― 弊社の場合は通常とはずいぶん違うものでした。私が突然行って事業を始めたのではないのです。農家が提案した事業計画を市が受けて準備がなされたわけで、私が行った時には、もう事業を始めようとしていたメンバーが揃っていたのです。本当にラッキーでした。

手間をかけてでも時間をかけてでも、良いものをつくりたい点で共通している

大塚― 地域に根を下ろした事業を進めるには、コメを生産する農家だけでなく、さまざまな関係者とのネットワークを大事にされたと思いますが、苦労したことなどをご紹介いただければと思います。

酒井さん― それほど苦労はなかったように思います。市役所の方がうまくリードしてくれたからです。
 私たちが協働しているメンバーには、コメ農家があり、コメを発酵・蒸留しエタノールをつくる弊社があり、残ったカスを養鶏農家のニワトリが食べて卵を産み、卵を使ってお菓子をつくる人がいて、一方で鶏糞を使う農家がある、というわけです。そして、皆が目指す社会が似ているのです。たとえば、手間をかけてでも時間をかけてでも、良いものをつくりたい点で共通しているのです。分かりにくいかもしれませんが、料理をするのに、奥州産の南部鉄器を使うタイプの人たちなのです。

大塚― 素晴らしいですね。ファーメンステーション社を含む協働する仲間たちという感じですね。

酒井さん― そうですね。すごく仲良くなったので、今、団体をつくろうとしています。多分、「マイムマイム奥州」という名前になるかと思いますが、NPO法人をつくる準備が進んでいます。

大事なのは、仲間と一緒に、仲間のことを大事にしながら事業を進めること

株式会社ファーメンステーションの商品例(アウトドアスプレー)。

株式会社ファーメンステーションの商品例(アウトドアスプレー)。

大塚― 先ほど、エタノールから化粧品をつくっているとの話でしたが、具体的に説明いただけますか。

酒井さん― ファーメンステーション社が、おコメを発酵し蒸留してエタノールをつくり、化粧品の原料として化粧品メーカーに卸しますし、一方で自社の商品として販売もしています。弊社の商品として化粧品を販売するには、化粧品製造の認可が必要ですから、OEM【6】によりエタノールを化粧品メーカーに送り、製造された製品を引き取って、弊社として百貨店などで販売します。おコメからつくるエタノールの値段という点では、燃料として利用するのに比べ、化粧品にすると200倍くらいになります。

大塚― 地域循環型サイクル事業をとおして、ファーメンステーション社がさまざまなグループと協働し、地域の活性化に貢献されているのが分かりました。酒井さんご自身は、特にどのような点を重視しながら事業を進めてこられたのでしょうか。

酒井さん― いろいろあるかもしれませんが、まずは続けることが肝心と感じています。弊社も、実は昨年度までは赤字で、今期になりようやく黒字になったばかりで、やはり時間がかかるのです。エタノール事業が下火になったというか、エネルギー源としての利用はほとんど終わりそうですが、化粧品の原料として活用できたのも事業を「続けて」きたからだと思っています。
 もう1つは、私1人ではもちろんできないことであり、仲間と一緒に、仲間のことを大事にしながら事業を進めることだと思います。たとえば、私たちのグループで非食用のコメを納入している農家さんは、食用のコメもつくっています。この縁で、ファーメンステーション社のエタノールを原料として購入している事業者さんが、その農家さんのおコメを購入してくれるようになっています。同じように、養鶏農家さんの卵についても、地元のものを使ったエサを食べている元気な鶏の卵として大人気です。

農家さんといっしょに参加した田植え選手権で、優勝!

農家さんといっしょに参加した田植え選手権で、優勝!

田植え選手権の優勝トロフィーといっしょに記念撮影。

田植え選手権の優勝トロフィーといっしょに記念撮影。


小さな試みでもいいから、新たな取り組みを続けていける社会にしていきたい

大塚― これまで、酒井さんの奥州市での活動について伺ってきましたが、現在は日本全国で地方再生が声高に叫ばれています。日本のこのような現状を、酒井さんはどう捉えておられますか。

酒井さん― 私は正面から地方再生を目指してきたわけでもなく、十分にお答えできるかわかりませんが、私が経験してきたことからお話ししたいと思います。奥州市で働いている、ファーメンステーション社のスタッフはUターン組です。東京で仕事をしていましたが、農業に興味を持ち戻ってきたそうです。彼らは毎日を楽しく過ごしていますし、岩手県には各地でそういう人たちが増えているようです。
 このことにも関係するかもしれませんが、私は、多くの人びとがさまざまな取り組みをはじめたのに途中でやめてしまうのを数多く見ており、もったいないと感じています。小さな試みでもいいから、新たな取り組みを是非続けていける社会にしていきたいと思います。そのためにも、地域に住むすべての人びとにいいことがあるように、考えていけたらいいなと思っています。

大塚― 酒井さんから、ご自身の活動について抑え気味のお話を伺ったように思いますが、チャレンジ精神が地方創生にも繋がるのだろうと感じました。

さまざまな発想が、バックグラウンドの異なる人びとの組み合わせの中から出てくる

大塚― 最後になりますが、EICネットをご覧になっている方々に、今までのお話しと重複しても結構ですのでメッセージをお願いいたします。

桃とお米のボディミルク。

桃とお米のボディミルク。

酒井さん― 私どものファーメンステーション社の取組はまだ本当に小さなものですが、いろいろな場面で注目していただいている理由は、異色な人間、というか、異色な経験をもつ人びとの組み合わせにあると思っています。
 私自身が、金融の仕事からまったく違う分野に入ってきましたし、「都会」と「田舎」の組み合わせも異色でしょう。私は奥州市では、ある農家さんの家に泊めていただいているのですが、本当に同じような立場で、それもずーと継続して交流させてもらっています。
 私がもう1つ大事と感じているのは、クリエイター【7】の存在です。弊社の商品はデザイン性に特徴がありますが、それにはクリエイティブ・ディレクター【8】の存在が大きいのです。通常、クリエイティブ・ディレクターのような人と銀行員が出会うことはあまりないのかもしれませんが、出会うと、その時に生まれるシナジーは本当に大きくなるのです。異色ということでは、私たちの発酵という技術とコメとの組み合わせもあげられます。さらに最近は、桃をつかった商品の開発にも取り組んでいます。捨てられている桃の種をエタノールにつけると、素晴らしいエキスができるのです。これを原料に新しい商品を開発しています。

 さまざまな発想が、バックグラウンドの異なる人びとの組み合わせの中から出てくるといいと思います。そのために、繰り返しになりますが、私たちは一度始めたらできるだけ続けたいと思っています。続けることが大事と言いたいのです。

大塚― 酒井さんの「異色の組み合わせ」に代表されるチャレンジ精神が、環境保全と地域活性化を支えていることがよく分かりました。今後も、ますますご活躍いただきたいと思います。本日は、ありがとうございました。

株式会社ファーメンステーション代表の酒井里奈さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。

株式会社ファーメンステーション代表の酒井里奈さん(左)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(右)。


注釈

【1】M&A
 Merger and Acquisitionの略で、主に企業の合併と買収を指す(厳密には、銀行を退職した後の会社でM&Aを担当した)。
【2】バイオマスタウン構想
 日本政府が策定するバイオマスタウンとは、域内においてバイオマスの発生から利用までが効率的なプロセスで結ばれ、バイオマスの安定的な利活用が行われる(あるいは今後見込まれる)地域を指し、その基準は「域内に賦存する廃棄物系バイオマスの90%以上、または未利用バイオマスの40%以上の活用に向け、総合的なバイオマス利活用を進める」とされる。2011年4月現在、318の市町村のバイオマスタウン構想が公表されている。
【3】なれずし
 主に魚を塩と米飯で乳酸発酵させた食品。酢を用いず、乳酸発酵により酸味を生じさせるもので、これが本来の鮨(すし)の形態である。
【4】ポスドク(Postdoctoral Fellowの略称)
 大学院の博士課程を修了し学位を授与されている若手研究者。
【5】稲藁(いなわら、いねわら)
 収穫した稲の籾(もみ)を取り去ったもので、「むしろ」や縄など藁工品の材料になる。
【6】OEM(Original Equipment Manufacturer)
 他社ブランドの製品を製造すること、あるいはその企業を指す。日本語では、「相手先(委託者)ブランド名製造」あるいは「納入先(委託者)商標による受託製造」などと訳される。
【7】クリエイター(Creator)
 「造物主」あるいは「神」という意味を別にすれば、「創造者」「創作者」「創設者」「(新しい意匠の)考案者」を意味する。
【8】クリエイティブ・ディレクター(Creative Director)
 コンセプトの開発やアイディアの具現化などの方針を決定する人物、あるいは多分野の専門スタッフを指揮する人物。
アンケート

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