一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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このゆびとまれ!エコキッズ

ノートのえらび方

目的

  • 気づき:消費という行為に際して、環境への視点を持つことができることに気づく
  • 知識:「グリーン ・コンシューマー」という概念と、その意味について理解する
  • 行動:商品の選択的購買という行動を通じて社会に参加していることを認識し、環境に配慮した消費行動を取れる

背景

グリーン ・コンシューマー活動とは

市民の消費者としての側面に注目し、そのあり方が環境に及ぼす影響について考え、問い直すことが、「グリーン ・コンシューマー」活動の主眼となります。直訳すると「緑の消費者」を意味するこの概念は、自然や地球環境のことを考えながら生活する人といったことを意味します。これは、個人の行動というだけでなく、そうした行動を通じて社会に対して積極的に関与するという意味をも併せ持っています。
この活動は、主婦層などによる日々の買い物だけに限定されるわけではありません。子どもや男性も含めて、誰もがそれぞれの生活の中でしている消費 ・購入という行動を通じて、環境に及ぼす影響を考え、できるだけ負荷をかけない商品やサービスを選んでいくことが、グリーン ・コンシューマー活動の原点といえます。

判断基準を形成することが求められる

環境教育 ・環境学習としてのグリーン ・コンシューマー活動を考えた場合、どのような消費 ・購入行動を取るか、自分なりの判断基準を形成していくことが重要になります。
「地球にやさしい」とうたわれている商品が本当に環境によいものなのか。あるいはまた、リサイクルを一生懸命進める一方で使い捨て容器の種類や量を増やす消費型社会が維持される社会のあり方は環境によいことをしていると本当にいえるのか。表面的な宣伝文句に惑わされず、その裏側に何があるのかを見極める「賢い消費者」としての情報分析能力や判断力が求められます。
商品の選択基準は、環境への配慮だけにあるわけではありません。健康への影響をより重視する向きもあるでしょうし、機能やデザインを重視する場合もあります。また、経済性を重視してより安いものが選ばれることも多いといえます。そうしたときに、何をあきらめて、どのような選択をしたのか、という個人の選択的な行動が問われます。同時に、購買行動を通じて商品やメーカーを支持していくという社会のあり方に対する関与の視点や態度についても強調される必要があります。

エコ文具を使った環境教育

子どもにとって身近な購買対象物である「文具」を、リサイクルや環境問題を考えるための素材として扱うケースがあります。再生紙からできた学習ノートや、廃物を利用してつくられたボールペンなど、近頃は多くのメーカーが多種多様な品を揃えています。これらの文具は、総称して「エコ文具」と呼ばれています。
リサイクル活動が盛んになる一方で、回収された資源の再生商品としての用途がなく、倉庫に積まれて放置されているケースも多くなっています。資源として再利用されるものとして回収されたペットボトルなどの資源ごみの行き場がなく、秘かに焼却処分されていたとして問題になった例などもみられます。「リサイクル」という概念には、再生商品を使って循環の輪を回転させるところまで含むべきだという議論もされます。そうした利用も含めた「リサイクル」について理解を深めるための素材として、「エコ文具」は身近でわかりやすいものといえます。
一方、「エコ文具」を素材に環境教育 ・環境学習を実践する場合、むしろその選択基準をどう判断するかが問題だともいえます。エコマークや再生紙使用マーク、牛乳パック再生紙マークやグリーンマークなど、「環境にやさしい」商品を選ぶ際の目安となる表示がつけられているケースが増えてきています。また、地域によっては環境に配慮した商品をリスト化して配布するケースなども見られます。マークのついた商品を買うこと、リストに選ばれた商品を買うことなどがそれ自体で、ひとつの価値判断といえますが、ではそれらの商品がなぜ環境に配慮しているといえるのか、環境に配慮した商品とはそもそもどのようなものなのか、といった議論についてもしっかりとしておきたいところです。

実際の取り組みは

ドイツ・デュッセルドルフ市の小学校では、入学時に推奨購入文具のリストを配布し、プラスチック製の定規の代わりに木製の定規、使い捨てのボールペンの代わりに芯が交換可能なものなどを紹介しているといいます。また、兵庫県西宮市のNPO「こども環境活動支援協会」では、回収資源から再生されるリサイクル製品というだけでなく、部品の交換によって長く使えるもの、また焼却時の環境負荷を減らす製品など、さまざまな視点から捉えた「エコ文具」についてその種類や環境への影響について解説するパネルや実物をまとめた「エコ文具セット」を制作しています。エコ文具の種類や特徴、特に環境配慮事項についての解説など、エコ文具を普及するための情報提供という面に加え、リサイクルについての理解を助け、子どもたち自身が自ら選択する力、考える力を育むことを目的に、学習の手助けとなるような解説物として環境教育 ・環境学習に生かすことをも目的としています。

自分なりの基準を持つことが大事

これらのケースでも重視されているのは、製品選択の基準を「エコ文具」というブランドにゆだねてしまうのではなく、それらの製品が環境に対してどのような影響があり、どこが環境によいのかを理解したうえで判断が下せるような視点を促すことだといえます。

発展

買い物ゲームで楽しい環境教育

買い物ゲームの主旨

沖縄県のNGOである沖縄リサイクル運動市民の会が那覇市内の小学校で実施した、「私たちの生活と地球環境の関わり」を考える特設授業では、買い物から出てくるごみを起点に、何気ない日常の生活と地球環境とのつながりについて意識化させるプログラムとして展開されています。

1500円でお買い物

プログラムでは、各グループが予算1500円を手に、教室の片隅に設置された模擬スーパーで、レシピをもとにしてカレーライスのための材料と飲み物を買いそろえます。
子どもたちは互いに相談しあいながら、店先に並んだ肉、野菜、シーフードなどを選んでいく。同じ材料でもバラ売り、発泡スチロール ・トレイにのせられたもの、ビニールに入ったもの、ラップで包まれたものなどが置かれています。また、飲み物は缶、ペットボトル、紙パックが用意されています。

お釣りが多いグループが勝ち!

模擬スーパーとはいえ、子どもたちはワイワイと楽しく買い物をします。材料が揃ったら、レジで精算し、お釣りが計算されます。最終的に残金の多いグループが勝ち、というルールが立てられていますが、このゲームは精算して残ったお釣りを比べて終了するわけではありません。プログラムにはさらにこの続きがあり、むしろ、ここからがゲームの醍醐味となります。

残金が減っていく!

各グループは、買ってきた材料の包装を解いて、カレーをつくることになります。このときにごみとして出されることになる発泡トレイやラップ、ビニール袋などを処理しなくてはなりません。
種類別にごみの量を調べ、このときに配布する「処理料リスト」をもとにそれぞれごみの処理料金を計算し、その分を支払わなくてはならないのです。何気なく買っていたものから出てくる大量のごみと、それらを処理するために差し引かれてみるみる減っていく残金は、買い物を通して買わされているごみの存在を強烈に実感することとなるでしょう。また、処理料金を計算しながらごみを触って、ラップに硬いものと柔らかいものの別があることに気づく子ども出てくることなども期待されます。

実感が行動へと結びつく

ゲームを通して、何気ない毎日の暮らしが地球環境へとつながっていることを実感した上で、ごみを減らす買い物の工夫について考え、話し合っていく展開へとつなげていきます。「地球にやさしく」とか「環境を大切に」、あるいは「グリーン ・コンシューマーになろう!」など、標語のように言葉にすることは簡単でも、何のためにそうするのか実感を持ち得ないと実際の行動には結びつかないといえるでしょう。

関連情報

グリーン購入ネットワーク
〒150-0001 渋谷区神宮前5-53-67  コスモス青山 B2F
TEL: 03-3406-5155
http://www.wnn.or.jp/wnn-eco/gpn/
※なお、グリーン購入ネットワークでは、小学生向けに制作したワークブック「やってみよう!
グリーン購入」も公開しています(http://gpn.wnn.or.jp/gpn/moshikomi/workbook.html)。
国民生活センター
〒108-8602 港区高輪3-13-22
TEL: 03-3443-8668
FAX: 03-3443-9005
益財団法人消費者教育支援センター
http://www.consumer-education.jp/
公益財団法人 日本環境協会エコマーク事務局
〒101-0032 東京都千代田区岩本町1-10-5 TMMビル5階
TEL: 03-5829-6286
FAX: 03-5829-6281
https://www.ecomark.jp/
こどもさんが直接問い合わせる場合は、下記「こども環境相談室」をご利用ください。
TEL: 03-5829-6359
FAX: 03-5829-6190
e-mail: ecobox@jeas.or.jp
こども環境活動支援協会(LEAF)
〒662-0855  兵庫県西宮市江上町3-40  西宮市環境学習ルーム内
TEL: 0798-35-3804
FAX: 0798-35-4208
http://www2.ocn.ne.jp/~leaf-j/
沖縄リサイクル運動市民の会
〒903-0805  沖縄県那覇市首里鳥掘町4-44-1
TEL:098-886-3037
FAX: 098-886-3001
http://www.ryucom.ne.jp/users/kuru2/
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