一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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エコライフガイド

騒音・振動問題

大気環境の現状(ローカルな環境問題)

騒音は、各種公害の中でも特に日常生活に関係が深い問題であり、また発生源もわれわれの回りに数多く存在することから、例年、全公害苦情件数のうち多くを占めている。騒音苦情の件数は、ここ10年くらいは減少傾向にあり、平成10年度も減少し、12,679件であった。発生源別にみると、工場・事業場騒音、営業騒音に対する苦情件数が減少傾向にある。

また、平成10年度の振動に係る苦情件数は2,124件で前年度と比べ6.7%減少した。建設作業に係る苦情件数が最も多く、工場・事業場がそれに次いでいる。

騒音規制法・振動規制法では、騒音・振動を防止することにより生活環境を保全すべき地域を都道府県知事(指定都市・中核市にあってはその長に委任)が指定し、この指定地域内にある工場・事業場における事業活動と建設作業に伴って発生する相当範囲にわたる騒音・振動を規制するとともに、自動車から発生する騒音の許容限度を環境庁長官が定め、都道府県知事は、都道府県公安委員会等に対して道路交通に起因する自動車騒音・道路交通振動について対策の要請等ができることとされている。

都道府県知事(指定都市・中核市にあってはその長に委任)による地域指定は、平成10年度末現在で、騒音については47都道府県において、668市、1,248町、178村、23特別区について行われており、全市区町村数の65.0%である。振動については47都道府県において658市、877町、101村、23特別区について行われており、全市区町村数の51.0%である。

また、平成8年7月の諮問を受け、騒音に係る環境基準に引き続き、自動車騒音の要請限度における評価手法等について中央環境審議会で審議が行われ、平成11年10月に同審議会より答申がなされた。

この答申においては、評価手法は環境基準と同一の等価騒音レベルを採用するとともに、区域の区分、車線による区分及び時間帯の区分等も環境基準に合わせることとしている。要請限度値については、現行の要請限度との継続性、環境基準設定に当たって検討した騒音影響に関する等価騒音レベルによる科学的知見、騒音の実態等を総合的に考慮し提言している。

これを受けて、自動車騒音の要請限度に係る総理府令を平成12年3月に公布した(平成12年4月施行)。