一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、2030年までに液化天然ガスの生産能力が大幅拡大と予測
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.11.12 【情報源】国際機関/2025.10.27 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、中期展望報告書「ガス2025」を発表した。それによれば、液化天然ガス(LNG)の生産能力は、2030年までにかつてないほど拡大するという。
アメリカとカタールを中心とした液化能力の増強により、LNGの輸出能力は、2030年までに年間約3,000億立方メートル増加。
これは正味のLNG供給が、2030年までに年間2,500億立方メートル増加することを意味し、これによりLNG価格の低下、需要拡大の促進が見込まれる。
2022年のロシアのウクライナ侵攻による供給ショック以降、ガス市場は均衡を取り戻しつつあるものの、価格は依然として従来の水準を大幅に上回っている。
これが需要を抑制しており、特に価格に敏感なアジア市場で顕著である。
同報告書の基本シナリオでは、天然ガスの需要は2024年から2030年にかけて年間約1.5%増加すると予測(3,800億立方メートルの増加)。
その増加の半分をアジア太平洋地域が占め、石油からガスへと電力システムを転換しているサウジアラビアなどの中東諸国が約30%を占める。
LNG生産能力の拡大は、世界のガス市場を再編することになる。
【国際エネルギー機関】