一般財団法人環境イノベーション情報機構
EU理事会と欧州議会、ロシア産ガス輸入の全面禁止に向けた規則案に暫定合意
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.12.22 【情報源】EU/2025.12.03 発表
EU理事会と欧州議会は、ロシア産天然ガスの輸入を段階的に停止し、2027年秋までに全面禁止とする規則案(注)に暫定合意した。規則の発効から6週間後に同輸入を禁止する内容だが、既存契約については移行措置が設けられており、最終的な全面禁止は、液化天然ガス(LNG)が2026年末、パイプライン経由の天然ガスが2027年秋となる。
また、以下についても規定がある。
・事前承認制度:輸入に必要な情報の事前提示を義務付ける(一定の基準を満たす国については適用免除あり)。
・国家多様化計画:エネルギー供給における多様化を図る措置や想定される課題を盛り込んだ計画の提出を加盟国に義務付ける。
・罰則:規則違反の場合には、違反の重大さに応じた抑止力のある罰則を課す。
・一時停止条項:エネルギー供給の安全保障を脅かす事態が生じた場合、規則の適用を一時的に差し止めることを可能にする。
・実施状況の点検:規則の影響を評価するため、実施状況のレビューを欧州委員会に義務付ける。
本規則案はEU理事会と欧州議会による承認と正式な採択を経て発効する。
(注)ロシア産エネルギーへの依存から脱却するためのロードマップ「REPowerEU」の中心的要素となるもの。
EUの天然ガス輸入に占めるロシア産天然ガスの比率は、2025年時点で依然として推定13%を占めている(金額にして年間150億ユーロ超)という。
【EU理事会】