一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、化石燃料部門からのメタン排出は依然として高水準と報告
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.05.27 【情報源】国際機関/2025.05.07 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、報告書「グローバル・メタン・トラッカー2025年版」を公表し、メタン削減措置の多くは費用対効果が高く、短期的な温暖化抑制に極めて重要だと指摘した。人工衛星など強化された最新測定データに基づく主な分析結果は、
・化石燃料部門が人為的なメタン排出量のほぼ3分の1を占め、世界のエネルギー部門からのメタン排出量は未だ年間1億2,000万トン以上。
・石油・ガス施設からの大量のメタン漏出は2024年に過去最高を記録。放棄された油井、ガス井、炭鉱からのメタン排出量は約800万トン。
・エネルギー部門からの年間メタン排出量の約70%は既存技術で回避可能。回収したガスは販売できるため、多くの削減措置が1年以内に採算がとれる。2024年は追加で天然ガス約1,000億m3の市場投入が可能だった。
・世界の石油・ガス生産で、ほぼゼロのメタン排出基準を満たしているのは僅か約5%。
・現行政策の下、化石燃料部門でメタン削減策を展開すれば、2050年までに世界の気温上昇を約0.1℃抑制できる。
【国際エネルギー機関】