一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界資源研究所、大企業の持続可能性目標の多くでサプライチェーン側の視点が欠落と指摘
【環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2025.09.10 【情報源】研究機関/2025.08.25 発表
世界資源研究所(WRI)は、大企業のサステナビリティ戦略には大きな盲点があると報告した。世界の大手企業約700社が掲げる1,000以上の目標を分析した結果、多くの企業がサプライチェーン関連の目標に気候変動や自然環境に関することを設定している一方、働く人を中心に据えた目標をひとつ以上設定している企業はわずか12%、労働条件の改善や人材の育成などを掲げている企業は3%にとどまることが分かったという。
また、サプライチェーン関連の目標の約90%は、小規模なサプライヤーに持続可能性の目標を守らせるだけのものになっており、サプライヤーが可能な限り低コストで高品質の製品を生産しながらどうすれば持続可能性を追求できるか、という視点に欠けている。
WRIは、サプライヤーと連携・協力しながら持続可能性に向けた取組を進めることで双方にとって価値のある関係を築くことができるが、大企業がサプライヤーとそこで働く人のニーズに対応しなければ、サプライチェーンをよりクリーンで強靭に変えることは難しいだろう、と指摘する。
【世界資源研究所】