一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、中小企業向けAI支援パイロットプロジェクトを実施
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2025.12.12 【情報源】ドイツ/2025.12.02 発表
ドイツ連邦環境・気候保護・自然保護・原子力安全省(BMUKN)は、中小企業向けAI支援を進めるパイロットプロジェクト「Green-AI Hub Mittelstand」の成果を公表した。プロジェクトでは、AI専門家が企業を訪れ、6ヶ月の期間で資源効率、材料削減、循環経済のための個別 AI アプリケーションを開発したもので、委託を受けた未来環境協会(ZUG)の主導のもと複数の研究機関が参加して実施された。
プロジェクトには、製造業14社、IT関連業6社の計20社が参加した。
製造業14社では、計320トンの材料削減の可能性が確認され、明確な経済効果も示された。
そこから導かれた年間で可能な削減量は、マテリアル・フットプリント6250トン、CO2フットプリント1300トンに相当する。
さらに、IT関連業6社では成果は主に顧客企業で現れ、例えば、AI を用いた注文や配送の計画などにより、ここでは製造業以上の削減効果が期待できるとしている。
ドイツ連邦環境・気候保護・自然保護・原子力安全省は、「Green-AI Hub Mittelstand」 を2029年まで延長すると公表した。
シュヴァルツェリュア=ズッター事務次官は、「AIは企業の資源効率を高め、循環型経済の実現に貢献する。
生産や事業運営の方法を変革し、生産・サプライチェーン全体における材料効率を向上させる。
パイロットプロジェクトの成功は、AIが生産プロセスとサービスプロセスを目に見える形で効率化し、資源を節約することを示している。
このような取り組みをドイツの製造業全体に展開できれば、莫大な材料費の節約と資源再利用の効率性向上が期待できる。」と述べた。
【ドイツ連邦環境・気候保護・自然保護・原子力安全省】