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環境ニュース[国内]

化学物質の環境リスク評価 第5次取りまとめ分の結果を公表

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.10.19 【情報源】環境省/2006.10.18 発表

 環境省は平成18年10月18日、行政施策上リスク管理の優先度が高いと考えられる化学物質を対象に実施した、環境リスク評価の結果第5次とりまとめ分を公表した。
 化学物質の環境リスク評価は、評価対象とする化学物質の(1)人の健康や生態系に対する有害性を特定し、用量(濃度)−反応(影響)関係を整理する「有害性評価」、(2)その物質の人や生態系に対する環境経由の暴露量を見積もる「暴露評価」−−の2種類の評価を行い、双方の結果を比較し、総合的なリスクの程度を判定するもの。
 また本格的な環境リスク評価は、(一)多数の化学物質の中から環境リスクが高い物質を絞り込む「初期評価」を実施した上で、(二)有害性・暴露に関する知見を充実させ、環境リスクの低減方策を検討する「詳細評価」を行うことが想定されている。
 今回の評価では、23物質について人の健康・生態系両面についての初期評価を、再評価が必要となった6物質について、生態系のみに対する初期評価を実施した。
 その結果では、健康・生態系両面についての初期評価を実施した23物質のうち、クロトンアルデヒドとベンゾ[a]ピレンが健康リスク面で、p−クロロアニリン、ジフェニルアミン、ベンゾ[a]ピレンが生態系へのリスク面で詳細評価候補と判定された。一方、生態系のみに対する初期評価を実施した6物質の中では、詳細評価候補と判定された物質はなかった。
 環境省では、健康リスク初期評価により詳細評価候補とされた2物質のうち、クロトンアルデヒドについては、室内空気の吸入によるリスクが高い可能性があるとして、今回の評価結果を室内空気についての関係機関に連絡し、その対応を見守る方針。ベンゾ[a]ピレンについては、すでに大気汚染防止法上の有害大気汚染物質対策・優先取組物質として位置づけられていることから、一般環境大気中のモニタリングを継続するとともに、新たに食物からのばく露の可能性に関する情報収集を行う。
 一方、生態系へのリスク面で詳細評価候補とされた3物質については、生態リスク初期評価により得られた知見を、水生生物保全目的の水質目標設定の必要性検討に役立てていく予定。また、化審法の第3種監視化学物質(高濃縮性はないが、難分解性生態毒性を有する物質)として指定されているp−クロロアニリンとジフェニルアミンについては、同法に基づき毎年の製造・輸入量の監視を継続するとしている。【環境省】

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