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環境ニュース[海外]

中国 東莞福安公司が隠れて排出管を設置し高濃度染料廃水2万トンも排出

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2007.05.14 【情報源】中国/2006.06.21 発表

 広東省東莞市長安県には、年生産額35億元、国内企業ベスト500、2003年中国漂白染料工業ベストワン、2003年中国紡織工業業界販売額ベストワンを獲得した香港の上場企業がある。しかし同社は、直径25cmパイプを違法に埋設し、高濃度染料廃水を日量2万トン以上も隠れて排出していた違法大企業であった。同社は、汚染物排出報告で虚偽をし、毎年廃水1000万トン分を報告せず、汚染排出許可証も有効期限を2年も超えているにもかかわらず、いまだに生産を続けおり、汚泥も直接河川に排出し、環境保護審査も受けずに勝手に生産規模を拡大していた。先日、国家環境保護総局、広東省環境保護局の連合調査チームが市民からの苦情を受けて、一挙にこの環境法違反の東莞福安紡織印染有限公司を取り調べた。
 国家環境保護総局はこの件を重視し、総局の周生賢局長、環境監察局の陸新元局長は密かな調査を指示し、広東に調査員を派遣して調べることとした。広東省環境保護局でもこの件を重視し、同省環境保護局の李清局長も『隠れた調査で、環境保護違法行為を厳しく取り締まる』ことを指示し、国家環境保護総局と連合調査チームを編成して、全12名を東莞に派遣した。
 相手に警戒されないように、調査チームは周到に用意し、2隊に分けて行動することとした。1隊は直接、東莞福安紡織印染有限公司のある東莞、深センの境にある茅洲河の汚染排出口に行った。連日の大雨で、本来排出溝の河水も大分澄んでおり、工場から流れ出てくる濃い赤色の汚水がはっきりと見えた。調査員は一目で、その汚水は未処理だとわかった。試料採取検査の結果、同汚水は基準をはるかに超え、中でも色度は19.5倍も超えていることがわかった。
 同社は、隠れて2本のパイプを設置した。一つは、管径25cmある鉄製パイプであり、2つの隠れたバルブで制御され、一部の生産場所から出てくる廃水を直接工場外の総排水管に排出できるようになっている。同企業責任者によれば、このパイプは去年6月に設置したものである。もう1つのパイプは、きれいな水と汚水の分流ができ、雨水収集も可能な開水路と担当者は説明するが、そこには生産廃水も交じり、汚水処理設備もなく、直接工場外の総排水管につなげている。
 調査チームはまた、同企業の汚水処理能力は日量2万トンしかないのに、毎日平均4.7万トンの汚水を排出していることを発見した。同企業の責任者は、残り3万トン近くの汚水は全て隠れて排出したことを白状した。同企業は2003年以来、環境保護部門審査なしに勝手に生産規模を大きくし、汚水排出量も大幅に増加した。
 同企業は汚染物排出報告でも虚偽をし、または報告しないこともあった。毎年1600万トンもある生産廃水排出量は、報告では670万トンしかなく、1000万トン分も隠していた。
日常の環境検査のため、同企業は環境保護部門に見せるための水使用量統計を偽装しており、実際の水使用量とは日量2万トンの差がある。
 広東省環境保護局は既に東莞福安紡織印染有限公司を起訴し、徹底的に2つの違法パイプを撤去して、生産、排出の削減を要求し、汚水処理量2万トンの処理能力を超えないよう指導した。同市環境保護局は職員を同企業に派遣して抽出検査をし、着実に改善、排出の基準達成をするよう促した。【中国環境報】

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