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環境ニュース[海外]

中国 医療機関水質汚染物質排出標準が実施される

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2007.05.23 【情報源】中国/2005.11.29 発表

 新たな「医療機関水汚染物質排出基準」が2006年1月1日に実施される。同基準の実施により、伝染病院はCODを70%、BODを80%、SSを80%削減する。また総合病院はCODを50%、BODを60%、SSを60%削減する。汚水中の糞便大腸菌除去率を99.999%とし、医療廃水による伝染病の発生を根絶する。
 中国では医療事業の発展に伴い、医療機関の汚水排出量が増加している。汚水中には伝染病菌・ウイルス・化学汚染物質・放射性物質などが含まれ、処理が不十分であれば人体や環境へ深刻な影響が出る。中国は1983年に「病院汚水排出基準」を施行、1996年に国家環境保護局と国家技術監督局による「汚水総合排出基準」を公布、2001年に国家品質監督検査検疫総局による「医療機関汚水排出要求」を公布した。しかしこれらの基準は医療廃水の生物学的指標を規定するにとどまり、限界があった。
 2003年、SARSの発生に伴い医療機関の汚水排出が大きな課題となった。そのため新基準を制定し、汚水排出に対する規制を強化することにした。今回の新基準は強制基準であると同時に、国家環境保護体系の枠組みに位置し、国の水・大気・廃棄物の環境標準や汚染物質排出基準と協調している。新規・拡張の医療機関は新基準の実施日から適用されるが、既存の医療機関は2007年12月31日までに基準に適合させる。特殊な医療廃水は単独で収集、処理した後、病院の汚水処理システムに入れることや、低放射性廃水は自然崩壊用の水タンクで処理を行うこと、口腔科の水銀入り廃液は水銀除去処理を行うことなどが求められる。
 関係者によると医療廃水の沈殿過程で7〜8割の病原菌とウイルス、9割の寄生虫卵は汚泥に沈むという。このため汚水処理場の汚泥には消毒処理を義務付けている。【中国環境報】

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