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環境ニュース[海外]

中国市民の環境意識を示す環境民生指数を初公表

環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2007.05.24 【情報源】中国/2006.01.20 発表

 先日、中国初となる市民の環境意識を表す指数である「中国市民環境保護民生指数」2005年報告が中国環境文化促進会によりまとめられ、公表された。今回の中国環境民生指数は68.05、これは中国市民の環境への関心は高いが参加の程度が低いことの反映である。市民の環境に対する意識は高いがこれには誤解もある。
 市民の環境に対する認知度と関心は高まってきている。中でも環境汚染、ゴミ処理、汚水処理などの広域的環境問題に対する認知度は80%以上あり、また環境汚染を招く四大汚染源に対する認知度も高く、工業汚染による大気汚染が最も深刻な環境問題と捉えている。
 一方で、市民の環境保全に対する参加の面では劣っている。現在、中国市民の環境意識や環境知識はある程度向上したが、参加程度が弱く、「口では言うが行動しない」人が多数を占める。特に注目すべきは、大多数の市民が、具体的な環境問題に遭遇したときにどのように参加すべきかを知らないことである。
 データ上では、8割以上の市民が最近3ヶ月間に環境活動に参加しておらず、参加したのはわずか6.3%しかなかった。また具体的な環境活動に参加するとき、その状況を見てどのように参加するか決めるという人の割合が4割以上で最も多く、主体的参加意識が弱くて群集心理が垣間見える。逆に言えば、市民参加の余地はまだ大きく、企業が環境責任を担い、市民参加を促進すれば、その役割は大きなものとなる。
 また環境参加の行為は個人の次元でとどまり、しかも浅い程度にとどまっている。現在市民の最も関心の高いのは公共空間の環境状況で、大気、水、騒音への関心度が34%もある。これはきれいで汚染のない環境の中で生活したいという市民の希望を示している。これとは対照的に、環境活動に参加する市民の行為は個人の生活空間に集中し、しかも単純で浅い次元の行動が主である。例えば日常生活中の節水、節電などである。すぐに改善できてしかも自分に利益があるような環境行為は尊重されるが、意識的に環境知識を学習する、あるいは時間や金銭が必要になる公益活動への主体的参加はほとんど誰も手を付けようとしない。
 また市民の環境への関心の焦点は個人の利益であり、責任意識は薄い。市民の関心と行動の差は、公共の環境保護と個人の責任が結びついていない現れであり、大多数の人は、環境問題が個人の生活に影響して初めて一定の行動を取るものであって、公共の環境保護を促進し、市民の環境責任を意識している人はほとんどいない。環境監視活動への参加権利も法律上では認められたものの、参加の具体的条件、方法、手順など細かい法律規定がなく、具体的な環境問題に遭遇したときに参加の方法を知らない。このため環境保護部門が市民参加体制を整備するには、環境保護を市民が幅広く参加する社会事業の範疇に入れ、教育宣伝活動を進める必要がある。【中国環境報】

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