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環境ニュース[海外]

中国が環境と健康との関連研究を加速

健康・化学物質 公害予防/被害】 【掲載日】2007.05.25 【情報源】中国/2006.08.24 発表

 国家環境保護総局科学技術司健康処によると、環保総局は衛生部と緊密に連携し、環境と健康に関する情報リソースの共有体制を構築し、国家環境健康行動計画の作成・実施を共同推進する。作成中の「環境健康行動計画」に基づき、2006年〜2010年、中国は環境リスク因子が健康に及ぼす影響と環境に関連する疾病の発生の抑制に力を入れ、整った環境・健康関連法令や基準を構築し、環境汚染とその健康被害のモニタリングネットワークと予防警報体系を構築する。また突発的事件の環境衛生緊急対応体系と環境・健康情報サービス体系などの構築を始める。
 関連資料によると、中国では毎年少なくとも40万人が空気汚染と関連する病気で死亡しているという。全国で3億以上の農民が基準を満たしていない不衛生な水を飲んでおり、重点都市の1/5近くの飲用水源地の水が衛生基準に達していない。近年、中国農村部人口で、環境汚染と関連の高い悪性腫瘍による死亡率が上昇している。
 高毒性農薬が中国の農業で広く使用されており、飲用水源地の水には多くの奇形・発ガン・突然変異性を持つ有機汚染物質が存在している。これら人々の身の回りに潜む健康リスクに対して効果的な措置をとる必要がある。調査によれば、国際的に定められた12種類の残留性有機汚染物は人々の生産・生活活動中に存在している。この他、汚水による灌漑、固形工業廃棄物堆積、工業汚染の大量転移などにより、農村土壌の重金属汚染は食品にまで影響が及んでいる。
 国家環境保護総局などの関連部門は、次々と環境・健康に関わる一連の系統的調査を展開している。特に、飲用水源地で発生した有機汚染、有毒、有機物質の基準超過による現地住民の健康影響に対して、関連部門が重視するようになってきている。国家環保総局は、全国水源水有機汚染調査と重点都市水源地水質調査を開始した。有毒・有害な有機汚染物質の種類や、濃度レベル、汚染の特徴などをほぼ明らかにし、飲料水源地の有機汚染物質の関連基準、規範や分析方法の制定に裏付けを与え、また水源地の有機汚染物質と健康との関係の調査研究活動を引き続き進めるための基礎が定められた。
 同時に、社会各界から高い関心を集めている重金属汚染が健康に及ぼす影響や、高発ガン性と環境汚染との関係などの問題について、国家環保総局関連部門は関連省市の重点汚染地区を選定し、今年と来年の2年間で、環境汚染と健康被害の状況を調査する。
 先日、国家環境保護総局と衛生部は先駆けて、この分野で緊密に協力し合い、国家の環境・健康調整メカニズム体制、環境・健康シンポジウム、環境・健康情報リソース統合共有メカニズムを環境・健康事務協力関係の基礎とし、両部門の恒久的協力メカニズムの構築により、中国環境健康活動の恒久的で深い発展を共同で推進することを狙いとしている。
 また両部門は、国家環境・健康指導チーム、国家環境・健康活動チーム、国家環境・健康諮問委員会を共同で設立する。環境・健康情報リソース共有体制も設立中である。両部門は今後、具体的な協力プロジェクトを通じて、環境モニタリングネットワークや疾病モニタリングネットワークリソース統合活動を推進していく。マクロ的観点から中国の環境と健康の相関関係を分析し、政府の意思決定を支援する。
 国家環境保護総局科技標準司健康処によれば、目前にある任務は、まず現状を把握し、問題点に照準を絞り、環境・健康問題の調査と基礎研究を通して、中国環境・健康の基本的状況を把握する。そして10年〜20年かけて環境・健康に関連する技術基準体系を作り、環境汚染が引き起こす健康損害に対応した技術認定機関を設立し、その上で、国の環境・健康法律法規制度を整備構築していく。【中国国家環境保護総局】

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