EU、水不足と干ばつ対策に関する加盟国の進捗状況をまとめた報告書を公表

　欧州連合は、水不足と干ばつ対策に関する加盟国の進捗状況をまとめた報告書を公表した。報告書では、水需要と水供給の均衡状態はヨーロッパ各地で危うい状況となっており、この傾向は、気候変動が進むにつれて強くなっていることが示唆されている。水不足は地中海地域の加盟国だけの問題ではなく、豊かな水資源を持つ北部に位置する加盟国においても問題となっており、2050年までにヨーロッパの多くの地域で様々な水不足が起こることが予想されている。報告書では複数の加盟国で、既に水課金制度や水管理対策の改善、効率的な水利用や節水対策が導入されているものの、建物における水効率の向上に関する法令設定や違法な水供給への対策、水道網における水の損失への対策の必要性が指摘されている。欧州連合は、2012年に水政策の見直しを実施する予定にしている。【欧州委員会環境総局】