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環境ニュース[海外]

EU、市民の大気汚染物質曝露に関する調査報告書を公表

大気環境 大気汚染】 【掲載日】2012.10.11 【情報源】EU/2012.09.24 発表

 欧州委員会は、欧州環境庁が作成した報告書「ヨーロッパの大気質-2012年報告書」を公表した。報告書は、市民の大気汚染物質の曝露状況を調べることにより、ヨーロッパの大気質の概観を提供し、今後、効果的でクリーンな大気質を実現するための政策開発を支援するものである。EUは、過去数十年間に渡り、酸性化の要因となる大気汚染物質の削減に成功してきた。しかし、今回、公表された報告書では、ヨーロッパの多くの地域において、浮遊粒子状物質や地表オゾンの問題を抱えていることが示されている。浮遊粒子状物質は、EUにおいて最も深刻な健康リスクの要因となっている大気汚染物質である。2010年は、PM10の濃度ではEU上限値を超過する地域に居住する都市人口は21%であり、さらにPM2.5の濃度では30%にまで達していることが示されている。EUよりも厳格なWHO基準値に基づいた場合、都市人口の81%または95%が上限値を超過する地域に居住していることが指摘されており、大気保全に関する法令改正を緊急に進めることが求められている。また、オゾン(O3 )は、都市部における曝露が非常に高いことが指摘されている。2010年は、都市人口の97%がWHOに基づく上限値を超過した地域に居住、EU上限値では17%であった。また、二酸化窒素(NO2)は、2010年は都市人口の7%が上限値を超過した地域に居住、さらにベンゾピレン(BaP)は、EUにおける都市人口の大部分がEU目標値(2013年達成目標)を超える曝露をしており、懸念事項となっている。二酸化硫黄(SO2)は、排ガス洗浄技術の発達と動力用燃料における硫黄量の減少により大幅に減少し、2010年は、EU上限値を超える居住地がなかった初めての年となった。一酸化炭素(CO)、ベンゾール、重金属の濃度については、EU全域で低く、地域的に限定しており、EU法で定められている上限・目標値を上回る地域は僅かとなった。欧州環境庁は、これまで、国別排出上限指令(NEC指令)に基づき、大気汚染物質排出量と排出上限値の超過について公開してきた。今年後半に、NEC指令に定められている2010年の健康・環境目標値が達成できたのか、これまでの結果に基づく分析を公開することになっている。【欧州環境庁】

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