EU　欧州委員会が欧州の水資源保全コンセプトを提出

【水･土壌環境 その他(水･土壌環境)】 【掲載日】2012.11.26 【情報源】EU／2012.11.15 発表

　欧州委員会は、欧州における水資源保全コンセプトを作成し公表した。このコンセプトを通じて、人間、経済、そして環境のために良好な状態の十分な水の供給の確保を目指す。近年、EU域内における水質は若干改善したものの、良好な状態とは言えず、水不足や洪水など極端な事象が多くの加盟国内で発生している。そして、水汚染、農業用水、エネルギー利用、土地利用、気候変動の影響など新旧の課題の克服に向けて多大な努力が必要とされている。水枠組み指令に定められている2015年までに水資源の状態を良好にする目標達成のために、今回のコンセプトでは、3段階の戦略アプローチ「既存の水政策の実行状況の向上」、「水政策の目標の他の政策分野への反映強化」、「現行の法的枠組みにおける欠落部分の充填」と、国レベル、地域レベル、または個々の河川地域において実行可能な多数の手段が策定されている。コンセプトは、水資源の維持は環境保全、健康、福祉面だけでなく、経済成長や幸福にも関係することを強調しており、コンセプトを通じて、EU水経済は、その成長ポテンシャルを全て活用し、その結果、経済成長と雇用の創出を生み出すことを目指している。コンセプトは、2012年5月に設立された「水のためのイノベーションパートナーシップ」によって支援されている。コンセプトに含まれる提案の実行は、水枠組み指令履行のための共通戦略において支援されており、加盟国やNGO、企業が含まれるオープンな参加型プロセスとなる。【欧州委員会環境総局】