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環境ニュース[海外]

欧州化学物質庁、REACH規則の制限制度は人の健康と環境へのリスク軽減に寄与と発表

健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2021.03.04 【情報源】イギリス/2021.02.16 発表

 欧州化学物質庁(ECHA)は、化学物質の登録・評価・認可及び制限に関する規則(REACH規則)の制限制度の費用便益分析報告書を発表した。制限制度は、人の健康と環境へのリスクのある特定の化学物質について、一定の制限条件を満たさない場合には製造、上市、使用を禁止するもの。報告書は、制度により健康と環境へのリスク軽減が進み、大きな利益がもたらされているとした。今回、2010年以降2020年5月までに制限リストに登載又は手続き中の制限提案33件を対象に分析した。物質や技術の代替化費用等制限に関わる総コストは年当たり17億ユーロ、総受益者は700万人であった。コストは金銭に換算できるが、便益は換算できないものがあるため、報告書は便益を次の3種類に分類して示した。
 1.がん、性分化疾患、ぜんそく、皮膚アレルギーなどの重大な疾病の防止による金銭換算可能な健康上の利益は年21億ユーロ。このためのコストは年5億ユーロ。
 2.製品に添加されるマイクロプラスチックの年2万5000トンの削減をはじめ環境中へ放出される有害物質は年9万5000トン減少。このためのコストは年12億ユーロ。
 3.健康向上・リスク回避の金銭換算できない利益を毎年消費者・労働者85万人が享受。このためのコストは年1億ユーロ超。
【欧州化学物質庁】

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