一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、気候変動適応策に公正性の原則を浸透させる必要性を報告
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2025.06.25 【情報源】/2025.06.10 発表
欧州環境庁(EEA)は、「気候変動に対応するうえでの社会的公正性」と題する報告書(注)を公表した。報告書では、4つの主要なシステム(建造環境、農業・食料、水、交通)における気候変動適応策、及びいかにしてそれぞれに公正なレジリエンスを組み込み得るかが検討されている。
浮き彫りとなったのは、EU及び加盟国は、気候変動適応の主原則として公正性を重視する傾向を強めている一方、この原則が実践的に生かされている場面は依然として限定的であることだという。
気候変動の影響のしわ寄せが及んでいる弱い立場の人々が適応計画の策定や実施の際に見過ごされがちであり、欧州全体、国、自治体のどのレベルでも、気候変動適応のための施策において公正性の組込みが不十分であることが明らかとなった。
こうした課題を踏まえ、報告書は政策的な提言も示している。
EEAは、慎重かつ包摂的でなければ、適応施策が今ある不平等を意図せず助長する可能性があると指摘し、気候変動レジリエンスの中心に据えるべきは「誰一人取り残さない」ことだと説明している。
(注)「Social fairness in preparing for climate change: how just resilience can benefit communities across Europe」(気候変動に対応するうえでの社会的公正性:公正なレジリエンスが欧州の地域社会にもたらす恩恵)
【欧州環境庁】