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環境Q&A

蛍光X線 

登録日: 2006年03月07日 最終回答日:2006年03月13日 ごみ・リサイクル グリーン購入

No.15476 2006-03-07 09:39:44 まどのゆき

最近エネルギー分散型蛍光X線分析装置(以下、EDX)で電子部品のRoHS有害物質分析を担当しました。

ある部品(リン青銅−ニッケルメッキ−金メッキ)の金メッキを測定すると、RoHS閾値を超えて「臭素」、「水銀」、「カドミ」を検出しました。

EDXでは、妨害ピークにより「無い物が有る」というような事象が現れるといわれています。

この環境Q&Aでも過去に、金属に臭素(PBB,PBDE)が含有している?という内容の質問がありました。
小職も、金メッキやニッケルメッキに臭素が入っているとは思いませんし、水銀も入っていないのではと思っています。

また、金の大きなピークがあると、Cdのピークが現れるといわれていますが、いずれも妨害ピークによるものではないか、と考えているのですが、言い切れる根拠がありません。

皆さんの中で、このようなご経験や妨害ピークの読み方などご存知の方がおいででしたら教えていただきたいと思っています。

よろしくお願いいたします。

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No.15581 【A-2】

Re:蛍光X線

2006-03-13 09:05:30 ともる

私がよく活用しているのは、

「蛍光X線分析の実際」
中井 泉編集、(社)日本分析化学会、X線分析研究懇談会監修

です。
X線の基礎からかなり詳細な部分まで、比較的分かりやすく網羅されていますので、ご参考になるかと思います。

回答に対するお礼・補足

ありがとうございます。
「蛍光X線分析の実際」で勉強します。
今は、サムピークや重なりなどをどのように読んで、判断していけば良いのか暗中模索中です。
これからもよろしくお願いいたします。

No.15520 【A-1】

Re:蛍光X線

2006-03-09 17:04:04 ともる

蛍光X線分析法は、元素ごとに固有のエネルギーを持つ蛍光X線の強度からその濃度を算出する手法です。

しかしながら元素に固有といっても、各元素のエネルギーは非常に近接しているために、対象とする元素とエネルギー位置が近い元素が試料中に多量に存在する場合には、対象元素のエネルギー位置にまで、実際に多量に存在する元素のスペクトルがかかってしまいます。
元素の定量計算にはスペクトルの積分強度を用いるので、このような場合には、対象元素が高濃度含まれているように算出されてしまうことがあります。

ご質問のケースについては、以下のようなことが考えられます。(臭素・カドミウムはKα線、水銀はLα線で測定されたものと推測したものです。)

・臭素が高濃度となる理由
 臭素のKα線(11.9keV付近)と金のLβ線(11.5keV付近)が近いため、金のLβ線スペクトルの裾部が臭素Kα線にかかっている。

・カドミウムが高濃度となる理由
 金のLβ線(11.5keV付近)のサムピーク(エネルギー位置の倍の位置に現れるエネルギー分散型蛍光X線分析装置特有のゴーストピーク)がカドミウムのKα線(23.1keV付近)として算出されている。

・水銀が高濃度となる理由
 水銀のLα線(10.0keV付近)と金のLα線(9.7keV付近)が近いため、金のLα線スペクトルの裾部が水銀Lα線にかかっている。

以上です。
ご参考になれば幸いです。

回答に対するお礼・補足

早速のご教授ありがとうございました。
スペクトルを読めるよう勉強します。
EDXを扱うようになり、図書館や本屋等に行ってスペクトルの具体的な読み方など調べていますが、見つかりません。書籍など情報をお持ちでしたら教えていただきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

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