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環境Q&A

低BODの希釈 

登録日: 2007年03月06日 最終回答日:2007年03月06日 環境一般 その他(環境一般)

No.21503 2007-03-06 02:59:05 とんちゃん

計量証明事業所でBODを担当しています。

BODが2や3など低い数値の場合に、
希釈なし、2倍希釈、3倍希釈と希釈倍率を決めて
培養したとします。
その場合に、希釈なしのDO(初日)が6.00でDO(5日後)が2.00であれば計算式からBODは4.0となると思います。このように検査したときに5日後のフラン瓶の中に小さな気泡が数個できていました。ふたをするときには細心の注意をしていますので、空気は巻き込んでいません。他に気泡が入ることはあるのでしょうか?
私が考えた理由は
1 試料に溶存酸素以外の気体が低水温時の飽和状態くらい含まれていて、その気体が温度上昇とともに気泡化した。
2 二酸化炭素同化作用によって気体発生した。(インキュベーターは完全に遮光しています)
他に原因は考えられますか?
ちなみに検体は浄化槽排水でした。

あと、ひとつわからないのですが、希釈しない場合の試料のDOが低い(この場合には6.00でした)時には、そのまま試験に供してもいいのでしょうか?希釈水は8.80くらいまで酸素飽和されているものを使っているのですが、希釈しない場合にはDOが低いものがあって、特にORPが低い検体に関してはDO(15分後)の段階ですでに多量の酸素が消費されているようです。
すみませんがお願いします。

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No.21513 【A-1】

Re:低BODの希釈

2007-03-06 22:21:02 なんちゃって計量士

とんちゃん殿 此の話題何時か出るとは思つて折りましたが、未だ考え中です。少し長く成りますが、我慢して下さい。飽く迄も私見ですから、内容もそのつもりで斟酌下さい。

>BODが2や3など低い数値の場合に、希釈なし、2倍希釈、3倍希釈と希釈倍率を決めて培養したとします。>
>
 まず、JIS法とすると、無希釈はBODとして該当するや否やが問題に成ります。
 JISを読み込むと、如何やら希釈を前提としている様にしか読めません。
 勿論、計量士の採用する方法として、無希釈を定める事も可能ですから、無希釈が行えない訳では有りませんが、JISではなく、如何やらJISに準じて計量士が定めた方法として計量証明するのが本来になるかと思います。

>その場合に、希釈なしのDO(初日)が6.00でDO(5日後)が2.00であれば計算式からBODは4.0となると思います。このように検査したときに5日後のフラン瓶の中に小さな気泡が数個できていました。ふたをするときには細心の注意をしていますので、空気は巻き込んでいません。他に気泡が入ることはあるのでしょうか?
>私が考えた理由は
>1 試料に溶存酸素以外の気体が低水温時の飽和状態くらい含まれていて、その気体が温度上昇とともに気泡化した。>
>
 此れは考えられる要因の一つです。

>2 二酸化炭素同化作用に拠つて気体発生した。(インキュベーターは完全に遮光しています)>
>
 此れも同様ですが、殆ど遮光が完全ならば考えなくてよい要因です。しかし場合に拠つては低光量で光合成を行う藻類も在ります。

>他に原因は考えられますか?
>ちなみに検体は浄化槽排水でした。>
>
 単純に、水蒸気も考えられます。

>希釈しない場合の試料のDOが低い(この場合には6.00でした)時には、そのまま試験に供してもいいのでしょうか?希釈水は8.80くらいまで酸素飽和されているものを使っているのですが、希釈しない場合にはDOが低いものがあって、特にORPが低い検体に関してはDO(15分後)の段階ですでに多量の酸素が消費されているようです。>
>
 此れがDO15分です。
ここのA-1の後半を御読み下さい。
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=15558
 個人的には、DO15分の制御は本当に難しいと思っています。特に低いBODの場合には再現試験が難しく、安定性が殆どない場合が多く見られます。

回答に対するお礼・補足

なんちゃって計量士さま
ご返答ありがとうございます。
BODは本当におくが深いですね。

無希釈についてはJIS法ではあまり詳しく書かれていませんね。希釈水なしですから、ABCD液などの栄養塩類の添加、pH緩衝も行われていません。そういった状態で培養したサンプルと、きちんと栄養添加された状態で培養したサンプルが比較されること自体、意味がないのかもしれません。
注11)の最後に「溶存酸素が十分に含まれていない場合には、ばっきした後試験する」とありますが、これが希釈操作でのことなのか、無希釈の試料にも適用できるか不明です。あと、無希釈の方法を採用しないでいると、BODの定量下限値が大幅に上がってきてしまうでしょうし。
ほんと奥がふかいです。ところでなぜBODは0.5まで定量できるのでしょう?低BODの場合には、かなり安定性が低いですから。今度うちの計量士の人にきいてみます。

No.21514 【A-2】

Re:低BODの希釈

2007-03-06 22:30:03 JK

>1 試料に溶存酸素以外の気体が低水温時の飽和状態くらい含まれていて、その気体が温度上昇とともに気泡化した。

似たような経験があった・・・気がします。
そうだとすれば、窒素などは考えられませんか?

>2 二酸化炭素同化作用によって気体発生した。(インキュベーターは完全に遮光しています)

光がなくて光合成ができるかどうか分かりません。

>他に原因は考えられますか?

培養瓶を水封して恒温器中におく場合には、水封水が蒸発するから、ときどき補充する必要があるそうです。でもこのようなときにはBODの測定自体がうまくいっていないでしょうから、考える必要もないのかもしれません。

>希釈しない場合の試料のDOが低い(この場合には6.00でした)時には、そのまま試験に供してもいいのでしょうか?

ORPでも観察されているとはすごいですね。
試料を酸素で飽和するわけにもいかず、考慮することなくそのまま試験に供していました。
特に規定はないようです。通常はこのような試料のBODは高いことが多いので、希釈された培養びんの試料が採用されるので、いくらかDOは高くなっていると思います。

以上、回答でなく感想です。

http://www.kakenk.co.jp/ohmi/newpage9.htm
http://www.fujiclean.co.jp/story/vol24/part103.html

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