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環境Q&A

下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか? 

登録日: 2003年05月29日 最終回答日:2003年06月17日 ごみ・リサイクル ごみ処理

No.2476 2003-05-29 15:36:35 michi

下水や浄化槽の負荷を低減するのに、生ごみ部分は取り除くほうが良いと言われています。

ここで疑問なのですが、
生ごみは取り除いて燃えるごみとして捨てたら、
焼却の時にエネルギーを使い、環境に負荷がかかります。

下水等にディスポーザーなどで流した場合と、
燃えるごみとして捨てた場合はどちらが環境にとって
悪いのでしょう?

単純に比べることは難しいとは思いますが、
何か参考になるご意見お持ちの方お願いいたします。

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No.2649 【A-19】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-17 12:47:22 東京都 / 君山銀針

下水汚泥が現在でも焼却されているというのはこのQ&Aの議論のはじめのほう(A-4 現場経験者さんの回答)にも説明されていたのですが、文章だとわかりにいようなので、念のため図式化してみます。

          運搬         運搬
1通常のごみ
  家庭 → 可燃ゴミ → 焼却処理場
       収集場所   焼却に伴う負荷   

A通常の下水
  家庭   → 下水  → 下水処理場  →焼却処理場
                        (汚泥)

Bディズポーザー経由(浄化槽なし) 

家庭   → 下水  → 下水処理場 →    焼却処理場
    水質         ごみと下水     焼却に伴う負荷
    汚濁         の分離   (汚泥は
    増加         水質浄化  ごみの分だけ増加)

下水道処理場の処理限界問題。詰まるおそれ
    
Cディズポーザー経由(浄化槽あり) 

 家庭 →  浄化槽    →     下水処理場   →焼却処理場
    水質 ごみと下水         水質浄化    焼却に伴う負荷   
    汚濁 の分離   A程度の       (汚泥量は
    増加 水質浄化  の水質         A程度)
                               
         ↓ 
      汚泥(ごみ)処理 
      バイオ方式?焼却? 
      

という感じではないでしょうか。(他のご意見がある方はお教えください)

つまりディスポーザーを設置すると収集場所からのルートでの焼却場への搬入は減少
しますが、どこかで汚泥処理が増えるので、トータルとしてのゴミ処理の負荷は
変わりません。(汚泥の処理方法による負荷の差はありますが)

一方ごみを流すことによる水質汚濁の負荷とその浄化の工程は増えていると
いうことになります。

No.2646 【A-18】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-17 03:42:27 NAT

>結論は、「個別(各自治体毎の)のケースに
よって“異なる”ので、一般解は無い」
同感です。

>ディスポーザの使用で変化する環境負荷は、
主として生ゴミと下水汚泥の“運搬”にかかる環境
負荷の差と考えて良いでしょう。

そうですね。それと、議論の中で気が付いたのですが、そもそもの生ゴミの発生量自体の抑制をどう動機付けしていくのか、仕組みが必要かなと感じました。
kisokou さんの回答で「勿論、便利なキッチンライフを求めて使うのが利用者の主目的」とあったように、かなりの人は便利であればそれに流されてしまうのが世の常なので、発生量を気にせず、例えば多少下水道使用料金を値上げしたぐらいでは、便利さに負けてしまうのがオチかなと思います。
ゴミ処理で大切なのは発生量抑制であり、処理
技術の面だけで考えるだけでなく、社会システムとしてどういう方法がその地域に一番よいのか、この視点も踏まえて考えていく必要があるかと思います。

No.2644 【A-17】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-17 01:10:50 クマムシ

>質問者の意図はその疑問点の解消にあると思います。

そうでしたね
結論は、「個別(各自治体毎の)のケースに
よって“異なる”ので、一般解は無い」とい
うことになりましょうか


>ごみ焼却処理負荷の減少による環境改善を妨げていないでしょうか?

ゴミ焼却側で減少した負荷は、下水汚泥処理側
の負荷の増大になります(ダイオキシンも含めて)

下水汚泥の処理法には複数あるので個別のケース毎
に検討する必要がありますが、基本的には下水汚泥
を焼却して産廃処分場に埋め立てるので、生ゴミの
焼却処理と同様です
つまり、ディスポーザの使用で変化する環境負荷は、
主として生ゴミと下水汚泥の“運搬”にかかる環境
負荷の差と考えて良いでしょう。


ということで、現時点で考えられるディスポーザの
一番のメリットは、カラス対策ではないでしょうか?



No.2643 【A-16】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-16 19:06:22 大阪府 / kisokou

>実際に、ディスポーザの使用に関わりなく,増大した負荷に対応できずに、悪化した処理水を排出する場合があるのです。
ディスポーザーに関係なく予期しない事故などで、負荷が増大することはあるでしょう。これを通常のディスポーザーによる家庭排水の負荷増と同一視するのは如何なものでしょうか?

>ディスポーザの使用と生ゴミの減量とは関係ありません
そうですね、家庭生ごみの処理方法が変るのですね。現在の家庭生ごみの焼却処理による環境負荷が、ディスポーザーによる処理で減少するのはあきらかですね。それと、下水道の負荷増による環境負荷への影響はどちらが大きいかです。

質問者の意図はその疑問点の解消にあると思います。下水道の負荷増=直接環境(この場合河川や海洋)の負荷増ではないので、影響が出そうだからとして、ディスポーザーが悪いと決め付け、ごみ焼却処理負荷の減少による環境改善を妨げていないでしょうか?

No.2603 【A-15】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-12 20:21:35 クマムシ

>ディスポーザーは排水の負荷を高める為に使うのではありません。

ディスポーザを使うと確実に排水の負荷は高くな
ります
処理場によっては、増大した汚濁付加に対応でき
ないケースもあるでしょう
実際に、ディスポーザの使用に関わりなく,増大し
た負荷に対応できずに、悪化した処理水を排出す
る場合があるのです。

まずは、水環境に対して負荷の増大しない対応が
求められているのです
ディスポーザは、この点に関してクリアすべき
課題が多いのです。
かのレポートはその点についても報告しています。


そのような現実をふまえた上で、
「既設の下水道」においては、ディスポーザの
使用には慎重になるべきだと言っているのです


>家庭生ごみの減量により、・・・・・

ディスポーザの使用と生ゴミの減量とは関係あり
ません
生ゴミを運搬するルートが変わるだけです
その運搬するルートとして下水道がふさわしいか
どうか疑問があるのです。

No.2600 【A-14】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-12 15:44:49 大阪府 / kisokou

君山銀針さん、情報有難うございました。ディスポーザー排水処理システム評価基準(案)は大臣認定廃止後の地方行政の参考のために作られた(案)であり、地方自治体がこれを基に独自にディスポーザー排水処理システムの取扱を判断するためのものです。ディスポーザーの法規制とは目的を異にしていると思われます。
NATさん、ディスポーザーは排水の負荷を高める為に使うのではありません。家庭生ごみの減量により、社会全体としての環境負荷を軽減(下水道だけ見れば、若干の負荷増になりますが)すると共に、より衛生的な美しい街づくりに貢献します。勿論、便利なキッチンライフを求めて使うのが利用者の主目的とおもわれますが。

No.2581 【A-13】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-11 10:43:46 東京都 / 君山銀針

>一時「建築基準法」で規制しましたが、平成12年に建築基準法改正により、
>法的規制は廃止されたのです。にもかかわらず、いまでも自治体と業界によって
>「前例と横並び」が強く守られているに過ぎないのではないでしょうか?

kisokouさま

平成12年の建築基準法改正の内容はいままで建築基準法の中で工法、材料、寸法等、仕様を規定していた部分を、仕様基準ではなく、性能基準に合致しているかどうかで判断する方式に建築基準法全般の考え方を改めたものです。

つまり技術革新によって工法、材料、寸法が変化した場合に対応できるように一定の性能さえ満たせば多様な材料、設備、構造方法を採用できる性能規定に転換したのです。

従いまして改正の対象はディスポーザーのみでなく、またこのときに「性能基準」として、前に書いた(財)日本下水道協会の「下水道のためのディスポーザ排水処理システム性能基準(案)」が作成されていますので、建築基準法に規定されていた「建設大臣認定の製品でなければならない」という内容がこの性能基準に移行したというほうが一般的な理解だと思います。

参考 までに下記のページをあげておきます。

日本下水道協会 下水道のためのディスポーザ排水処理システムの性能基準案について
http://www.alpha-web.ne.jp/jswa/news/despoza.html

(社)浄化槽システム協会 建設大臣認定から下水道協会性能基準(案)適合評価への動き
http://www.jsa02.or.jp/s50/c7-2/c7-2-10/c7-2-10.htm

なおこの性能基準の対象になっているのは、このQ&Aで長く話題となっている歌登町のようなごみを流すタイプではなく、浄化槽設置タイプ。実質的には建設大臣認定の要件に沿った内容ですが、基準への適合性評価については役所の許認可から第三者機関の評価へという規制緩和の流れを踏んだ転換がされています。

No.2578 【A-12】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-11 06:17:41 NAT

私が以前勤務していた地方都市の事例ですが、そこは早くから下水道が普及していたため、合流式の下水道であり、市もディスポーザーを避けたい意向でした。下水道の処理施設も見ましたが、確かに大雨時には問題との印象を受けました。少し内陸部の市でしたので、結局それが数キロ離れた海に流入するとなると下流地域にとっては問題があるでしょう。

確かに生ゴミが目の前から減るのであれば、需要は大きいでしょうから、「ディスポーザー設置がOK」となるとどうなるのか。現在の下水道が多数の家庭にディスポーザーが普及した場合まで計算に入れて設計されていないのでは?

> 歌登町の報告もあくまで下水道世帯の15%に普及した時点での「中間報告」で、さらに普及が増えた後の評価はまた別に行うとしています。

ということであれば、ちしゃさん同様、この1例を、ほかのすべてにあてはめるというのは少し無理ではないかという印象を持ちますし、大都会のケースを検討する意味はあると思いますが、慎重に検討すべきと考えます。

ディスポーザー需要が高いと思われる大都会の下水道が現在どういう状況(構造、余力、排水濃度レベル等)なのかは分かりませんが、1つの参考となればと思い、
書きました。

私自身は、ディスポーザーに対し、衛生的な処理かもしれませんが、わざわざ排水の負荷を高めるのはどうかなと感じています。
下水道がいくら浄化するといっても、自然の浄化能力等を期待して? 結構高い濃度で排水していますし、自然の浄化能力を期待するのであれば、あまり一点集中的なゴミ処理、下水処理は、経済効率・衛生上はいいかもしれませんが、はたして環境によいのかな?(施設立地場所周辺における全負荷の問題) と思うことがありますが、いかがでしょうか?

No.2577 【A-11】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-10 19:39:15 東京都 / ちしゃ

歌登町の報告もあくまで下水道世帯の15%に普及した時点での「中間報告」で、さらに普及が増えた後の評価はまた別に行うとしています。

歌登町についての議論も最終報告を待ったほうがいいと思うのですが・・・。

なお歌登町は人口2,600人で分流式という比較的恵まれた下水道の環境です。(余裕があるから実験対象になったのだと思われます)。従いましてこの1例を、ほかのすべてにあてはめるというのは少し無理ではないかという印象を持ちました。

No.2576 【A-10】

Re:下水と焼却、どちらが環境負荷が低いか?

2003-06-10 18:43:04 大阪府 / kisokou

> 現時点では、「既設の下水道に対しては問題がある」という結論になります
下水道に影響があるのは当然ですが、それが問題となる具体的な事実が無いのです

> 国土交通省・下水道部の調査「ディスポーザ普及時の影響判定の考え方(案)」は、全体的にそのような報告になっています。
当レポートは、影響に応じて、管渠の清掃回数の増加を考慮する必要があるなど、管理上の留意事項を示しているもので、やはり、問題点としているものではありません。

>あくまでも能登町のケースであり、このケースを大都市での下水道に当てはめることはできません。
歌登町の事実を元に大都会のケースを検討すべきです。
>そもそも、ディスポーザのニーズが最も高いであろう大都市部では合流式下水道であり、合流式下水道地域でのディスポーザの使用は『避けるべき』と、国交省・下水道部の「調査」では報告しています。
改善対策のない合流式下水道地域では、避けるべきでしょう。が、その他の問題の無い地域までディスポーザーを規制する必要はないでしょう。

>そもそも、「規制」をクリアすればディスポーザは設置可能なのですよもちろん、設置の費用は利用者の自己負担ですけど(当然ですよね)
一時「建築基準法」で規制しましたが、平成12年に建築基準法改正により、法的規制は廃止されたのです。にもかかわらず、いまでも自治体と業界によって「前例と横並び」が強く守られているに過ぎないのではないでしょうか?
環境面で本当に問題なら、直ちに規制すべきです。が、「問題が起きるかもしれない」との理由での規制は税金(行政費用)の無駄使いであると共に、消費者に不要な経費負担を強いることになります。

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