脱臭装置内で生成した白い結晶の正体を教えてください
登録日: 2012年01月15日 最終回答日:2012年01月17日 大気環境 悪臭
No.37918 2012-01-15 21:31:59 ZWl8e32 風林火山
過去の投稿を読んで頂いた方なら私が小さな下水処理場の維持管理をしていることはご存知だと思いますが、それと並行して汚水中継ポンプ場数ヵ所の管理もしています。
中継ポンプ場では活性炭吸着法で脱臭しているのですが正月に吸着塔の下の方にあるドレン排水管が詰まり、吸着塔の中に液が溜まってしまいました。
活性炭を外に出し、溜まった液を汲みだしたのですが底には白い(見る角度によっては青白い)結晶がたくさんあり、それが圧縮されて氷砂糖そっくりの半透明な塊となり排水口を塞いでいたのが原因でした。
液は強酸で硫化水素ガスもあることから硫酸だろうと思うのですがこの白い結晶が何なのか化学に疎いもので全く見当がつきません。
下水ですので入ってくるガスは硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチルが主なものと思いますがこれらの成分が水(ミスト)あるいは硫酸と化合して結晶を作るのでしょうか、或いはガス同士の化合によるものなのでしょうか、また空気中の窒素や二酸化炭素も関係しているのでしょうか?
詳しく説明できる化学知識、描写能力がないので抽象的で回答し辛いと思いますが推測でもかまいませんのでこの結晶の名前をご存知の方がおられましたらご教示下さい。
なかなか予算取りしてもらえず3年に1度くらいしか活性炭の入れ替えはできないのですがそれでも前回まではこんなことはなかったのですが・・・
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No.37928 【A-4】
Re:脱臭装置内で生成した白い結晶の正体を教えてください
2012-01-17 12:04:31 papa (ZWlbd18
圧損のマノメーター指示値が通常時より上昇した時はおおかれすくなかれ閉塞がみられます。
もともと4/6メッシュ程度の粒度のため流路に結晶が析出するとその部分が加速度的に閉塞が発生してしまいます。
何度か析出する結晶を調べてみましたが、たいがいは硫酸アンモニウムの結晶でした。
活性炭に添着されている酸とガス中のアンモニアの生成物と思いますが、塔内で硫化水素が酸化されて硫酸になっている分の寄与もあるかと思います。塔内結露水は硫酸酸性の強酸性であることが多いので硫酸塩の溶解度も通常の水とはかなり異なっていると思います。
混合炭でない場合は塔内は入り口側から酸性炭から中性ガス用に流れるようになっていると思いますので、入り口側(通常は上向流なので下段側)の結晶析出閉塞になることが多いと思います。
冬季は外気温との温度差で塔内結露が多くなり、ご質問のようなケースに何度か遭遇しています。ドレン管トラップ温度は外気温と同じになってしまうため結晶析出や凍結破損のリスクもあるので場外の脱臭施設の保守はなかなか大変な作業です。ドレン管トラップが閉塞して塔内冠水で保守用扉をあけたら強酸性水でビショビショになったこともあります。
場外ですと充てん量はさほど多くないと思いますので、破過したら取替用の予備品備蓄するか、下水中のアンモニア臭気はさほど高濃度になることはないし、結露しやすい冬季は活性炭が濡れて効力も低下する時期なので、閉塞しやすい酸添着炭を他種に替えてしまうということも考慮してよいかと思います。
回答に対するお礼・補足
papa様 回答ありがとうございます。
今日、塊を浄化センターに持ち帰り溶解させてみました。
硫酸カルシウムの場合 水への溶解度 0.21g/100ml(20℃)
農硫酸には硫酸水素カルシウムとなり溶解する。
硫酸アンモニウムの場合 水への溶解度 74.4g/100ml(20℃)
結果は水によく溶け、農硫酸にはほとんど解けませんでしたので硫酸アンモニウムと判断しました。
予備炭のストックは予算上難しいかなと思います。酸性、中性、アルカリ性の順番を逆にして多少なりとも改善されるのならすぐにでもやってみますが一緒でしょうね。
現場では「下水道維持管理指針」に載っていない色々なトラブルがあり困っている方(大手メンテ会社以外)もたくさんおられると思いますので今回のようなケースも含め本にフィードバックできるルートが構築されることを期待しています。
御三方のご丁寧な回答に感謝します。
1月17日 20:30
No.37926 【A-3】
Re:脱臭装置内で生成した白い結晶の正体を教えてください
2012-01-16 22:35:29 筑波山麓 (ZWl7b25
ここは、昔の手分析に戻って、『濃硫酸には硫酸水素カルシウムとなり溶解する。濃塩酸に対しても硫酸水素塩を生じて水よりも溶解度は増大する。チオ硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩水溶液に対しても錯体を生じて溶解度は増大する。(ウィキペディアより)』の性質を確認されてみたらどうでしょうか?
上記のような性質を確認できれば、硫酸カルシウムであるとかなりの確率で推定できると思います。
ところで、今日、福島原発事故による放射能汚染の除染作業に必要な、環境省主催の「除線業務に係る特別の教育」を受講して参り、学科講習受講証明書もいただきました。
私の参加するNPO法人が福島県で除染作業に従事しておりまして、それに参加しようと思い、この講習に参加した次第ですが、質疑応答で福島放送の取材も受け、たいへん充実した一日でした。これで、晴れて、福島県の除染作業にボランティアとして参加できる体制が整いました。良い一日でした。
回答に対するお礼・補足
筑波を築波と誤っていました。失礼しました。
近日中に時間を取って手分析をやってみたいと思います。
何ら問題のない瓦礫を受け入れると表明しただけで市町村に抗議が殺到する情けない国民が多い中、除染作業のボランティアとはありがたいことです。
私には地理的な問題から肉体的な支援は無理ですので義捐金を続けるか、ふるさと納税という形でしか応援はできませんが細々と続けていきたいと思います。
1月16日 23:10
No.37924 【A-2】
Re:脱臭装置内で生成した白い結晶の正体を教えてください
2012-01-16 13:03:41 今は分析と開発屋 (ZWle41e
お話の件ですが、私も筑波山麓様が仰っているように硫酸カルシウムを主成分とした結晶であろうと推察されます。私は筑波山麓様の説明に付け加えた補足の説明をします。
筑波山麓様が「蛍光X線装置を利用できるならば…」と仰っておりました。これにより、「白い結晶」の成分が分かります。それに付け加えてX線回折装置を利用できるならば、「白い結晶」の結晶構造がわかりますのでより確定できると思います。
以上です。
No.37919 【A-1】
Re:脱臭装置内で生成した白い結晶の正体を教えてください
2012-01-15 23:57:06 筑波山麓 (ZWl7b25
お話の内容から、硫酸カルシウムの2水和物を主成分とする硫酸カルシウムであろうと推測いたします。『濃硫酸には硫酸水素カルシウムとなり溶解する。濃塩酸に対しても硫酸水素塩を生じて水よりも溶解度は増大する。チオ硫酸ナトリウムおよびアンモニウム塩水溶液に対しても錯体を生じて溶解度は増大する。(ウィキペディアより)』の性質を有するので、確認してみられたらどうでしょうか。
また、蛍光X線装置を利用できるならば、これを使って測定されれば確定できると思います。
どこもメンテナンスに金をかけないようになり、その維持管理をなさる担当者にとってはつらい冬の時代ですね。『なかなか予算取りしてもらえず3年に1度くらいしか活性炭の入れ替えはできないのですがそれでも前回まではこんなことはなかったのですが・』とのことですが、活性炭の吸着能力から考えると、『3年に1度くらい』の入れ替えでは、ほとんどその効果はないに等しいのではないでしょうか?
回答に対するお礼・補足
1月も半ばを過ぎてしまいましたが、
築波山麓 様、今は分析と開発屋 様 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。また早々の回答ありがとうございます。
硫酸カルシウムですか。
ウィキペディアを読んでみました。厳つい名前ですが石膏の主成分なのですね。
質問に書きました5種類のガスの組成分にカルシウムは含まれていませんから配管内または吸着塔の中で硫化水素が酸化されて硫酸となり、下水中のカルシウム分と反応して徐々に析出していったと考えてよいのでしょうか。
水分を吸着塔に入れないためにミストセパレーターが設置されているのですが機能していない可能性もありますね。
残念ながら蛍光X線装置はありませんし、あっても使えませんので浄化センターでの分析はできません。
築波山麓様の「活性炭の吸着能力から考えると、『3年に1度くらい』の入れ替えでは、ほとんどその効果はないに等しいのではないでしょうか?」につきましては仰る通りで1年足らずで破過しているようです。
ところで築波山麓様は「津久葉山禄」から元の漢字に戻されたのでしょうか?
今は分析と開発屋様 まとめお礼で失礼しました。
1月16日 18:20
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