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環境Q&A

ICP分析におけるFe、Alの回収率について 

登録日: 2013年02月05日 最終回答日:2013年03月10日 環境一般 その他(環境一般)

No.39018 2013-02-05 00:49:34 ZWleb3c KB

ICPを用いてCd、Pb、Cr、B、Zn、Al、Fe、Cu、Na、Mn、Niの分析を行っている者です。
精度管理の一環で回収率の試験をしたのですが、Fe、Aについて回収率80%前後という結果になってしまいました。他の元素についてはほぼ100%です。前処理、分析で問題点や検討すべき点があればご教授願います。
・ブランクを含めて5点検量線を引いている(サンプルと同じく硝酸10%入り)。
・検量線の中で一番低い混合標準液(硝酸未添加)50mlに硝酸5mlを加えGLサイエンスのDigiPREPを使用し、100℃で45mlまで濃縮し超純水で50mlにメスアップした物をサンプルとして測定した。
・検量線の一番低い混合標準液の内訳(ppm)
 Cd:0.003、Pb:0.01、Cr:0.05、B:0.1、Zn:0.01、Al:0.02、Fe:0.01、Cu:0.01、Na:2、Mn:0.001、Ni:0.01
・複数波長、ラジアル・アキシャル両方で分析しても回収率はFe、Alのみ80%前後
・Yを内部標準として使用(ぺリスターポンプ添加)
・Cd、Pb、Niは超音波ネブライザー(Y:0.5ppm)、他は普通ネブライザー(Y:2ppm)使用

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No.39081 【A-3】

Re:ICP分析におけるFe、Alの回収率について

2013-03-10 06:50:42 たそがれ (ZWla61d

このところ忙しく、なかなか回答を付けることができませんでした。

アルカリ金属以外の金属イオンは通常、弱アルカリで水酸化物の沈殿を形成し、器壁に吸着される傾向にあります。ただし、3価のFeとAlは特異的に中性付近(pH5くらいから)でも起こります。私の経験ではZnなどはそれほどでもありませんでした。
標準を希釈する場合はもちろん、この教訓を実サンプルにも生かす必要があります。
採取後一定量を分取、酸を加えて保存しておかないと器壁に吸着され、分取するたびに低値を示すことになります。

回答に対するお礼・補足

ご回答いただきありがとうございます。
ご指摘頂いているとおり、実サンプルにも生かしていきます。
日々同じ分析をしている中で時々違うことをすると気づけることがあるのですね。
精度管理をした甲斐がありました。

No.39042 【A-2】

Re:ICP分析におけるFe、Alの回収率について

2013-02-20 01:20:34 KB (ZWleb3c

質問者です。
問題が解決しました。
標準液を超純水で希釈していく過程で、pHが上がってしまったことが原因のようでした。STD1(硝酸無添加)でpH5くらいになっていました。
希釈の過程で硝酸を加え、pH3以下を維持しながら希釈すると回収率も100%くらいになりました。重金属の分析では当たり前のことなのかもしれませんが、私には盲点でした。
標準液は関東のものを使用していますが、Fe、Alは硝酸0.2mol/L溶液であり、他は0.1mol/L、0.02mol/LということでFe、Alは特に沈殿、吸着しやすいのかなと確証はありませんが思っています。違いましたらまた教えていただければ幸いです。

No.39019 【A-1】

Re:ICP分析におけるFe、Alの回収率について

2013-02-05 22:38:25 たそがれ (ZWla61d

Feの0.01mg/LやAlの0.02mg/Lは低濃度すぎてラジアル測光では精確に測れません。アキシャルのみを考えるべきです。

もしかしたら検量線作成時からおかしかったのではありませんか。等間隔でない検量線ポイントでは極低濃度が無視されてしまいます。直線に見える上に相関係数も良好になります。強度比だけでなくFeの0.01mg/LやAlの0.02mg/Lが上位の検量線ポイントと強度において比例関係にあるか確認してみるとよいでしょう。

回答に対するお礼・補足

ご回答ありがとうございます。
検量線の間隔は一番低濃度をSTD1とするとBL、STD1、STD1×4、STD1×7、STD1×10の5点です。強度は比例関係にあり、相関係数は0.9999ほどです。検量線作成時のSTD1と前処理したSTD1ではFe、Alで明らかに強度が小さくなっています。
今まで三回ほど試験して同じような結果です。
関係ないと思いますが、Cd:0.0003、Pb:0.001、Cr:0.005、Ni:0.001でしたので訂正します。

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