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環境Q&A

燃料電池からの排水問題 

登録日: 2015年01月04日 最終回答日:2015年02月02日 エネルギー 燃料電池

No.39943 2015-01-04 13:02:26 ZWlf21 トム

トヨタの燃料電池車MIRAIの走行ビデオを見ると排水管から水がボタボタ垂れ流されています。将来世界で何千万台、何億台の燃料電池車が走り回りだした場合、たとえ水や水蒸気であろうと新たな気候変動につながるような影響を及ぼす気がするのですがこの辺の問題を論じたものが見つかりません。学術論文などがありましたら教えてください。

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No.39946 【A-1】

Re:燃料電池からの排水問題

2015-01-08 21:10:51 筑波山麓 (ZWl7b25

>トヨタの燃料電池車MIRAIの走行ビデオを見ると排水管から水がボタボタ垂れ流されています。将来世界で何千万台、何億台の燃料電池車が走り回りだした場合、たとえ水や水蒸気であろうと新たな気候変動につながるような影響を及ぼす気がするのですがこの辺の問題を論じたものが見つかりません。学術論文などがありましたら教えてください。

「トム」さんへ。

温暖化に影響するのは空気中の水分です。河川、湖、海から毎日、毎秒蒸発する水の量を考えたことがありますか!!!「海からは434×1015kg/年の蒸発量がある」と言われております。また、「大気中の水蒸気は海上+陸上(11+4.5)×1015kg=15.5×1015kgある」とされています。

公表されている資料から、830km/156L(700気圧)の燃費から計算すると830km走って水が約22kg発生します。1万台で約220トン/(830km走行)の計算となります(計算ミスがありましたらご容赦ください)。しかし、これらの大半が蒸発せず、「水がボタボタ垂れ流されています」、また、蒸発しても雨となって落ちてきます。かつ、広い国土に分散して走行し、かつ830kmの走行中での発生するわけです。後は、ご自分で計算してみてください。

したがって、遠い将来において、「将来世界で何千万台、何億台の燃料電池車が走り回りだした場合」でもほとんど影響がない思われます。

それよりも、これはつい最近の私の再生エネルギーニュースで配信した情報ですが、「No.2652 燃料電池車と電気自動車、どちらが「真のエコカー」なのか? 」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42579の情報の方が「気候変動につながるような影響」を考慮するときに重要と思います。如何でしょうか?

回答に対するお礼・補足

筑波山麓 様

ご丁寧な回答有難うございます。自然の水循環のなかでのサイクルであれば問題はないでしょうが、FCVが化石燃料由来の水素を使うのであれば出てくる水は新たな人工的な水資源になり自然の水循環に対するかく乱要因になるのではと思います。ガソリンエンジンが発明された時も出てくるCO2がこんな悪さをするとはだれも考えていなかったでしょう。新技術が生まれた時はそのリスクも考えておくのが現代科学だと思います。FCVにしても水素生産が再生可能なエネルギーでなされない限り環境への負荷が少ないとは言えないと思います。
原発が無反省に普及されてきたような愚は繰り返したくありません。FCVも普及する前に様々な面での環境への影響を研究しておくべきだと思う次第です。
貴論文も読ませていただきます。

No.39947 【A-2】

Re:燃料電池からの排水問題

2015-01-09 05:35:05 筑波山麓 (ZWl7b25

「トム」さんへ。

そうですね。将来、数千万台の燃料電池車が走行するようになれば、新たな環境問題が発生するように思います。それは地球温暖化だけでなく、新たな公害問題である可能性があります。

しかし、それをいうことは、中国の故事である「杞憂」になると思います。

まだ、燃料電池車が普及するか、EV車に軍配があがるか、それとも両者が普及するか分からない状況です。両陣営とも、我こそは温暖化問題を解決する究極の技術であるとして開発に取り組んでいます。そのようなときに、「将来世界で何千万台、何億台の燃料電池車が走り回りだした場合」を考慮することにいかほどの意味があるのでしょうか?

思えば、産業革命も地球温暖化だけでなく、多くの公害・環境問題を引き起こしてきました。しかし、一方では、産業革命は、病気による死を劇的に少なくし、幼児の死亡率を急激に低くし、日々の生活を快適にし、人類の寿命を大きく延長してきました。我々は、その恩恵を多大に受けて生活をしています。アフリカ等を初めとする低開発国も現状の悲惨な生活を捨てて欧米・日本のような文明の生活を手に入れたくて産業の振興を図っています。

これらの正の面を忘れて負の側面のみを考え、将来への発展の芽を過早に摘み取る愚は避けなければいけません。

このサイトでは宣伝の類はしてはいけないことになっておりますが、営利を目的にしていませんのでご容赦をお願いして、再生可能エネルギーに関連する情報を配信している私のホームページをお知らせします。もし、良ければご利用ください。60大過ぎの手習いで、暇なときに勉強しながら作成している状況なので稚拙なのはご勘弁ください。https://sites.google.com/site/npohesa77/home

回答に対するお礼・補足

現代の環境問題を考えると杞憂とばかり言っていられないと思えます。ベックが「危険社会」で指摘している通り科学技術の発展はそれ自体新たなリスクを生み出すと考えていた方が良いと思います。FCVの水問題にも科学者の目が行ってほしいところです。シェールガスにせよメタンハイドレードにせよエネルギー関連の場合どうして負の面が軽視されるのか、何か社会体制の問題が絡んでいるような気がします。これからもしていこうと思います。   

No.39949 【A-3】

Re:燃料電池からの排水問題

2015-01-09 10:10:54 東京都 / こん (ZWl144

参考までですが。何と何を比較するか考える必要もあります。
ちょっと計算したところガソリン車だと830km走ると(燃費15km/Lで)水が60kgくらい出るようです。さらにCO2も出る。燃料電池車万々歳では?
ただ、電気自動車もそうですが、自動車走行時だけを比較して、環境問題を論じても解決はしません。燃料・エネルギーの製造方法・材料、車両の製造材料等総合的に考えなければなりません。売る方は良い点を強調しがちです。

回答に対するお礼・補足

こんさん
回答有難うございます。将来主流になりマスで使われるような技術にはマクロの面と長期的な影響面を考慮していく必要がありますね。メディアの報道だけみているとミスリードされそうです。

No.39991 【A-4】

Re:燃料電池からの排水問題

2015-02-02 08:29:53 筑波山麓 (ZWl7b25

「トム」さんへ。

「たとえ水や水蒸気であろうと新たな気候変動につながるような影響を及ぼす気がするのです」のひとつの回答と考えることができるかもしれない情報をお知らせいたします。

No.2789 究極のエコカーにも最悪の環境破壊車にもなるFCV 作り方で変わる水素の環境性 CO2の大幅削減はまだ遠い
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4661

以上です。

回答に対するお礼・補足

筑波山麓さん

情報有難うございます。水素をどこから持ってくるか、発生した水をどう処理するか、自然のものを人工的にいじろうとするわけですからシステムの始まりから終わりまでしっかり検証する必要があるようです。昔ならいざ知らずこれだけ知見が発達した社会ではこれも科学者の義務でしょう。

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