一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、連邦内閣が2025年気候保護報告書を承認
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2025.08.22 【情報源】ドイツ/2025.08.06 発表
ドイツ連邦内閣は、気候保護法第10条に基づき作成された2025年気候保護報告書を承認し、ドイツ連邦議会に提出した。報告書は、温室効果ガス排出に関する最新の動向、ドイツ国内における気候保護対策や気候保護プログラムの概要を示したもので、気候保護における社会的側面の重要性を強調している。
報告書では2024年の温室効果ガス排出量はCO2換算で前年比から3.4%削減したことを示している。
ほとんどの部門の排出量が削減され、特にエネルギー部門では大幅に削減し目標値を十分に達成していること示している。
一方で建築部門と運輸部門は再び年間排出目標値を達成できず、EUの努力分担規則(ESR)の遵守に重大な影響を及ぼしている。
また、2030年の気候目標は達成可能としているものの、これは計画された措置が完全に実施された場合としている。
2025年の現在の予測データでは国家目標(1990年比で少なくとも65 %の排出削減)は、現行の措置でぎりぎり達成できる可能性がある一方で、追加的な取り組みがなければ長期目標である2045年の温室効果ガス中立は達成できないとしている。
さらにドイツ国内における気候変動の影響は認識され測定可能な状況となっており、「気候変動への適応」の重要性が増していることも示されている。
ドイツ連邦政府は、気候保護法(§9第2項)に基づき、今年末までに新たな気候保護プログラムを策定し、提出する。
プログラムでは、建築部門および運輸部門における追加策を明確にし、社会的補償メカニズムをさらに開発し、そして環境・気候に配慮した技術革新を促進するための投資支援の枠組みの見直しが行われる。
現在連邦政府内で調整が進められているこれらの対策は、2040年までに少なくとも88%の温室効果ガス削減、および2045年の温室効果ガス中立という連邦気候保護法に定められている目標の実現に貢献することを目的としている。
さらに「気候保護・社会モニタリング」を新たに導入し、気候保護対策が社会政策に与える影響をより包括的に把握することを目指す。
特に、低所得世帯がこの社会の移行に参加できるよう支援することが重要だとしている。
【ドイツ連邦環境・気候保護・自然保護・原子力安全省】