一般財団法人環境イノベーション情報機構
国際エネルギー機関、LNG供給による排出は既存技術により6割以上削減可能と分析
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2025.07.09 【情報源】国際機関/2025.06.20 発表
国際エネルギー機関(IEA)は、世界の液化天然ガス(LNG)供給網全体からの温室効果ガス(GHG)排出と排出削減の機会に関する報告書を公表した。これによると、世界のLNG供給に伴うGHG排出量は推定で年間約3億5,000万トン(CO2換算)、うち約7割は燃焼・放出されるCO2、残り3割は未燃焼メタンの漏出である。
炭素排出強度は1メガジュールあたりCO2換算20g弱(天然ガスは平均12g)だが、地域や供給ルートによってかなり差がある。
ライフサイクル全体のGHG排出量は石炭を下回るものの、LNGの利用を環境面で主張するには、最も炭素集約的な石炭との比較だけでは十分でないという。
LNG供給による排出は既存技術により6割以上削減でき、多くの対策は低・中程度の費用で実施可能と報告書は分析。
メタン漏出削減だけでも年間CO2排出を9,000万トン近く(LNG総排出量の25%)削減でき(その約半分は正味費用なしで実現可能)、LNG施設と油田でのフレアリング削減でさらに500万トン削減できるとしている。
【国際エネルギー機関】