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環境ニュース[国内]

ECCSストレーナ、5基中4基で目詰まりの可能性 保安院が暫定対策実施を指示

エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.04.25 【情報源】原子力安全・保安院/2005.04.22 発表

 過去にスウェーデンや米国で、非常用炉心冷却系(ECCS)ストレーナ(ろ過器)に保温材などの異物が付着し目詰まりを起こすトラブルが発生したことや、国内の原発の圧力抑制プール内で異物が確認されたことを踏まえ、原子力安全・保安院が平成16年6月25日に、各電気事業者に、ECCSストレーナの閉塞可能性評価結果や、格納容器再循環サンプスクリーンの有効性評価に必要なデータの報告を求めていた件で、17年4月22日までに東北電力(株)など計7社が報告を行った。
 ECCSストレーナは、沸騰水型原発で原子炉冷却材喪失事故時に原子炉に注水するため設置されているECCSポンプに異物が混入しないよう水源である圧力抑制プール内のポンプ吸い込み口に設置してある金網。
 また格納容器再循環サンプスクリーンは、加圧水型原発で1次冷却材喪失事故時に燃料を冷却するための水源として使用する燃料取替用水タンクの水がなくなった場合に、次の水源として漏れ出た1次冷却材を回収して使用するために、格納容器内の底に設置されているタンク。タンク入口には飛散した保温材などの異物の流入防止用として格子状の金属フィルタが設置されている。
 報告された内容のうち、東北電力(株)女川3号機、東京電力(株)柏崎刈羽4・6号機、中部電力(株)浜岡1・5号機−−の沸騰水型原発5基については、「柏崎刈羽4号機以外では特定のケースでストレーナ閉塞の可能性が否定できなかった」との評価が示されたため、大型のストレーナへの取替などの設備上の対策を実施するまでの間、(1)海外で発生したストレーナ閉塞事例の事故対応者への周知徹底、(2)ストレーナ閉塞事象発生時に対応するための事故時運転手順書の改訂、(3)改訂した事故時運転手順書に基づいた訓練の実施、(4)定期検査時の原子炉起動の際の格納容器内清掃・点検実施−−など暫定対策を行うことが記されていた。
 また、北海道電力(株)泊1号機、関西電力(株)大飯3・4号機、四国電力(株)伊方1号機、九州電力(株)川内1・2号機−−の加圧水型原発6基については、サンプスクリーンの有効性評価に必要なデータ以外に、格納容器再循環サンプスクリーン閉塞の防止と緩和策として、(一)海外で発生したストレーナ閉塞事例の事故対応者への周知徹底、(二)格納容器再循環サンプスクリーン閉塞発生時に対応するための事故時運転手順書の改訂、(三)改訂した事故時運転手順書に基づいた訓練の実施、(四)定期検査時の原子炉起動の際の格納容器内清掃・点検の実施−−を行うとの報告がされている。
 これらの結果について、原子力安全・保安院は「今回報告された暫定対策は、米国で有効性が確認されている対策と同等あり妥当」との判断を示し、今回がなかった事業者や未報告の原発についても、これらの暫定対策を速やかに実施するよう指示するとしている。【原子力安全・保安院】

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