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環境ニュース[国内]

中国 太陽エネルギー利用建築一体化の有望な展望

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2007.05.14 【情報源】/2006.04.06 発表

 2005年末に公布された『科学技術発展中長期国家計画要綱』は、太陽エネルギー利用設備と建築物の一体化技術をエネルギー分野での優先課題として明確に挙げている。同課題は、再生可能エネルギーの低コスト化と大規模化による開発利用を目的とする重点研究対象である。
 太陽エネルギー利用設備を建設物に導入すると、建設コストは1平方メートル当り230元増加する一方、暖房用エネルギーを70%近くも節約可能。また熱循環システムや床暖房などの省エネ技術を同時に採用すれば、実に80%以上ものエネルギーを節約することが可能になる。例えば北京市の清上園住宅小区は、同市で初めて太陽熱温水器を全面的に採用。同小区は計画段階から太陽エネルギーを利用するコンセプトを取り入れ、ベランダの手すりに埋め込む形でソーラーパネルを設置したという。温水器の使用が困難な高層建築での状況を見事に改善している。
 その一方で、不動産開発業者が出資を行い、物件オーナーだけでなく社会全体が恩恵を受ける同小区の開発モデルに対して開発業者側は消極的である。そのため政府が奨励措置を講じ、太陽エネルギーを採用する不動産開発業者に対し財政支援や税収上の優遇制度などを導入した上で、経済的な利益に基づいた太陽エネルギー利用建築の開発を促進する必要がある。
 ただ住宅・居住環境エンジニアリング技術国家研究センターの仲継寿・副主任は、中国の太陽エネルギー利用技術の開発レベルはすでに高い水準に達していると説明している。
 問題点としては、経済的奨励制度が不完全であるほか、太陽エネルギー利用建築について系統的な国家基準や業界基準が制定されていない点も挙げられる。したがって太陽エネルギー受動熱利用や温水供給、暖房、ソーラー発電の利用に関する国家基準と業界基準を含め、太陽エネルギー利用建築に対する定量化指標・評価システムを構築できるよう、早期に研究を進める必要がある。
 現在の都市では高層建築や準高層建築とともに、スロープ型屋根構造が増加中。さらには建築デザインや都市景観への整合性がますます重要視される中で、各建築物がそれぞれ独自に屋上に設置したソーラー温水器が問題化している。
 この状況について、仲継寿・副主任は設計の当初から太陽エネルギー利用を考慮すべきと主張。同副主任によれば、こうすることで、竣工後に太陽エネルギー利用設備を設置する場合に比べ建設コストを低減できるとした。また建築物との調和も確保できることから、周囲の景観に影響を及ぼすこともなくなるという。
 建設部が公布した『建築物省エネ第10次五ヵ年計画及び2010年計画』では、全国で家庭用太陽熱温水器普及率を2015年に20%〜30%を目指すとしている。これに対し、各省や都市でも関連の規定を制定し、例えば深セン市建設局は現在、『深セン市太陽エネルギー利用建築発展計画』の制定を進めている。また近く公布、施行される予定の『深セン経済特区建築省エネ条例』も強制条項を設け、多層式民間用建築を新築する場合、太陽熱温水システムを導入しない建設計画に対し、建設主管部門は施工許可証を交付せず、検収も行わないものとしている。
 江蘇省建設工事基準ステーションも昨年、同省初の太陽熱温水器据付推薦基準である『住宅用太陽熱温水システムの一体化設計と据付、検収規定』を制定、施行している。同基準によれば、各規定に従い全体計画を行うほか、太陽熱温水システムの設計時には建築物に対する据付方向や建築物間の距離を考慮した上で、太陽熱温水器の配置に必要な適度な空間を確保し、合理的な計画を行うよう規定している。また同基準は温水器の配置についても周囲の環境との調和を保ち、外観も統一するよう規定しており、集熱器の反射光が付近の建築物に光汚染をもたらさないよう最大限に配慮する必要があるとしている。【中国環境報】

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