一般財団法人環境イノベーション情報機構

ヘルプ

サイトマップ

メールマガジン配信中

環境ニュース[海外]

中国 再生紙産業の環境汚染も深刻化

水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2007.05.24 【情報源】中国/2005.12.22 発表

 資源リサイクルが叫ばれている中、再生紙産業は循環経済の理念に合致し、奨励すべき産業の一つであるが、その一方で深刻な水環境汚染を招いている実態にも注意する必要がある。
 遼寧省だけで、再生紙工場は各市、県、郷鎮に広く分布している。遼寧省中部のある都市では、製紙工場の通りがあり、数十の再生紙工場が小川に沿って密集し、東北地区の主要な廉価トイレ用紙生産基地となっている。再生紙最大の汚染は生産過程の脱色、脱墨、漂白、着色である。現地の環保局の義務付けにより、この再生紙工場には全て20万元前後の汚水処理設備が導入されている。しかし汚水処理装置の質の問題か、現地管理部門の監督不行き届きか、よく調査をすると各種の深刻な汚染現象が見られる。
 幅わずか10mの小川でも、両岸から排出された黒、茶、青、白の高濃度製紙廃水や生活汚水などで帯状の汚染があり、どぶ川になっている。監督管理の不行き届きが主な原因で、定期検査とわずかな抜き打ち検査だけでは効果が上がらない。また生産コスト削減のために、汚水処理装置があっても使わないこともある。規模の大きい再生紙工場の社長が率直に語ったところによると「環保局の要求にまじめに対応すると工場は倒産する。他の地域で同様の工場は汚水処理装置がないと聞いており、これでは価格競争が不利になる」という。同省だけでなく、全国範囲でも、小規模再生紙工場の大多数には汚水処理装置がない。
 汚水処理オンラインモニタリング設備による全天候24時間監視の導入や、再生紙工場を集めそれらの汚水を集中的に処理する汚水処理センターの建設により、監督管理を強化することは可能である。また政府による産業構造調整も有効である。【中国環境報】

情報提供のお願い(企業・自治体の方へ)

記事に含まれる環境用語

プレスリリース