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環境ニュース[海外]

中国 ハイアールが環境報告書を公表

エコビジネス 環境報告書】 【掲載日】2007.05.29 【情報源】中国/2006.12.14 発表

 ハイアール環境報告書を公表する山東省青島市環保局の王軍主任技師は記者会見の席で『2005年ハイアール環境報告書』配布した。分厚い同報告書は、ハイアールが国内の大企業で先駆けて環境情報の詳細を発表し、生産過程中の廃棄物排出量、有毒有害化学物質使用量などの環境情報を、系統的に事実通りに伝えていくことを説明している。
 同報告書は2002年版GRI『持続的発展報告指針』を参考に編集された。報告書の内容は同社の基本状況、同社と地球環境、同社と社会・ステークホルダーとの関係の3部分で構成されている。
 同社の基本状況では、同社発展の歴史、企業文化、企業管理、企業技術革新、主要製品などの企業情報について紹介している。同社と地球環境では、同社環境方針環境管理機構、2005年度企業環境負荷環境会計、環境指標などの企業環境情報、製品グリーン設計、グリーン生産、グリーン物流、グリーン消費、グリーン回収の5面から、環境負荷削減の措置について紹介した。同社と社会・ステークホルダーとの関係では、同社と従業員、消費者、政府、小中学生などとの関係について紹介した。
 同報告書の第二部分では、企業発展と地球環境との関係について重点的に紹介している。この部分は全報告書の主体部で、市民がここから企業が生産、経営過程中にいかに環境保護を行っているのか、いかに環境型製品の研究開発、生産を行っているかを理解できる。
 同報告書は清華大学と青島理工大学が受託編集し、広く同社の資料を収集し、そこには企業発展の歴史、企業文化、企業管理、廃棄物排出など企業生産業務過程中で環境に関連する資料、同社のクリーナープロダクション、循環経済分野での成果の調査・検討、企業の資源エネルギーの使用、汚染物排出、有毒有害化学物質使用、廃家電回収利用などの面での分析がある。
 同社のEMS(企業環境管理)は環境報告書の重要構成部であり、同社がいかにEMSを実施しているかを詳細に記述している。同社のEMSは6部分で構成され、企業環境方針環境管理の構造、環境負荷環境会計、2005年環境パフォーマンス、2006年環境目標などについて紹介している。例えばエネルギー事業部や集団各部門は2006年に節水5.1万トン、節電830万kWhを要求している。研究開発本部は2006年7月以降に同集団の製品がEUへの輸出基準を満たしアフターサービスを実施するよう要求し、また廃家電の解体試験ラインを建設するよう要求している。冷蔵庫製品本部は82%以上の国内冷蔵庫製品が国家一級エネルギー消費水準を達成し、欧州部は引き続きA++製品を開発し、米国部はエナジースター製品の開発を要求している。冷蔵庫で使用される全原材料がRoHS指令とその他の環境要求を満たさなければならないとしている。
 報告書ではこの他に同社のグリーン設計、グリーン生産、グリーン物流、グリーン消費、グリーン回収などを紹介している。例えば同社が制定したグリーン製品設計実施案には省エネ設計が記載されている。同社は国内で省エネ認証製品シリーズが最も多く、かつ規格が整っている企業である。主要製品の全ては国家級省エネ認証を受け、そのうち一部の製品は米国EPAの「エナジースター」と欧州EUROVENT認証組織が公布した「エナジーセイビングスター」の認証資格を獲得している。低毒、低害型設計の分野では、同社はEUのRoHS指令に基づいて水銀カドミウム六価クロム、PBDE、PBBの6種類の有害物質行動計画を制定し、2005年末までに96類の電気製品に含まれる6種類の有毒有害物質の代替を実現した。一体型設計の分野では、EUのWEEE指令に基づき製品設計時での部品一体型設計、製品に使われる材料の種類や部品数の削減、異なる材料での溶接やプラスチック部品の接着を避けるなど廃品を分解しやすいようにした。
 同社は、サプライヤーと同社が共同で「グリーンハイアール」作りをするよう求め、例えば化学物質の廃棄、生産中で排出される酸塩残渣、無毒、回収価値のある廃包装などを資格のある処理会社に処理委託し、自社で処理できない廃包装容器の処理をサプライヤーに回収リサイクルしてもらうなど、具体的な指示を出した。
 回収した材料のリサイクルについて、同社は工業設備などの部門で鉄鋼の一部を直接利用する外、主要部分は鉄スクラップ精錬企業に買い取ってもらうよう要求した。プラスチックの一部は材料添加剤としてプラスチック加工工場に買い取ってもらい、残りはプラスチック原材料として変性処理され、プラスチックの特性に合う製品(玩具、建材など)の生産に用いる。銅やアルミなど有色金属の一部は検査後、直接利用され、残りは集団傘下企業により使用されている。アルミ箔などの製品は粉砕後、アルミ箔生産企業に回収してもらう。その他希少金属は電子原料企業に買い取ってもらう。テレビ・ディスプレー中の回収したガラスは破砕処理し原材料として使用されたり、自動車の夜間走行の安全性を高めるため高速道路のカーブ部で使用されたりしている。【中国環境報】

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