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積水化学、高温焼成不要な色素増感太陽電池を開発、さまざまな基板で製造可能

エネルギー 再生可能エネルギー】 【掲載日】2013.12.11 【情報源】企業/2013.12.05 発表

 積水化学工業は、高温焼成が不要なフィルム型色素増感太陽電池を開発し、試作に成功した。世界で初めてという。耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープのような材料にも光電変換層を密着できるため、さまざまなフィルム基板を使った色素増感太陽電池の製造が可能になる。独立行政法人産業技術総合研究所と共同で開発した。
 色素増感太陽電池は、二酸化チタンなどの酸化物半導体層に色素を吸着して光電変換層に利用する有機太陽電池の一種。影や壁面など発電に不利とされる場所で性能を発揮するが、広く実用化されていない。一般的には二酸化チタンを含むペーストを基板に塗布し、500℃の温度で焼成して半導体層にするが、500℃の高温が課題になっていた。
 積水化学と産総研は今回、原料の粒子に高い衝突エネルギーを与えて基板に衝突させ、その物理エネルギーで粒子間の結合を促進させる方法を使い、色素増感太陽電池の半導体層に適した二酸化チタンの多孔膜の成膜に成功し、発電性能を確認した。これによって加熱プロセスがなくなり、耐熱性の低い市販フィルムでも太陽電池が実現できる。
 フィルム基板での発電効率は8.0%と世界最高水準となった。ロール状に巻いた基材で連続製造でき、生産コストも抑えられる。軽量、薄型、フレキシブル、長尺などの特長を持ち、太陽電池の利用範囲を大きく広げる。今後製品化に向けて事業パートナーを募り、窓、壁などの内外装建材をはじめ用途開拓を進め、2015年の市場投入を目指す。【積水化学工業(株)】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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