一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ連邦内閣 トリブチルスズを含む船舶塗料の使用禁止を承認
【健康・化学物質 環境ホルモン】 【掲載日】2002.08.26 【情報源】ドイツ/2002.08.14 発表
ドイツ連邦内閣は、8月14日、トリブチルスズを含む船舶塗料を2003年1月以降禁止することを決定した。トリッティン環境大臣は、「我々のリーダーシップにより有毒な船舶塗料が禁止されたことは光栄である。WWF、グリーンピースなどのNGOと共に、ホルモンに影響のある物質の海洋環境の汚染の軽減に取り組んできた成果である」と述べた。トリプチルスズは、有機スズ化合物の一種である。低濃度のトリブチルスズでも、雌の巻貝が雄化する生殖異常が発生することが確認されている。現在では、EUだけでも年間1300トンのトリブチルスズが、船舶塗料として利用されている。連邦政府は、長年、トリブチリスズをEUレベル、国際レベルで禁止するよう要請してきた。トリッティン氏は、昨年、連邦内閣に国内で禁止をするための法令案を提出し、EUにも通告してきた。当時、EUは、さらなる検討は行わなかったが、昨年10月に開催された国際海事機関(IMO)において、船舶塗料においてトリブチルスズを禁止する条約が採択されたことを受け、EUレベルでの指針案を提示した。トリッティン氏は、「IMOの条約を迅速に、批准することが求められている。できるだけ早く、世界的なレベルで、環境に有毒な船舶塗料を禁止しなければならない」と訴えている。
有機スズ化合物は、日用品の防虫処理用にも利用されている。今後の研究によっては、EUは、トリブルチリスズの利用について、さらなる禁止令を検討することになるだろう。
法案の成立には、参議院の承認が必要である。
【ドイツ連邦環境省】