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環境ニュース[国内]

日立製作所、竹類を発電用の木質バイオマス燃料と同等の品質にする技術を開発

エネルギー バイオマス】 【掲載日】2017.03.13 【情報源】企業/2017.03.09 発表

 日立製作所は、竹類を発電用の木質バイオマス燃料と同等の品質にする技術を開発した。竹類に含まれるカリウムと塩素を水に溶け出させることで可能にした。バイオ燃料に向いていないとされている竹類が、エネルギー源に有効活用できるようになる。林野庁の補助事業「木質バイオマス加工・利用システム開発事業」で2年間にわたって開発してきた。

 竹はカリウムが多量に含まれ、大型ボイラーで燃焼すると炉内に溶岩を生成する特性を持つ。そのうえ、塩素濃度が高いため耐火物や伝熱管の腐食を発生させやすい問題があった。低温で燃焼するとダイオキシン類も生成する。日立は、木質バイオマス燃料並みにする技術開発にあたり、成長の早い植物の断面が多孔質の繊維で構成されていることに着目した。

 微細化して水に浸すと、水溶性物質のカリウムと塩素類を容易に溶出させられることが分かった。専用粉砕機で竹を直径6mm以下の微粒子にして水に浸し、カリウムと塩素を溶け出させて脱水することによって、カリウム濃度と塩素濃度を低下させ、木質バイオマス燃料と同等水準にする。孟宗竹、真竹、淡竹、笹などに同じ効果があることも確認した。

 溶け出した成分が植物の育成剤に利用できることも分かった。竹は戦後、タケノコ栽培や竹材の使用を目的に多く植えられたものの、近年は需要が減少して手入れされていない竹林が増加している。竹は成長力が強く他の樹木を枯死させることがある。そのため、生物多様性への影響も懸念され、放置された竹林の拡大防止と伐採した竹の活用が課題になっていた。
【株式会社日立製作所】

提供:日経BP環境経営フォーラム(EMF)

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