一般財団法人環境イノベーション情報機構
国連環境計画、適応ギャップ報告書で途上国の気候変動適応対策の遅れを指摘
【地球環境 その他(地球環境)】 【掲載日】2025.11.13 【情報源】国連/2025.10.29 発表
国連環境計画(UNEP)は、2025年版適応ギャップ報告書で途上国の気候変動適応対策の遅れを指摘した。・途上国への公的な適応資金は、2022年の280億ドルから2023年には260億ドルに減少した。
・各国の削減約束と適応計画に基づく推計では、2035年までに適応対策に必要な資金は最大年3,650億ドルだが、ここ10年のインフレが2035年まで続くと、必要額は最大年5,200億ドルに増加する。実際の資金流入と必要額の間には十数倍の乖離がある。
・172ヶ国は、少なくとも対策・計画は策定した。4ヶ国は未策定である。策定した国のうち36ヶ国で、計画は失効または放置されている。
・パリ協定に基づく隔年透明性報告書では1,600件の適応取組の報告があるが、多くは成果報告がない。
アンダーセンUNEP事務局長は「貧困国に負債増を課すことなく、適応のための資金を」と述べ、報告書は、民間投資のリスクを減らし新たな資金源の参加を求めるとともに、援助・低い金利による譲許的ファイナンス・非債務性資金などによる適応対策資金の増強をはかるよう要請している。
【国連環境計画】