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環境Q&A

土壌汚染対策法と行政の指導の範囲について 

登録日: 2005年08月09日 最終回答日:2005年08月11日 水・土壌環境 地下水/土壌汚染

No.11873 2005-08-09 10:44:11 ロハス袖ヶ浜

病院跡地に建設予定のマンションということで、行政がどこまで動けるのか、また住民はどこまで事業者を動かせるものなのか知りたいと思っています。
この病院は明治の終わりからおよそ100年続いてきた病院で、数年前にマンション業者に広い敷地の3分の2ほどが売られました。
「土壌汚染はない」と言う前提で売られた土地なので数ヶ月かけて専門業者が土壌洗浄(選別作業)を繰り返してきました。それはコンテナが山積みになるくらいの医療廃棄物が出てきました。
6月に解体工事現場から図面にない、病院全部の汚水処理槽だったコンクリートの塊が出てきました。そこを掘るとまたコンテナが山積みになるほど医療廃棄物が出てきました。
汚水処理槽の後に、長いこと焼却炉として使われてきたせいだと関係者は言っています。
またこの病院の100年史を読んでわかったのですが、昭和45年に市下水本管が完備するまで汚水は処理槽からポンプアップして数メートル離れた駐車場として使用された土壌で浸水処理されていました。
以上のことで周辺住民は地下水が汚染されているのではないかと心配になっています。
周辺には井戸水を使っているお家が複数あります。飲み水としては使ってはいないものの、ペットの飲み水にはなっています。
不安で、私たち住民は市の環境保全課に調査をして欲しいとお願いしました。
ですが返ってきた答えは、前の病院持ち主がやるべきことで行政はなにもできない。
医療廃棄物のほうは県の担当課が定期的に立ち会って適正に処理されていることを確認しているそうです。
マンション購買者に病院跡地ですから土壌の検査を公表して事前説明が必要なはずです。三菱マテリアルや土壌汚染隠蔽の東急不動産のマンション問題もありました。
井戸水は飲み水使用ではないので健康被害を訴えることはできません。こういう場合には、土壌汚染対策法はどういう役割をするのでしょうか。
目下、行政が住民に約束したのは、井戸水の枯渇ということで水位調査と塩水化調査のみです。
事業者のほうは観測井戸を掘って行う簡易検査のみです。
これには重金属など汚染物質の検査は含まれていないそうです。
社会的責任や企業倫理がなにより重要視される世の中です。なんとか解決の道はないものか。
なにかご存知の方、ヒントになるようなこと教えて下さい。


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No.11910 【A-1】

Re:土壌汚染対策法と行政の指導の範囲について

2005-08-11 10:41:21 ロビーノ


土壌汚染対策法の主旨は人の健康を守るための法ですので、健康被害以外からの主張には応えない性質と考えます。
宅建法の重要事項説明は確かに土地の履歴の報告も含まれていると考えますが、それは当事者間の話です。
その土地が汚染されているかもしれない、と考える経緯は良く分かりますが、人の健康項目にかかる基準すべての
検査は多少値の張るものです。
事業者は、観測井を掘ったと見受けられますので建築後に入居者と共闘して土地の安全性について説明させるよう、
仕向ける事が解決の道かと考えます。

回答に対するお礼・補足

解決の道を示唆していただき、ありがとうございます。
事業者は今、建設地中央部と機械駐車場になるあたりに観測井戸を掘っています。
多少、深めに掘るということですが、水道法に規定されてるような水質検査は行わないと回答してきました。
おっしゃる通り、健康被害が報告されてない現状では法的には事業者にこれ以上を求めることはできないわけなのです。
回答をありがとうございました。

No.11911 【A-2】

Re:土壌汚染対策法と行政の指導の範囲について

2005-08-11 11:20:44 東京都 / 君山銀針

都内の工場跡地に建つ最近販売しているマンションの事例では、砒素が土壌汚染対策法の指定基準を超過していて、対策を施したことをディベロッパーのほうから、モデルルームを見に来た人に(尋ねられなくても)説明していました。中堅のディベロッパーだったのですが、最近は土壌汚染対策法についてはきちんとした広報を行うところが増えているとは思います。

病院跡地の土壌汚染対策法関連事例では、東京世田谷の国立小児病院跡地の例が比較的有名なようですが、この跡地では土壌から水銀が検出された上に、ご質問のケースのように医療廃棄物(50リットル缶で約2万個)も発見され、4万平米近い土壌入れ換えが行われたそうです。
http://itnet.chuokai-kanagawa.or.jp/chuocomdb/page/mmbac/1/030821103528.txt

ただ土壌汚染対策法は地下水に影響があると考えられる土壌汚染環境基準の溶出基準項目と表層土壌中に高濃度の状態で蓄積する可能性がある重金属等が対象ですから、水銀は関係しますが、感染性廃棄物は対象外ではないでしょうか。感染性廃棄物は廃棄物処理法違反として扱われるのでは。
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/chem/dojyo/dojyo01.htm
過去のQ&Aにも関連しそうなものがあります。医療廃棄物のほうは、きちんと処理されているのでしょうか。

埋められていた廃棄物についての過去のQ&A 
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=8532
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=3905
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=3090
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=9199

不法投棄だった場合
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=5971
病院跡地事例
http://www.eic.or.jp/qa/?act=view&serial=5561

地下水汚染のほうは、これとはまた別になると思います。

回答に対するお礼・補足

参考になる事例をお教え下さり、ありがとうございました。
現在も別の箇所でまたまた感染性医療廃棄物が出てきており、施工主とその下請け業者とのあいだで計画変更からストレスが生まれている建築現場です。
医療廃棄物のほうは県の管轄課が現場で立ち会い、適正に処理されていると住民に説明はありました。
また、地下水汚染に関しては、健康被害の実態がない今は、市の対応は塩水化の検査を簡単に済ませてここは大丈夫、安心な井戸水ですと各対象の家に報告しました。これで終わりにするつもりのようです。
事業者も販売において土壌について買う方に説明はするつもりですが、簡単な検査のみで済ませて終わりにしたいようです。
とにかく、回答をいただき感謝しております。
ありがとうございました。

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