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環境ニュース[海外]

欧州委員会、海洋生態系の保護・保全強化に向けた道筋を提案

地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2002.10.23 【情報源】EU/2002.10.11 発表

 欧州委員会は海洋生態系の保護及び保全並びに海洋資源の持続可能な利用を促進するため、新たなアプローチを提案した。
 現在、海洋生態系は、漁業、陸上及び海域からの有害物質富栄養化物質の排出、海上輸送及び沿岸域の開発など様々な圧力にさらされている。こうした圧力に対応するため、新たなアプローチでは、海洋環境のための統合的な政策の策定を求めた。
 EUの第6次環境行動計画に掲げられた7つの「分野別政策」のうちの1つとして、欧州委員会は、2004年に海洋環境に関する分野別戦略の最終案を提案したいとしている。今回の提案は議論の下地となるもので、今後、関係者とともに戦略づくりを進めることとしている。なお、委員会の構想は、ヨハネスブルグサミットでのコミットメント、特に海洋保護及び漁業に関するものを実施する上で、重要な要素となる。また、EUの共通漁業政策の改革に向けた欧州委員会の提案とも関連したものである。
 今回の提案では、既存のEUの政策も統合し、14の野心的な目標の概要を示した。目標には以下のものが含まれる。
生態系を基本にしたアプローチを採用し、自然生息地の保護・保全を通じて、2010年までに生物多様性の減少を食い止め、生物多様性の持続可能な利用を確立する。
−漁業管理方法を変革し、資源量の減少傾向を逆転させ、EU及び世界全体で持続可能な漁業を確立する。
−危険物質による汚染を除去する。
−放射性物質による汚染を2020年までに防止する。
−人間による富栄養化を2010年までに除去する。
散乱ゴミによる汚染を2010年までに除去する。
−2010年までに石油の違法な排出を、2020年までにすべての排出を段階的に禁止する。
−「クリーンな船」のコンセプトを構築し、航行による環境影響を縮小する。
−ヒトの健康にリスクをもたらさないよう、海産物の品質を向上させる。
温室効果ガスの削減について、京都議定書コミットメントを実行する。
 また、提案には、EUだけで、あるいは他の国際機関と共同で取り組むべき課題として、海洋資源の統合的管理に向けた生態系ベースのアプローチの確立、バラスト水管理のための行動計画の策定、バルト海のフラン及びダイオキシンモニタリング、魚類及び貝類の汚染レベル管理のためのより包括的な基準の策定など23件が盛り込まれている。【欧州委員会環境総局】

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