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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

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エコチャレンジャー

環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

目次
ダイナミックな経済活動と魅力的な商業施設の一方で、水と緑の豊かな自然が護られている
市民・事業者・行政の三者が一体となって推進する「ヨコハマ3R夢プラン」
「HEMS(ヘムス)」の実証実験を通じて、スマートシティプロジェクトを推進
【1】環境未来都市
「環境未来都市」構想とは、平成22年6月に策定された「新成長戦略」に基づく21の国家戦略プロジェクトの一つ。国によって選定された「環境未来都市」は、狭義の環境問題に限らず、広く超高齢化などの社会的課題も含め優れた成功事例を創り出し、「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」の実現をめざす。

No.006

Issued: 2012.06.07

第6回 林文子横浜市長、大都市ヨコハマの環境ビジョンを語る[1]

実施日時:平成24年5月22日(火)10:30〜
聞き手:一般財団法人環境情報センター 理事長 大塚柳太郎

ダイナミックな経済活動と魅力的な商業施設の一方で、水と緑の豊かな自然が護られている

林文子(はやしふみこ)さん
林文子(はやしふみこ)さん
横浜市長として環境未来都市の創造などに取り組む。
BMW東京(株)代表取締役社長、(株)ダイエー代表取締役会長兼CEO、東京日産自動車販売(株)代表取締役社長などを歴任。

大塚理事長(以下、大塚)―  本日は大変ご多忙の中、エコチャレンジャーのインタビューにお時間をいただき、誠にありがとうございます。林市長は、人口が370万という横浜市のトップとして、活力のあるまちづくりにリーダーシップを発揮されておられます。文化や芸術とともに、環境にも正面から取り組まれ、横浜市は昨年12月に環境未来都市【1】に選ばれました。本日は、大都市の環境に焦点をあてお話しを伺いたいと思います。
 横浜市は、都市の環境問題の解決、望ましい都市環境の創成に非常に積極的に取り組まれておられます。最初に、林市長がお考えになっている、環境に対する基本的な理念についてお聞かせください。

林市長― きれいな空気や豊かな緑、美しい海や川などは、都市に魅力を与え、市民の皆様の生活を根底で支えてくれるものです。また、美しい花や鳥の姿・鳴き声は、私たちの生活に潤いを与えてくれます。私自身もバードウォッチングを趣味にしていますが、横浜市では、身近な緑や魅力的な景観の保全・創造に取り組んでまいりました。市内に残る貴重な自然環境や景観を護って、次世代に引き継いでいくのが私たちの責務だろうと考えています。
 横浜はとくに水と緑が美しいうえに、市の中心部では経済活動がダイナミックに展開され、魅力的な商業施設もあります。このような都市の営みが、美しい自然環境が護られながらなされていることが、非常にすばらしいと感じています。
 現在の環境問題は複雑化・多様化しています。その上、人口減少、少子高齢化、地域内でのつながりの希薄化、経済の低迷など、さまざまな社会状況とも絡み合っているのです。このような中で、戦略的な環境政策が非常に重要になっています。行政が軸になり市民の皆様と協力して、環境問題を基軸に据え、総合的・横断的な取り組みを展開していきたいと考えています。


市民・事業者・行政の三者が一体となって推進する「ヨコハマ3R夢プラン」

3R推進キャンペーンin横浜高島屋における林文子市長
3R推進キャンペーンin横浜高島屋における林文子市長

大塚― 市長は、著作や講演でも強調されておられるように、人口高齢化をはじめとする社会変化、産業構造の変化、憩いの場や芸術・文化施設に対する市民の要望の変化など、さまざまな事柄を1つのパッケージのようにして捉えられ、新しいまちづくりの基本的な理念にされているように思います。
 最初にお伺いしたいのは、大都市ではどこでも問題になっている廃棄物の扱いです。横浜市で推進されている、ごみの発生量そのものの削減を目指す「ヨコハマ3R夢(スリム)プラン」についてご紹介いただけますでしょうか。

林市長― ご承知のように、「G30」(横浜G30プランと呼ばれる一般廃棄物処理基本計画)でごみの削減に取り組みまして、横浜市として平成13年度に対し43%の削減を果たしました。今回の「ヨコハマ3R夢プラン」は、「G30」で培った、市民・事業者・行政の三者が一体となった協働の取り組みを活かし、リデュース(発生抑制)、リユース、リサイクルの3Rを、市民の皆様に実践していただく運動です。ごみの分別とリサイクルとともに、とくにリデュースに力を入れ、ごみと資源の総量を減らしていこうというものです。たとえば、燃やすごみに依然として大量の食品廃棄物が含まれていますので、市民の皆様にごみを出す前の生ごみの水切りの推進、それから土壌混合法等による生ごみ処理の推進をお願いしています。民間企業の皆様には、食べ残しが出ないよう小盛りメニューの提供などをお願いする、「食べきり協力店モデル事業」を始めています。

大塚― 3Rの中でリデュースが一番大事といわれながら、なかなか進まないのが現状ですので、すばらしい活動と思います。

林市長― それから、環境負荷の軽減になるように、簡易包装販売の推進、さらに市民の皆様に詰め替え商品の購入をお願いしています。民間企業の皆様には、食品トレーを使わない生鮮食品の販売を増やすようにお願いしています。リユースについては、いわゆるマイボトルの推進ですね。空になったマイボトルに飲料を供給する、「マイボトルスポット」という施設を拡充しています。また、「リユース食器」と「リユース家具」の利用も促進しています。リサイクル・再資源化については、やはり分別が大事ですので、市民の皆様や民間企業の皆様への説明会を行い、必要があれば立入調査をさせていただくこともあります。


「HEMS(ヘムス)」の実証実験を通じて、スマートシティプロジェクトを推進

大塚― 廃棄物に関し、先ほどお話しになった43%もの削減ができたのは、市民の方々と一緒になり、民間企業に協力してもらうという、行政方針が活かされたからだろうと思います。
 廃棄物とならんで、エネルギーも大きな関心事になってきました。今まで、エネルギー供給は国の問題といわれていましたが、だんだん大都市の問題にもなってきたようです。370万という巨大人口を抱える横浜市のエネルギー政策について、市長のお考えを伺えればと思います。

林市長― 今、横浜市はスマートシティプロジェクトを推進しています。これは、再生可能エネルギーを大量に導入し、自分たちでエネルギーを創り、危機発生時にはそのエネルギーを有効活用できるようにするものです。
 再生可能エネルギーを拡大するためにも、住宅の太陽光発電システムへの補助を進めていますし、新たに家庭用燃料電池設置への補助も開始いたしました。横浜スマートシティプロジェクトでは、「ホームエネルギーマネジメントシステム(英語の頭文字をつなげ「HEMS(ヘムス)」と呼ばれる)の実証実験も進めています。最初は5つの区(西区、中区、金沢区、青葉区、都筑区)を対象に、今年からはすべての区に拡大いたしました。省エネ節電を住民の皆様に体感していただき、「HEMS」の普及に弾みをつけていきたいと思っています。ご自宅で機器を取り付けリアルタイムで電力使用量を見られることが好評ですし、子どもたちも大変楽しんでいるようです。

大塚― まさにスマートシティの実現という感じですね。

林市長― 今回、東日本大震災がありましたし、エネルギーの分散化や自立化をとおし、自立できるまちづくりを目指し積極的に取り組んでいます。


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