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環境さんぽ道

様々な分野でご活躍されている方々の環境にまつわるエッセイコーナーです。
4人のエッセイスト(青木勝、板垣真理子、山本茜、柳澤寿男)が1年間、毎月交替して登場します。

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コンテンツインデックス

No.061

|2017.01.10

白い和紙の精神性
 日本では、祈りの対象を「カミさま(神様)」、人の身体の最も上にある毛を「カミのけ(髪の毛)」、奥様のことを「うちのカミさん(女将さん)」、上席を「カミざ」(上座)」というように、敬うべきものや大切なものを「カミ」と発音してきました。そのような中で、白い「カミ(紙)」は、神事や祭事にも使われ、日本人の生活には欠かせない、大切なものでした。

No.060

|2016.12.09

道路景観をデザインする ─目白通りの景観形成─
 美しい都市、歴史を感じる都市など、都市のイメージは、我々の頭の中で、どのようにして形づくられるのであろう。我々が、もっぱら歩きながら、車を運転しながら、都市を認識しているとすれば、おそらく、道路沿いの景観、即ち、道路景観こそ都市のイメージ形成に最も大きな影響を及ぼすものではないだろうか。

No.059

|2016.11.11

ニュージーランドから学ぶこと
 今回は、学生用の海外研修プログラムを計画するための勤務先の出張で、今年6月に訪れたニュージーランド(以下、NZと記します)クライストチャーチ市で視察したことについてみなさんにご紹介したいと思います。NZでは、クライストチャーチ工科大学、小学校、プランケット、大震災(2011年)からの復興の状況などについて視察や関係者との意見交換を行いました。

No.058

|2016.10.11

客船船長の職務
 今年の夏は、台風の発生場所も北上コースも、例年にない状況となり、飛鳥IIの運航も対応に苦労しました。北が好きな台風が多く、北海道が沖縄状態、飛鳥IIも大時化の三陸海岸沖の航行を避け、日本海に逃げ込み関門海峡経由で太平洋側に出たりすることが2度もあり、燃費に響きました。

No.057

|2016.09.13

短歌の現実とイメージ
 馬場あき子の歌に、都市の風景を詠んだ次のような一首がある。 −デパ地下の水の広場に人憩ひポンペイにもあつたひとときのやう− デパートの地下というと、つい、おいしそうなものが並んでいる食品売り場を想像する。この歌のデパ地下も、そうした食品売り場の一角なのだろう。

No.056

|2016.08.10

“住みやすい都市”とは ─メルボルンに学ぶ─
 イギリスの経済誌「エコノミスト」が、毎年発表する“世界で最も住みやすい都市”ランキングで、この数年連続して第一位を獲得しているのが、オーストラリアのメルボルン市である。例年のトップ10には、オーストラリアやニュージーランド、カナダの都市がランクインする一方で、日本の諸都市は見当たらない。

No.055

|2016.07.08

平成26年度文化庁文化交流使の活動から −ヨーロッパにおける食と環境に対する意識−
 前回に引き続き、一昨年、平成26年度文化庁文化交流使として活動する中で経験させて頂いた印象深い出来事についてみなさんにご紹介したいと思います。ご存知の方も多いと思いますが、ヨーロッパは世界でも有機農業が盛んな地域であり、大消費地でもあります。よって、有機食品や有機農産物の専門店やスーパーマーケットの数が大変多い印象でした。

No.054

|2016.06.10

ミッドウェー環礁で見たもの
 船乗りである私は海が大好きです。世界中の美しい海を見て、なんども魅了されました。希望や安らぎをもらった、凪の海。不屈の精神や負けじ魂を育ててくれたのは、時化の海でした。温室効果ガスによる地球温暖化、プラスチックによる海洋汚染が話題になる昨今ですが、海が好きな故に、綺麗な海を守らなければの思いは人一倍です。

No.053

|2016.05.12

出会いの不思議
 旅をしていると何もかもがそのとき限りで、もう二度と同じ人、同じ場面に遇うことはないという思いがして、急にさびしくなることがある。逆にいえば、それは次々に新しい土地や新しい人との出会いの可能性がさらに見込まれるということなのだが、たぶん、そう考えられるのはある程度若いときのことなのだろう。

No.052

|2016.04.08

風景を修復する ─合歓の郷からアマネムへ─
 三重県の志摩市で、約4年間にわたり建設に携わってきたホテルが、今年3月にオープンした。風光明媚な英虞湾の一角にある、全室がヴィラタイプの高級ホテル、アマネム(Amanemu)である。オーストラリア人建築家ケリー・ヒルが建築を担当し、私はランドスケープ(外部)のデザインを行った。

No.051

|2016.03.08

平成26年度文化庁文化交流使の活動から−ヨーロッパ7か国における日本食の受容の状況
 私事で恐縮ですが、現在、長野県短期大学に所属し主に栄養士養成課程で教育に携わり、地域の食文化や世界の学校給食及び食育について研究を行っております。本稿では、私が2014年度に文化庁より食文化の分野で初めて文化交流使として指名を頂戴し、ヨーロッパ7か国で約2か月間、活動を行った中で経験した日本食の受容の状況についてご紹介します。

No.050

|2016.02.09

クルーズの魅力
 地球は水の惑星と呼ばれ、その70.8%は海であり、地球上の全ての陸地は海でつながっています。人類は人流・物流に、この海を最大限に利用してきました。そして現代ではクルーズというレジャーとしても洋上の旅を楽しんでいます。日本でも船旅が移動の手段でなくレジャーとして登場して略四半世紀になります。私はその黎明期の1995年から2003年までの8年間、客船飛鳥の船長として世界中の海域を航海しました。

No.049

|2016.01.12

ただのビニール袋でも
 私の育った信濃の村は、町から離れていたせいか、小さいながらも三つの医院があった。当時、食品店をしていたわが家の配達係は、まだ小学生だった長女の私で、医院の一つによく行っていた。ナースを兼ねた奥さんはシャキシャキした感じの人で、台所に続く居間には、折々、きれいな着物がかかっていた。

No.048

|2015.12.10

旧ユーゴの民族共栄オーケストラ バルカン室内管弦楽団設立!
 旧ユーゴ解体後の民族紛争は各民族の交流をなくしてしまい、音楽といえども共に演奏することはできなくなってしまった。そこで、国連などの意見も聞きながら、バルカン半島の民族共栄を願ったバルカン室内管弦楽団を立ち上げた。2009年5月、コソボ北部ミトロヴィッアで行われたコンサートは歴史的コンサートとなり、日本の高等学校の世界史の教科書に記載されるほどになった。

No.047

|2015.11.10

秋は音をたててやって来る
 前回までは截金の作業風景についてお伝えしました。今回はいよいよガラスの工程です。私の作品は、吹きガラスのように、ドロドロに溶けたガラスを扱うのではありません。「キャスト(鋳込み)」という製法で、石膏型の中にガラスの塊をつめて、電気炉に入れ、型の中でガラスを融かしてガラスブロックを作ります。

No.046

|2015.10.09

キューバと結びつく、カナリア諸島
 前回は、キューバの有機農業と、食の変化を想うことについて書いた。今回は、大西洋を渡って、アフリカ大陸にこよなく近い「スペイン」、カナリア諸島について書く。7島からなるこの諸島の、一番アフリカに近い島からアフリカまでは100キロ程度である。いきなり、カナリア? と思われるかもしれないが、実は私は今、カナリア諸島に住んでいる。

No.045

|2015.09.10

三つの川に癒されて
 我が家の近くには、三つもの川が流れている。多摩川、仙川、野川である。どの川も自然に恵まれていて、野鳥が集い、桜の季節には、川面を桜の花びらが覆い、季節ごとに違った草花が咲き、一年中眼と五感を楽しませてくれる。ちょっとした気晴らしや散歩に、家の近くに三つもの川が流れているというのは、ありがたいことである。

No.044

|2015.08.11

スパゲッティ・ミートソース・コソボ停電風
 私がコソボフィル首席指揮者就任当時の2007年、コソボでは一日の3分の1が停電だった。リハーサルを終え、私は建物を出た。外を支配しているのは、ずっしりとした重い暗闇だ。その暗闇の中を歩いて自宅アパートまで帰る。ときおり通る車のライトだけが頼りだ。よく見ると、雑貨屋や床屋、カフェがわずかなロウソクの明かりを頼りに営業をつづけている。床屋はハサミを使うのに、こんなに暗くて大丈夫なんだろうかと心配してしまう。

No.043

|2015.07.14

蛍に想う
 写真01は源氏物語第二十五帖「蛍」をイメージして作った作品です。かねてより玉鬘の姫君に求婚していた兵部卿宮が初めて御簾の内を許され、姫君と几帳ひとつを隔てて対面するシーンです。几帳の向こうは暗く、玉鬘の姿は見えませんが、当代きっての貴公子である兵部卿宮は落ち着いて胸の内をしみじみと風流に語って伝えます。

No.042

|2015.06.10

ミミズ・センターを持つ国に、FFはいらない
 キューバは、知る人ぞ知る有機農業大国。昨年(2014年)12月に米国のオバマ大統領との間で、国交回復が宣言された。つまり経済封鎖の解除が始まったことで、世界トップ・クラスの注目を集めている。経済封鎖の解除によって、経済的な「良き」効果が期待できる一方、有機農業が築き、目指してきた健康的な食品が打撃を受けることにならないか懸念される、というものである。ぜひ、そうなってほしくないと、この文を書こうと思う。

No.041

|2015.05.12

世界の海、日本の海
 飛行機を専門に写真を撮り続けてきたぼくですが、もちろん、それ以外にも他の乗り物やスポーツ、科学関係の取材など仕事でいろいろな写真を撮ってきました。そんななかで、飛行機の次にぼくを魅了したのは豪華客船飛鳥です。縁があって、飛鳥に乗船して世界一周をする仕事に出会い、客船の素晴らしさに目覚めてしまいしました。

No.040

|2015.04.10

音楽には国境があってはいけないんだ!
 すでに旧ユーゴスラヴィアの国々を長距離夜行バスで往き来し、色褪せ、疲れきった、私のパスポートにUNMIK国連コソボ暫定政権ミッションのスタンプが押され、戦後間もないコソボ自治州に足を踏み入れることになってしまった。軍人が私達の車をチェックし、もの珍しそうにアジア人である私の怯えた顔を厳しい眼差しで何度も見つめている。私は生まれて初めて銃器というものを見たのかもしれない。

No.039

|2015.03.10

箔の声を聴く
 截金(きりかね)ガラス作家の山本茜です。今年寄稿させて頂く事になりました。京都の山間地に工房を構え制作しています。身の回りの自然と制作について書かせて頂こうと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

No.038

|2015.02.10

アフリカの楽器たち
 究極のリサイクル楽器を使う人々がいる。世界中にそういう楽器は見つけられるけど、なんといっても一番すごいのがアフリカなのではないか、と思っている。  長らくアフリカに通ってきた。そんな勝手な身びいきか、とも考えてみるが、けっしてそうではなく、よくぞここまで素晴らしく仕上がるもの、と感慨深いものも多い。アフリカの人々のリサイクル力は、楽器に限らずあらゆるものに生きているが、今日は楽器に限ってみよう。

No.037

|2015.01.09

飛行機と海
 ぼくは、飛行機の魅力に取りつかれて、かれこれ40年以上、飽きもせずに飛行機を撮り続けてきました。飛行機の魅力とは、おおまかにいって精神的なものと見た目の二つが挙げられます。
 今や日常的な乗り物と化していますが、おそらく人類誕生後、まもなく発生したであろう、鳥のように空を飛びたいという夢のような願望、それが20世紀になってついに実現したのが飛行機なのです。

No.036

|2014.12.09

森と水と音のアンサンブル
 40年も前になるがモスクワからいきなりウィーンに転勤になり、そこで一番先に出くわしたのが“木の殺人”という奇妙な呼び方の事件だ。いきさつはこうだ。ウィーンのはずれの天文台を新しく拡張する計画が持ち上がった。天文台は樹木に囲まれた環境にあったが、建物を拡張するためにはカスターニア(栃・マロニエ)の大木を何本か切り倒さなければならないという。

No.035

|2014.11.10

自然の恵みに感謝しながら
 真っ白な紙に向かい合うとき、いつも期待と不安が押し寄せてきます。何も描かれていない和紙はそれだけで充分美しく、その上に手を加えることに躊躇し、筆を持つ勇気が出てくるまで待つことが良くあります。そのような時は、近くの多摩川に出かけてみます。
 「四季礼賛・多摩川」というテーマの下、パネル6枚1組、縦2メートル横8メートル近くの大作を墨と金泥のみで描きました。多摩川周辺で取材、写生をした四季折々の植物とその佇まいがテーマです。

No.034

|2014.10.10

江戸時代はエコ世界
 こんなに真剣に環境の事を考えたことがあるだろうか?何となく漠然とはいつも考えるが、自分の身において景観や日照、騒音を心配しなくてはいけないなどと思ってもみなかった。事の発端はというとこうである。我が家は都内某所の7Fである。住まいの前は低い建物で桜がまわりを囲んでいる。桜が満開になるとそれは壮観である。わざわざ遠くにお花見に行こうなどとは思わない。7Fからちょいと一杯やりながらお花見ができる。

No.033

|2014.09.08

環境問題の根っこに切り込む!
 2011年1月、「あらゆる環境問題の根源・原動力である「本丸」にいよいよ切り込みます」と宣言して、「幸せ経済社会研究所」を設立し、活動を始めました。
地球温暖化も生物多様性の減少も、問題の「症状」のひとつです。こうした多くの問題を引き起こしているのは、有限の地球のうえで、無限の経済成長を求める構造ではないか、という問題意識です。

No.032

|2014.08.08

山小屋トイレが結んだ友情
 70年をはるかに越えて生きて来たが、一つだけ本当に良いことをしたなと誇りに思っていることがある。NHKの特派員として14年間の海外で勤務を終えて帰国したとき不思議な仕事の依頼を受けた。乗鞍の西斜面に広がる丹生川村(にゅうかわむら)の相談に乗って欲しいという。当時は村だったが今は高山市丹生川地区となっているところだ。

No.031

|2014.07.10

野に遊ぶ
 「カラスウリ」の花を御覧になったことがございますか? 花の妖精が一針一針レースを編んでいるかのように、繊細で真っ白な糸が夕闇に広がっていきます。植物に限りませんが、自然が作り出す造形にはいつも驚かされ、感嘆の声を上げ見入ってしまいます。今頃の季節、夕方になると、ひっそりとそしてゆっくりとその美しい姿を現しますが、夜が明ける頃には萎んでしまいます。その一瞬を見逃さないよう、今日も花開く場所へ出かけてみようと思っています。

No.030

|2014.06.10

焼き芋と氷河?
 千葉の知人の家で久々に焚火をした。子供の頃は当たり前に焚火をしていたはずだが、都会では近頃、焚火をする事が出来なくなった。子供のころは浦和に住んでいたが、冬、小学校に通う途中で藁で焚火をしている農家があった。毎朝、そこの方が「温まっていきなよ」と声を掛けてくれたので数人で藁の焚火を囲んで温まってから登校した。炎がまだ立たずに煙がモコモコと立ち上っている。どういう訳か煙を避けようとすると必ず煙が自分たちをめがけて来る。煙との鬼ごっこだ。煙を沢山被り一日中藁の煙の臭いに囲まれているのはいい心持だった。

No.029

|2014.05.09

つねに全体像を考える〜80歳を迎えたレスター・ブラウン
 4月11日、ワシントンDCで、レスター・ブラウン氏の80歳のお祝いの会が開かれました。レスターは、1974年に地球環境問題に取り組むワールドウォッチ研究所を設立し、1984年に年次刊行物『地球白書』を創刊、2001年5月にアースポリシー研究所を創設。環境問題の分野の世界の第一人者・屈指のオピニオンリーダーとして、世界中に大きな影響を与えてきた人です(蝶ネクタイのレスターの写真をご覧になったことのある方も多いことでしょう)。

No.028

|2014.04.10

スキーは自然との対話
 山が好き、スキーが好きだ。生まれ育った所が信州八ヶ岳の麓。標高950メートル、東に八ヶ岳南に甲斐駒そして諏訪湖の向こうに日本アルプスが遠望出来る素晴らしい環境で、日ごと季節ごと変わる山の姿に恐れを抱いて毎日を暮らした。スキーが好きなのはその影響もあるが、何よりも白い世界にどっぷり浸かると毎日やっていることがとても小さく見えて来て、気宇壮大な気分になれるのがすばらしいからだ。子供も孫もみんなスキー好きだ。親子三代スキーの指導をしていただいているのが奥志賀高原の杉山進先生だ。

No.027

|2014.03.10

ゆきあいの季節に
 「ゆきあい」という言葉がありますが、季節の変わり目や、季節が交差するときにも使われています。草むらの中に座り写生をしていますと、草を揺らす風に、季節がうつろう瞬間を感じるときがあります。花を照らす光に、ふと次の季節の気配を感じるときがあります。この春浅い季節、木々の枝先には沢山の小さな芽がついて、その膨らみ始めた芽は微熱を帯びたかのようにほんのり薄紅色に見えます。新しい息吹が宿り、そのときを待っているかのようで、私も何だかわくわくしてきます。

No.026

|2014.02.10

思えば遠くに来たもんだ
 噺家になって四十年になろうとしている。古今亭志ん彌。今年六十四歳になる。まさか自分が噺家になろうとは正直思ってもいなかった。なんの因果か?因縁か?大学生の時に寄席に入ったのがきっかけだ。薄暗い階段をトコトコと三階まで登っていく。そこは池袋演芸場。昼間の寄席はなんと、お客様が三人しかいなかった。まだ早いから、これから混んで来るんだろう?しかし、終演まで十人にもならなかった。それでも笑い声は沢山あった。こんな世界もあるのか?「へえっ?」てな感じだ。

No.025

|2014.01.10

夢は「バラトン・グループ」日本版!
 環境の分野で主に「伝えること・つなげること」に取り組んで15年ほどになります。その前は同時通訳者でした(最初に日本にglobal warming という言葉が入ってきた会議でも通訳をしていました。環境省の方々と「日本語はどうしましょうか?」と相談したことを覚えています!)。英語でも(ある程度の)コミュニケーションができるということで、日本だけではなく、海外での活動も展開しています。その経験から、「日本にもあったらいいのになあ」と思うグループをご紹介したいと思います。

No.024

|2013.12.13

神様、仏様、ミツバチ様
 ジャングルの中は暗い。樹々の枝葉が重なり合って陽光をさえぎる。ベトナム戦争中、ニンビン省の深いジャングルを兵士や記者たちと縦断したことがあった。雨季のさなか、全員が長靴を履きビニールの合羽をかぶる。暑くなる前に動こうと早朝5時に出発したものの、昼を過ぎても出口にたどり着かない。方角を間違えたのか、8時間以上も歩いたあげく空腹と渇きでヘトヘトになった。

No.023

|2013.11.08

音が消えて心に残るもの
 最近、ごく近い空間でのサロンコンサートの機会がとても増えました。大きなホールとは違った一体感や臨場感、親しい雰囲気などが魅力ですが、ある時、ピアノのすぐ近くに座られたお客様から、ピアノの音ってこんな風に消えるのですね、と言われたことがあります。

No.022

|2013.10.09

最近の山のトイレ事情
 今夏、北アルプスの穂高岳に登ってきました。上高地から涸沢カールを経由して奥穂高岳の山頂に至るコースで、本格的な登山は4年振りです。コバイケイソウの当たり年に出会い、多くの高山植物を愛でることができました。また、ヤチネズミの赤ちゃんやニホンザルに出会ったりと楽しい登山でしたが、トレーニング不足もあって65歳を過ぎると体力も若い頃のようにはいきません。ケガなく帰れたのが本当に幸いでした。

No.021

|2013.09.09

思い出の富士登山
 2013年7月22・23日の2日間、「被災した東北の高校生を日本一の富士山へ」を企画し、実行しました。昨年第1回を行い、60名の高校生が登り、「一生の思い出になった」「つらかったけど、諦めなくてよかった」「一歩一歩進めば目的が達成されることがわかった」「また行きたい」などの感想を寄せてくれました。こんな体験を一年で終わらせてはもったいない、継続して行い、いい体験を積むことで東北の今後の復興の力になることをと信じ、今年も実行したのです。

No.020

|2013.08.09

秘薬・ウーミンの森のハチミツ
 ハチミツの魅力は、あのほのかな野性的な芳香にある。フランスパンなどを大胆にディップして食べるのが贅沢の極致。とろける甘さと花の香りで、何とも幸せな気分になる。ベトナムの最南端、カマウ省の「ウーミンの森(Rung U-Minh)」に入ったときのことだ。原生林の中の水路を、マングローブの根にひっかからないように、小舟は進んだ。

No.019

|2013.07.09

セーヌ川遡上で出会った光
 フランス、セーヌ川の河口からルーアンまでを約5万トンの大型客船で遡ったことがあります。セーヌ河口からルーアンまでは、直線距離で70キロ。川は蛇行を繰り返すため航行距離は約130キロにもなります。6時間あまりをかけてのゆったりとした船旅は、5月の爽やかなお天気に恵まれました。手の届きそうな両岸に広がる青々とした牧草地帯と森、丘の斜面にときおり顔をのぞかせる白い岩肌、真っ白い船体を浮き立たせるようなどこまでも青い空に浮かぶくっきりと切り取れそうな雲。

No.018

|2013.06.07

渓流釣りの話
 前回(No.014)、私の趣味が渓流釣りとお話しました。今年も連休前に南会津に遊んで来ました。イワナ、ヤマメはほどほどでしたが、雪解け直後の岸辺に咲く可憐な春の花を楽しんできました。ところで、釣り人というのはどんな場所にでも釣竿をだしてみたい習性を持っているようです。私もそうです。「野晒し」という落語の枕に、「釣れますか?!」「今朝からやってんですがね、まだピクッともいいません」「そうかもしれませんね〜。そこは夕べの雨で水が溜まったんですから」というのがあります。

No.017

|2013.05.08

佐渡・トキ・雪割草
 佐渡のNPO法人さど自然保護観察サポート隊主催の講演会に招かれ、久しぶりに佐渡を訪れました。初めて佐渡の山を登ったのは1960年ですから半世紀も前のことになりますが、その時は知らなかったことが今回たくさんありました。田んぼの中でエサを食べている「トキ」にも出会いびっくりです。その昔トキがたくさん生息していた頃は、トキは田んぼを荒らすやっかいものの一つだったのですね。絶滅しかけた今、野生で子育てするトキの姿を私たちはテレビでドキドキしながら見ていますが、実際に佐渡に来てみたら普通に田んぼでエサをとり、悠々と飛んでいる姿を見ることができ、びっくりです。

No.016

|2013.04.09

許してください、スズメバチ様
 暖かくなると「通学中の子供をスズメバチが襲撃」というニュースが増える。昔はそんなにいなかったのに、天敵の野鳥や蛇が減って増え放題、ということなのだろうか。友人の奥さんが数年前、長野県の諏訪でスズメバチにやられた。頭を六か所刺されて救急車で運ばれた。事なきを得たが、友人は、戸袋に巣食っていたスズメバチ一族を、薬品を使わずに一網打尽とした。ガラス瓶の中でビイビイと怒り狂っているハチをさらに揺すって興奮させる。そこへ35度の焼酎を注ぎ込む。

No.015

|2013.03.08

田園交響曲〜自然と人間の調和の世界〜
 その日のカッコウの声は、本当にどこかの梢から聞こえてきました。このホールにはカッコウがすんでいたのかと、私は思わず高い天井を仰ぎ、お客様はざわめきました。ごく最近のコンサートのことです。ベートーヴェンの田園交響曲は、ウィーンの街を離れて彼が心置きなく安らぎを得た郊外の森が舞台になっています。第1楽章ではその田園地帯に到着したときの晴れやかな期待に満ちた気持ちが描かれ、第2楽章ではそこに流れる小川のほとりの情景が歌われます。

No.014

|2013.02.08

甦れ、豊饒(ほうじょう)の水辺
 話は、私が小学生の頃に遡ります。今から55年ほども前のことです。私の母方の実家は千葉県佐原の水郷地帯にあり、夏休みのたびに1ヶ月間ずっと遊び に行っていました。そこで地元のお兄さんたちに連れられて毎日のように魚獲りをしていました。水田脇の水路で四手網に追い込むとバケツが満杯になるほどタナゴが獲れましたし、透明度の高い川面を覗き込むと魚たちの群れが通り過ぎて行くのが見えましたから、それを銛で突いて遊んだものです。

No.013

|2013.01.11

国立公園の名称
 2012年11月、数十年ぶりに瑞牆山(みずがきやま)に登ってきました。若いときは電車とバスを利用しての日帰りでしたが、70歳過ぎてからは山登りも近くの所で前泊、山によっては麓で後泊と、ゆっくりの計画になっています。今回の瑞牆山も増富温泉に二泊してのゆるゆる計画でのんびり近くの紅葉を楽しみました。

No.012

|2012.12.10

森林を活(い)かそう
 私たち日本人は森林と大変関わりの深い民族です。日本列島には照葉樹林、広葉樹林、更に針葉樹林が加わり、世界的にも極めて多種の樹木を有する森林を形成しています。このことはそれらを食べる動物種の多さに関連します。狩猟採集時代を通して豊かな生活環境下での生活が、日本人の身体的・文化的特質をもたらした一因と考えられています。

No.011

|2012.11.12

野生のぶどうに戻すワイン造り
 今回私が紹介するワイナリーは、世界で一番有名なワイン産地として知られるフランスのボルドー地方にある「シャトー・ポンテ・カネ」です。このシャトーは、もともと有名なワイナリーでしたが、この10年間でワインの品質がボルドーの中で最も良くなったシャトーとして注目を集めています。それはなぜでしょうか?

No.010

|2012.10.17

尾瀬をめぐる映像と記憶、そして未来
 尾瀬は自然保護運動の原点と言われます。ダム建設計画反対の運動があり、観光道路建設反対の運動がありました。尾瀬は自然保護の象徴になり、ゴミの持ち帰り運動、マイカー規制、木道の整備と植生回復作業、山小屋での排水対策(石鹸・シャンプーの利用禁止)など、自然保護の最先端の動きを生み出してきました。

No.009

|2012.09.10

幸せの青い鳥は足元にいた
 コウノトリの舞う町をご存じでしょうか。最近はニュースでも取り上げられるので注目している人も多いでしょう。でもまだ朱鷺程の知名度はないようですね。佐渡の朱鷺の経緯にも似ていますが、一時は絶滅した日本産まれのコウノトリを、他国から種の提供を受け再生させ、それからまた長い時間をかけて自然に帰していったそうです。

No.008

|2012.08.10

荒地を切り開く―適地適木―
 前回は私たち(家内と私)が山里に移り住んだ経緯とその生活の一部を紹介しました。私たちの山の家の脇の谷底を流れる渓流の川上方向に、英彦山(ひこさん)という、今ではほとんど忘れ去られた名山が聳えています。古来、天狗の棲む山として、西国の修験道を代表する山として、全国的にその名が知られていました。

No.007

|2012.07.09

ワインが持つ大地の味わい
 私は、12年間フランスに滞在してソムリエの仕事をしてきました。その間にたくさんのワイナリーに足を運び、造り手に会って、どんな工程で、何を考えてワインを造っているのかを観察しました。そこで出会った造り手の熱い思いに触れて、ワインの本当の素晴らしさに目覚めて行きました。今回は、その中の1人の造り手を紹介します。

No.006

|2012.06.13

季節を食(は)み、山に生きる
 福島県南会津郡檜枝岐(ひのえまた)村。ミズバショウの尾瀬の玄関口。そして、自然保護運動で有名な故・平野長蔵ゆかりの尾瀬沼、日本百名山の会津駒が岳、白い花が可憐で清楚なオサバ草の群落で知られる帝釈山にアクセス抜群の村です。この村の5月末から7月初旬は、サンショウウオ漁の季節。雪がとけ、栃の花が咲き、緑の草が萌え出るのを見計らいながら、漁師たちはそれぞれの漁場である「持ち沢」を目指します。

No.005

|2012.05.08

山の四季
 季節の区切りをいつからいつまでと考えるのが一般的なのでしょう。例えば春。関東あたりでは、2月末、3月、4月、せいぜい5月初め位までという感じではないでしょうか?
 もちろん日本は南北に長い国土を持ちますから、北や南で事情は違うので一概には言えません。

No.004

|2012.04.06

山里の生活を楽しむ
 山の生活の現状とその経緯についてまず説明しましょう。初めの写真は今年の年賀状の文面を一部変えたものです。年度始めということでご容赦ください。
 定年退職後、仕事などの関係で現住所の町と「山の家」で時間的に半々の二重生活をしており、山は九州でも大雪が降る所、孫の面倒を見るのも大変ですが、体調はすこぶる良好であること、が写真の挨拶状の主旨です。

No.003

|2012.03.05

ワインと料理の結婚[1]
 ワインと料理を結婚させるとよく言います。「結婚」とは大げさですが、言われてみますと、なるほどワインと料理は夫婦のような関係と思われます。それゆえ、うまくいったりいかなかったりするのでしょう。
 ワインをどう飲んだとしても間違いとは言えません。ただ、しかるべき料理にしかるべきワインが存在するのも事実で、抜群の相乗性を発揮する時があります。

No.002

|2012.02.06

振り返ればそこが「世界の楽園」だった
 「世界には溜息をつくほど美しい自然がある!」と、考えると心が躍ります。でも、「幸せの青い鳥」かもしれません。
 愛媛県今治市。1980年代から90年代にかけて、白砂の浜辺を守ろうとした運動がありました。裁判も提訴され、全国紙レベルでも注目された織田が浜埋立反対運動です。「自然保護の天王山」とも言われていました。

No.001

|2012.01.10

美しい景色、豊かな自然は、知らぬ間に人の心を育てている
 環境とは、私たちが概念として持つ‘環境’という言葉で表しきれない程、人の営みのすべてにかかるテーマではないでしょうか。
 ずいぶん前になりますが、エネルギーサロンというラジオ番組のパーソナリティーを10年程つとめていました。エネルギーを広義に捉えて、さまざまなゲストの話を聞く番組であり、今につながるきっかけともなった番組です。ここでの出会いから、環境カウンセラー登録のきっかけをいただいたり、自然に親しむ人たちとの友人関係が広がっていきました。