一般財団法人環境イノベーション情報機構
エコチャレンジャー 環境問題にチャレンジするトップリーダーの方々との、ホットな話題についてのインタビューコーナーです。

No.081

Issued: 2018.09.20

第81回 石綿による健康影響と今後の動向を、横須賀市立うわまち病院の三浦溥太郎さんに聞く

三浦 溥太郎(みうら ひろたろう)さん

実施日時:平成30年8月7日(火)
聞き手:一般財団法人環境イノベーション情報機構 理事長 大塚柳太郎
ゲスト:三浦 溥太郎(みうら ひろたろう)さん

  • 横須賀市立うわまち病院呼吸器科顧問
  • 専門は呼吸器内科全般、とくにアスベスト関連疾患の診断と治療、呼吸器疾患の画像診断。厚生労働省及び環境省の委員として、石綿関連疾患の労災認定基準、救済認定基準の作成および基準の改定に携わる。中央環境審議会 石綿健康被害判定小委員会委員長を歴任。
  • 1970年〜横須賀共済病院勤務,2005年〜現病院副院長・院長を経て2015年より現職。
  • 共著に「職業性石綿ばく露と石綿関連疾患」(三信図書)2005, 2006, 2008、「アスベストと中皮腫」(篠原出版新社)2007年、「胸膜プラーク・・胸部エックス線写真とCT画像」(公益社団法人全国労働衛生団体連合会)2012 など。2014年に環境保全功労者受賞。
目次
石綿由来の病気の患者さんに初めて出会ったのは1972年
30年間に約80人の中皮腫の患者さんを診て石綿の健康被害を明らかに
石綿をたくさん吸うほど病気が進行する
中皮腫の患者数はまだピークに達していない
早期発見のためにも検診を受け、できるだけ早くたばこを辞めること
日本はもっと疫学の視点に関心をもってほしい

石綿由来の病気の患者さんに初めて出会ったのは1972年

大塚理事長(以下、大塚)― 本日は、職業保健(労働衛生)の面からも環境保健の面からも大きな問題である、石綿(アスベスト)【1】による健康影響を取り上げます。インタビューには、厚生労働省や環境省の石綿による健康影響(被害)に関する検討会の委員などとして活躍され、現在は横須賀市立うわまち病院の顧問医師を務めておられる三浦溥太郎さんにおいでいただきました。
三浦さんは、石綿の健康影響に長年取り組んでこられたわけですが、この問題に関わるようになったきっかけからお話しいただけますでしょうか。

三浦さん― 悪性胸膜中皮腫【2】という石綿による病気の患者さんに初めて出会ったのが1972年です。おそらく日本で最初の患者さんの1人だと思います。

大塚― 「中皮腫」という病名はどのように診断されたのですか。

三浦さん― はい。私の友人が当時としては先駆けともいえる電子顕微鏡による病理診断【3】をして、病名を決定しました。

大塚― 当時勤務されていたのはどのような病院だったのですか。

三浦さん― 横須賀共済病院という、戦前に旧海軍工廠【4】の職工さんと国が資金を半分ずつ出してつくった病院です。戦後は、米海軍基地や造船所に勤める方がおおぜい通院されていました。先ほどお話した最初の石綿被害の患者さんは建築材料店に勤めておられましたが、その2年後の2人目の中皮腫の患者さんは、旧海軍工廠で造船・修理に関わっていた方です。

大塚― 三浦さんは、石綿の治療・研究を専門にされていたのですか。

三浦さん― いえ、専門というわけではありませんでした。当時は呼吸器内科医を目指して勉強を始めており、肺がんの画像診断のかたわらで石綿が関連した患者さんにも接していたのです。
その後、1977年頃だったと思いますが、米海軍基地に勤める人たちの健康診断の折に、4000〜5000人のうちの2割強の方々に石灰化した胸膜プラーク【5】が見られたのです。今では、胸膜プラークは石綿を吸い込むことによって生じることが知られていますが、当時は胸膜の石灰化は、結核などの「過去の病気」の部類とみなされており、先輩から「健康診断で古い病気を蒸し返すな」と怒られました(笑)。最初はこのような状況でしたが、石綿が関連した患者さんの症例が徐々に増えていったのです。

30年間に約80人の中皮腫の患者さんを診て石綿の健康被害を明らかに

石綿の吹き付け作業 出典:厚生労働省 石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会「石綿ばく露歴把握のための手引」

石綿の吹き付け作業 出典:厚生労働省 石綿に関する健康管理等専門家会議マニュアル作成部会「石綿ばく露歴把握のための手引」

石綿によって起こる主な疾患と部位 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害 概要版」

石綿によって起こる主な疾患と部位
出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害 概要版」[拡大図]

大塚― 石綿は1955年代頃から使われ始め、工業製品や建材、あるいは耐火被覆(ひふく)として天井などに吹き付けられるのが主な用途だったようです。私も中学校の理科の実験で、ビーカーの下に石綿の網があったのを覚えています。そのように身近な存在だったのですが、先ほどお話があった1972年に診断された患者さんの症例などから、肺がんや胸膜中皮腫を引き起こす原因物質と確定されたのでしょうか。

三浦さん― そうですね。2005年に横須賀共済病院から現在の病院に移るまでに約80人の中皮腫の患者さんを診させていただきました。必ずしも主治医ではなかったのですが、レントゲン写真と病理標本を見ながら病理の先生たちと議論しました。

大塚― その80人の患者さんには、遠いところから来られた方も多かったのですか。

三浦さん― いいえ。ほとんどが神奈川県内、特に三浦半島の方が圧倒的に多かったです。とはいえ、子どもの頃に中国地方でばく露【7】されて、神奈川県に嫁いで来られてから中皮腫を発症された患者さんもおられましたし、造船所で働いていた家族が着た石綿にまみれた服を風呂場ではたき続けたことで中皮腫になられた方もいました。

大塚― 今までの話とも関係しますが、石綿による病気を整理していただけますか。症状の重さや発症に至る過程など、特徴的なことをご説明ください。

三浦さん― 石綿による病気には、大きく分けて、中皮腫、石綿肺、肺がん、びまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水の5疾患【8】があります。1つめは、私が最初に診た石綿の患者さんが患っていた中皮腫です。一度かかると、2年後の生存率が約30%といわれます。2つめは、石綿肺という「じん肺」【9】です。これは、最終的に肺が固くなって酸素吸入が必要なほど呼吸困難になり、息が切れてくる病気です。治療法はないのですが、早い時期に石綿を吸わなくなれば進行を止められます。健康診断で定期的に肺の写真を撮り、影が出てきたら仕事の配置換えをすることにより、症状が重くなるのをかなり抑えられます。石綿肺は、予防が可能になると同時に職場の環境が整ったことでずいぶん減りました。

大塚― 石綿肺は大量の石綿を吸わないと起きないので、とにかく吸わないようにすれば進行を抑えられるわけですね。ところで、3つめの肺がんは石綿以外の原因でも発症すると思うのですが、石綿が原因だとわかるまでにどのような過程があったのでしょうか。

三浦さん― 最初の頃は、肺がんは石綿肺に合併して発症するものと想定されていました。1930年代に最初の報告があり、その後、何例かが蓄積されました。ところが、石綿肺にならなくても、石綿を吸って肺がんになることがわかってきたのです。最終的には、疫学【10】の手法により、石綿が原因で肺がんを発症することが証明されました。

大塚― 患者さんの石綿のばく露歴が重要な情報だったのですか。

三浦さん― ばく露歴とばく露量、それに肺がんの最大の要因として、喫煙歴が重要な情報です。喫煙量が多い人ほど肺がんのリスクが高くなることはよく知られていますが、同じことが石綿の場合にも言えます。タバコを吸う人も吸わない人も、生涯に吸い込んだ石綿の量が多い人ほど肺がんのリスクは高くなります。

石綿をたくさん吸うほど病気が進行する

石綿粉じんのばく露量と潜伏期間 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害〜石綿による健康被害と救済給付の概要」(Bohlig & Otto, 1975を改変)

石綿粉じんのばく露量と潜伏期間 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害〜石綿による健康被害と救済給付の概要」(Bohlig & Otto, 1975を改変)

大塚― 石綿による患者さんに対する治療についてご説明ください。

三浦さん― 肺がんの場合は、手術が可能な段階のうちに見つけられるかが鍵になります。中皮腫は、残念ながら、まだ治療法が進んでいません。そのうちの上皮型中皮腫は、早期に手術すると5年生存率が4割ぐらいにはなりますが、治療は難しいというのが現状です。
石綿肺は、たくさん吸えば吸うほど進行しやすいので、吸わないようにして予防するのが一番です。患者さんの数は減っていますが、重症者では在宅酸素療法により、ある程度の生活レベルの維持を目指すことになります。

大塚― 5つの病気のうち、残りの2つ、びまん性胸膜肥厚と良性石綿胸水についても教えてください。

三浦さん― この2つは歴史がやや浅く、疾患として確立されたのは1980年代です。石綿による病気の中で、最初のばく露から発症までの期間が一番短いのが良性石綿胸水です。
先進国では、石綿肺が激減した一方で、胸膜が固くなるびまん性胸膜肥厚が増えています。また、良性石綿胸水が治り数年してからびまん性胸膜肥厚を発症することもありますし、何十年も経ってから発症することさえあるので、そう簡単には減らないだろうと考えています。

大塚― 対処法・治療法は最初の3つの病気とはまったく違うのですか。

三浦さん― 良性石綿胸水は、ほおっておいても7割以上は治ってしまいます。びまん性胸膜肥厚は、慢性的な息切れの症状が悪化した場合には、在宅で酸素供給器を使って治療することになります。

大塚― 石綿が引き起こす病気は、発症までの期間が非常に長いようですが、どのような環境で健康被害が起きるのでしょうか。

三浦さん― 石綿鉱山や石綿製品製造工場、あるいは石綿を含む断熱材の吹き付け作業の現場などでの直接的なばく露のほか、思いがけない原因で中皮腫を発症することもあります。例えば、工場からクロシドライトという石綿が風に乗って街中に飛散し、ばく露した住民が何十年もしてから中皮腫を発症していることはよく知られています。病院では、手術の時に使うゴム手袋が使い捨てではなかった時代に、再生利用のため粉にタルクを使うことがあったのですが、粗悪なタルクにはトレモライトという種類の石綿が含まれていることがあり、大量の手袋を扱っていた看護師さんに中皮腫の発症がありました。私自身の経験でも、手術室の仕事を一手に担ってくれていた看護助手さんに胸膜プラークの所見があったのを覚えています。

大塚― 建設現場などに限らず、リスクのあるケースは非常に多いのですね。

三浦さん― 間違いなく言えることは、たくさん石綿を吸った人ほど、病気になりやすいということです。かなり少ない量でも発症する可能性があるのは中皮腫です。もっとも、学校の理科の実験で石綿製の網を使ったくらいでは、発病しないでしょう。ただし、アメリカでは学校で、石綿が吹き付けられていた運動具の倉庫に出入りしていた先生が被害に遭った例もあるようです。


中皮腫の患者数はまだピークに達していない

大塚― 現在も中皮腫で労災認定される患者さんが、年に600人ぐらい、救済認定される方が700人以上おられると聞きました。特に老朽化した建物を壊すときなど、環境中に放散された石綿を吸引して発症するケースは今後も起きるのではないかと思いますが、患者数はこれからどう変化するとお考えですか。

三浦さん― 昭和30年から55年までに建てられた建物には石綿が吹き付けられていて、それを壊す時期に来ています。けれども、密閉した環境で、防護服に身を固めて作業すれば問題ありません。

大塚― しっかりと管理された環境下で処理すれば安全なのですね。

石綿輸入量の推移と法的規制の歴史 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害 概要版」

石綿輸入量の推移と法的規制の歴史 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害 概要版」

三浦さん― 以前勤めていた病院でボイラー棟を建て替えた時、ビニール袋に詰めてあった壁材をトラックに積むのに、ビニール袋から出そうとしたのを見てびっくりしたことがあります。慌てて調べたら、石綿は入っていなかったのでよかったのですが(笑)。
もう1つのポイントは、発症までの期間についての予測です。例えば中皮腫などは、ばく露から平均40年以上して発症します。わが国の石綿の使用量が輸入量と同じとすると、輸入量がゼロになってからまだ12年程度です。患者数はまだまだ減りそうにありません。また、使用しなくなって40年程度たてば患者数が大幅に減少するともいえないようです。1980年代に使用を全面禁止したスウェーデンで、40年近く経った今も、当初期待していたほどには減っていないのです。どう収束するかは簡単に予測できません。とにかく早く禁止して、早く接しないようにすること、特に大量に接しないことが大事です。

大塚― 石綿の健康被害の救済を行っている独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)【10】のデータによると、救済認定される方の数も減っていないようにみえるのですが、三浦さんはどうみていますか。

三浦さん― 石綿の輸入が最も多かった1974年から40年後が2014年ですから、そろそろ発症のピークを迎えることが期待されてはいます。しかし、急速には下がらず、まだしばらくは続くでしょう。特に中皮腫はまだピークに達していないと思います。

早期発見のためにも検診を受け、できるだけ早くたばこを辞めること

喫煙と石綿ばく露による肺がんリスク 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害〜石綿による健康被害と救済給付の概要」

喫煙と石綿ばく露による肺がんリスク 出典:独立行政法人環境再生保全機構「石綿と健康被害〜石綿による健康被害と救済給付の概要」 [拡大図]

大塚― すでにばく露している方を含め、予防や治療という点ではどのようなことが大事になるでしょうか。

三浦さん― まず申し上げたいのは、肺がんは昔と比べかなり治療しやすくなったことです。手術の進歩もありますし、手術で完全に取りきれなくても新しい薬が有効な場合もあります。例えば、放射線治療と一緒に用いると肺がんに効果的な薬も出てきています。肺がんは早期発見が大切です。もう1つは、できるだけ早くたばこをやめていただきたいということです。石綿のばく露とともに、たばこを吸うことで肺がんになりやすいのは間違いないのです。
肺がんについては、見通しが少しずつですが明るくなってきているのに対し、中皮腫はまだその2歩ぐらい手前にいます。しかし、日本でも近い内に認可される可能性のある新薬が有効と聞いていますので、少しずつ期待できるのではないでしょうか。薬で完全に治らないとしても、日常生活を送れる時間が伸びるのは間違いないので、これからは中皮腫もなるべく早く見つけるのが肝心といえます。

日本はもっと疫学の視点に関心をもってほしい

大塚― 最後になりますが、EICネットの読者に向けた三浦さんからのメッセージをお願いします。

三浦さん― 皆さんに、疫学という学問にもっと関心をもっていただきたいと思っています。疫学とは、集団を対象に、主に統計学の手法を使って、起こっている事象の原因や、その良し悪しを判断する研究分野です。
ある国際的な医学会に出席した時のことですが、イタリアのビアンキという病理学者が、自身の病理解剖の研究に基づいて、「最初に石綿を吸ってから中皮腫の死亡までの潜伏期間は45年である」というデータを出しました。私が同じ学会で「(発症までの期間が)42年」というデータを発表したところ、ビアンキさんが壇上まで駆け寄ってきて握手を求められたのです。彼がなぜそれほど感激したかというと、彼の病理解剖のデータを私のデータが裏付けたからです。それまでのヨーロッパの標準は35年でした。ヨーロッパでは信頼できる疫学的データを元に、政策が決められるとのことでした。その後、2000年に東京で開かれた国際肺がん学会の時、ビアンキさんが私の病院まで来て、標本を全部見て中皮腫で「間違いない」ことになりました。
また、スウェーデンのヒラーダルというドクターは、「経済的にしっかりした国でないと良い疫学の調査はできない」と言われました。私たち人類は、自分たちの生活にさまざまな化学製品や薬品などを取り入れるのですが、それらによる影響を早く見つけて問題があれば予防する必要があります。そのためにも、疫学の視点からの研究がしっかりできる体制が非常に大事なのです。

大塚― 確かに、疫学の研究をもっと理解して大切にしてほしいですね。本日は、身近にもかかわらず比較的知られていない石綿の健康影響について、医師の立場から幅広いお話をいただきありがとうございました。

三浦溥太郎さん(右)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(左)。
三浦溥太郎さん(右)と、一般財団法人環境イノベーション情報機構理事長の大塚柳太郎(左)。


注釈

【1】石綿
石綿(アスベスト)は、天然にできた鉱物繊維で「せきめん」「いしわた」とも呼ばれる。日本で使用された代表的な石綿は、蛇紋石族の白石綿(クリソタイル)と、角閃石族の茶石綿(アモサイト)および青石綿(クロシドライト)である。また、世界で使われた石綿の9割以上が白石綿(クリソタイル)である。
【2】中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜、精巣鞘膜(しょうまく)にできる悪性の腫瘍。全中皮腫のうち75-90%が胸膜中皮腫。潜伏期間は40-50年と長い場合がほとんどである。
【3】病理診断
患者の体から採った組織や細胞を顕微鏡で観察し、病名や病状を診断すること。病理専門の医師が臨床医と連携して患者の病気を診断することが多い。
【4】旧海軍工廠(こうしょう)
艦船、航空機、各種兵器、弾薬などを開発・製造していた旧日本海軍直営の軍需工場(工廠)。第二次大戦中は横須賀、呉、佐世保、舞鶴の各軍港に存在した。
【5】胸膜プラーク
石綿を吸入することによって胸膜に生じる限局的な線維性の肥厚で、石綿のばく露があったことを示す重要な医学的所見。原因物質の石綿を吸い込んでからおおむね15〜 30年以上で発症する。建築作業や石綿の製造工程などで吸い込む高濃度の「職業性ばく露」をした人だけでなく、家庭内や石綿鉱山、工場の近隣に住んでいて吸い込んだような「低濃度ばく露」でも現れる。
【6】ばく露
問題となる因子(細菌、ウイルス、薬物、化学物質、物理的要因など)に、特定の集団あるいは個人がさらされて、吸ったり、食べたり、触(ふ)れたりすること。
【7】石綿が原因の主な5疾患と補償・救済制度
対象疾病は、中皮腫、石綿起因性肺がん、石綿肺、石綿によるびまん性胸膜肥厚、良性石綿胸水で、労災保険制度による「労災保険給付」と、石綿健康被害救済制度による「特別遺族給付金」「救済給付」がある。(良性石綿胸水は「労災保険給付」と「特別遺族給付金」のみ)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/dl/120406-1_leaflet.pdf
【8】じん肺
長期間にわたり、石綿など鉱物性(無機物)の粉じんを吸入したために、粉じんが肺に沈着して肺組織の線維が増加し、肺の弾力性がなくなり、心肺機能の低下をきたす疾患。咳、痰、息切れ、呼吸困難や動悸の症状が現われる。一度吸った粉じんは肺の外に排出されないため、長期間にわたって肺を刺激し徐々に線維成分を増加させる。
【9】疫学
ある地域や集団の中で、病気や健康に関する事象の原因や分布、傾向などを明らかにし、予防や対策に適用する学問。19世紀に、イギリスの医師のジョン・スノーが、コレラ患者と汚染された井戸の分布から感染経路を特定した研究がよく知られる。
【10】独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)
石綿による健康被害の救済の他、公害に係る健康被害の補償及び予防、民間団体が行う環境の保全に関する活動の支援、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の円滑な実施の支援等の業務を行っている。アスベスト(石綿)健康被害の救済に関する情報は下記。 https://www.erca.go.jp/asbestos/