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おうちのはなし


■服のはなし

●目的

  • 気づき:不要になったものにも、「捨てる」という以外の選択肢があることに気づく
  • 知識:不要になったものの具体的な処理方法のさまざまについて知る
  • 行動:不要になったものの処理方法に配慮することができる

●背景

 本項のテーマは2つに整理できます。ひとつは、人間の基本的欲求である衣・食・住のうち、特に環境との関わりについて考えること、もうひとつは、不要になったものの処理の仕方について学ぶことです。
−衣服のさまざまな機能−
衣服の機能としては、変化の激しい自然環境から身を守る身体の保護機能がまずあげられます。強い日射しを避けたり、冷気から身を守ること、あるいは熱く焼けた/凍てついた冷たい地表から足裏を保護するといった、体温の調整装置・皮膚の保護膜・身体運動のサポーターなどの衣服の機能的な働きは、他の動物のように毛皮、鱗、あるいは羽毛などを持たない人間にとっては重要な意味を持つといえるでしょう。
さらに人間にとっての衣服はそれらだけに留まらず、装飾や象徴といった社会的な意味をも現します。これらは、機能性という面からはむしろ本来の目的を阻害するような特異な発展をとげる場合も多く見れらます。こうした衣服の形態や色彩は、時代や社会の変遷によって違いをみせますが、いずれにしろその時代に入手できた素材によってつくられていることだけは変わりがありません。

 −古布類の再生用途−
近年の日本では、使い古した衣類を中心とした古布類が洋紙の原料として利用されていたことから、古紙と一緒に回収されていました。近頃あまり見かけなくなってしまったちり紙交換業者が「古新聞、古雑誌、ボロ切れなどございましたら、...」と街中を徘徊していたのも記憶に新しいところです。また現在でも、集団回収などのルートによってリサイクルされている地域は数多くあります。

 −年間100万トンもの古着・古布類が不要とされている−
全国の家庭から毎年約100万トンが放出されているとされる古布類のうち、回収されリサイクルされている量は約20万トン程度と推定されています。多くは、ごみとして廃棄されているのが現状です。

●視点

○3Rの意味

 −集団回収による古着のリサイクル−
地方自治体やPTA・自治会などによる集団回収等でリサイクルされている古着・古布類は、状態の良いものが主に輸出用の中古衣料として使われる以外は、大部分がウエスと呼ばれる工場用雑巾に再利用されるか、繊維状に解きほぐされて糸状に紡いだ反毛材料として軍手やカーペットの裏地、また熱や薬品等で処理して防音材や断熱材として利用されるフェルトなどに再生されています。
不要になった古着・古布を有効利用することは大切な環境保全行動といえます。しかし、さらに一歩進めるならば、他人に譲ったり、別の形に加工して生かす以前に、自分で使い続ける工夫をする方がより環境への負荷を軽減することができるといえます。

 −大量生産・大量消費・大量廃棄のライフスタイルでは、ごみが減らない−
ごみ問題では、「3つのR(Reduce、Reuse、Recycle)」が重要な視点として指摘されていますが、これらのRは並列の関係ではなく、その順番に意味があるとされます。つまり、RecycleよりもReuseを、さらに最も優先されるのがReduceとなります。集団回収によるリユース・リサイクルに参加しても、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提としたライフスタイルを継続したままであれば、結果として廃棄物の総量はなかなか減りません。リサイクルやリユースは、それ自体が目的なのではなく、生産や消費を減らすことで廃棄を減らすという視点を踏まえて、そのための方法として捉えるべきだといえます。

 −エネルギーを投入して強引に回しているリサイクルの輪−
人間の活動によるリサイクルやリユースは、自然界のサイクル(循環)とは異なり、大量のエネルギーを投入して、また多大な手間暇かけて成り立たせています。大量に排出される廃棄物を短時間のうちに効率よく処理するために、回収のコストや労力、あるいは再生のためのエネルギーをかけてリユースやリサイクルの輪を回すのでは、ときに廃棄する以上の環境負荷を与えることにもなります。エネルギー的には、再資源化するよりもそのままのかたちで使えるリユースの方が優先されるべきであり、それ以上に生産や消費そのもの、あるいは生産時の資源やエネルギーの使用を減らしたり、製品の寿命を延ばすといった、リデュースを優先することが重要といえます。

○価値観の問題
冒頭にあげたように、衣服は他の生活必需品以上に人間の生活にとって欠くべからざる基本的なアイテムといえます。しかしその一方で、必要以上の機能性の追求や、ファッション性や飽きによって廃棄される「まだ十分に使える」状態の衣類など、「機能性や必要性」だけではない意味合いも併せ持つといえます。
どこまでが必要なもので、どこから先は過度の欲求によるものといえるでしょうか。持続可能な資源活用のあり方や、廃棄の抑制などを視野に入れて、自分自身の選択としてどこまでを許容していくか、考えていくことが大切です。これらの線引きは、社会としての、あるいはその人なりの価値観に基づくものといえます。では、他の誰でもないあなた自身の基準をどこに見出していけばよいでしょうか。
こうした個人の責任と自立した考え方を、子どもたちに対して育成・促進するような投げかけを工夫していくことが、持続可能な社会のあり方について論じる基盤として必要となってくるといえるでしょう。

●発展
○衣服の素材と生産による環境負荷
−さまざまな衣服の素材−
木綿や絹、羊毛などの天然素材から、アクリルやナイロン、ポリエステルなどの合成繊維まで、衣服の素材はさまざまあります。時代や地域に応じて、手に入る素材が使われていますが、それぞれの素材の特性と、衣服の機能やデザイン、生産性との関わり等、その素材が選ばれる理由があります。

 −当時の環境をどのように利用してきたか、またそれによる影響は?−
時代や地域によって異なる素材やスタイルを取る衣服について調べることで、その時代や地域の特徴や人々の生活の様子を知ることができます。同じ素材でも、時代や地域が違えばその生産方法や使い方も変わってきます。このとき、単に過去にどんな服が着られていたのかといった歴史的事実の学習だけにとどめるのではなく、当時の人々がその時代の環境をどのように利用して衣服をつくっていたのか、それによって当時の環境に対してどのような影響があったか、そしてそうした歴史や文化は、現代ではどのように受け継がれているのかといった視点が重視されるべきだといえます。

 −綿花の栽培と、環境への視点−
例えば、木綿は綿花を栽培して収穫しますが、近年の換金作物として利潤の最大化をめざした農業形態によって栽培されるものは、大量の農薬が投入されるなど環境負荷の非常に高いものとなっています。その背景には、衣料品が口に入るものではないこともあって、農産物であるよりも工業製品の生産という認識が強くなっていることが示唆されます。
このような認識の下で栽培される綿花は、種の段階で防虫剤が散布され、植えてからは除草剤や害虫駆除の農薬、発育促進のための化学肥料がまかれ、収穫時にも省力化や品質向上を目的に枯葉剤が使われるなど薬漬けの状態といえます。さらに、生地にされるときにも、糸切れを防ぐための化学糊や、化学染料、防縮加工剤、柔軟仕上げ剤などさまざまな薬剤が添加されて、加工されています。
これに対して、環境面や使用する人の健康面に配慮した木綿生産として、「オーガニックコットン」が提唱されています。オーガニックコットンは、化学薬剤によって栽培や生産の効率や量を調節するのではなく、植物本来の生長する力を大切にした栽培や加工方法を取ることとしています。 ○裂織やパッチワーク、キルトづくり
古布類は捨てる以外にも、人に無償/有償で譲ったり、ウエスの素材として再生産されるなど自分の手元から離れた上で活用される道と同時に、穴が開いたら修繕するなど自分で使い続ける方法もあります。修繕に関する技術講習や裂織・パッチワークやキルトづくりなどを実際に経験してみることは、知識としてだけでなく実際に自分にもできる技能の獲得にもつながります。
日本では、古来より裂織(サキオリ)の技術が発達してきています。まだ布が貴重だった時代に、そのままでは使えないほど着古して弱くなった布を裂いて細い紐にして、これを織物の横糸として織り込んで使っていました。これが「裂織」(または「ぼろ織り」)と呼ばれる技術です。このとき、ただ織り込むだけではなく、1本1本配色を考えながら織り上げたため、織った人の個性あふれる美しい横縞模様に仕上がりました。できた生地は丈夫で厚手で防寒に適し、北国の農民の労働着や、漁師の沖着物として利用されました。
一方、欧米では、パッチワークやキルトの技術が発展しています。これは、数世紀前からおこなわれており、現在でも自己表現のできる針仕事として愛好されています。そもそもは裂織と同様、必要に迫られて生まれた民衆工芸で、不要な古布で温かいベッドカバー等をつくることを目的としていましたが、現在ではむしろアートとして認識されるようになっています。
こうした技術をリサイクルの視点から捉え、現在に復活して活動している団体も多数あります。地域のリサイクルプラザなどで確認してみると情報が得られることでしょう。

●関連情報

  • 集団回収による古布類の回収について
    各自治体のごみ/リサイクル担当課に問い合わせてみると地域の実施状況がわかるでしょう。自分の住んでいる自治体で回収を行っていない場合でも、自治会や学校など市民活動による回収や、近隣自治体による回収などの可能性もあります。

  • JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)
    回収した古着は、主にパキスタン等で中古衣料として販売し、その収益を現地の学校支援などに充てています。古着を捨ててしまわずにリサイクルに回すという生活見直しのきっかけとして捉えると同時に、途上国支援の具体的行動としての活動を行っています。詳しくは事務局まで問い合わせるようにして下さい。
    TEL/FAX: 043-234-1206(木曜日定休)

  • ファイバー・リサイクル・ネットワーク
    〒223-0017
    横浜市南区宿町2-40 大和ビル101
    TEL: 045-710-6507
    FAX: 045-710-6508
    URL: http://www.tky.3web.ne.jp/

  • フリーマーケット、ガレージセール
    フリーマーケットは、市民が各家庭に眠っている不用品などをもち寄って販売するもので、公園などを会場に、多くの人が集まってにぎわいます。不用品を捨てずに必要とする人に安く販売することで、ごみの減量や資源の再利用に役立てるリサイクル運動として多くの地域で実施されています。同じような目的のものとしては、個人や家族で開催するガレージセールやガーデンセールなどもあります。
    リサイクル運動市民の会(TEL: 03-3226-6800)などがフリーマーケットの運営や情報提供を行っている他、各自治体のごみ対策関連部局でも主催もしくは情報を持っていることが予想されます。

  • 綿花の栽培
    財団法人  日本綿業振興会では、綿製品PRの一環として、昭和48年より綿の種プレゼントを毎年2月〜3月いっぱいまで実施しています。80円切手を貼った返信用封筒(送り先の宛名を書いてください)を同封して、下記宛に送付すれば、1袋(6〜7粒入り)が送られてきます。
    〒541-0051
    大阪中央区備後町2-5-8
    綿業会館 (財)日本綿業振興会 「綿の種プレゼント係」
    TEL: 06-6231-2665
    FAX: 06-6231-4661
    URL: http://www.cotton.or.jp/



ごみのゆくえ

●目的

  • 気づき:私たちの出すごみが、さまざまな行程を経て処理されていることを知る
  • 知識:ごみの処理の流れを理解する
  • 行動:3R(Reduce Reuse Recycle)の実践

●背景
−ごみの分類と家庭から出るごみ−
現在のごみ処理行政では、ごみを一般廃棄物と産業廃棄物に分類し、さらに一般廃棄物を事業系ごみと家庭ごみに分けています。このうちの家庭ごみが、われわれの生活に身近なごみであり、市町村の責任で税金を使って処理されています。本項で追跡調査するのも主に家庭ごみです。ここでは、ステーション回収と呼ばれる、決められた日時に路上の回収拠点にごみを出しておくと、ごみ回収車が速やかに持ち去るというシステムによって、収集 ・処理されているごみについて取り上げています。この他、地域によってはいつでも投入できるダストボックスシステムなどが採用されているところもあります。

 −ごみの分別と資源化−
循環型社会への移行を目指して、多くの自治体で資源ごみの回収を行っており、多いところでは20分別以上の細かい仕訳をしているところもあります。リサイクルするには、不適切な混入物がないことが条件となるため、排出源での分別が徹底していないとよけいな手間やコストがかかることになります。
一方、分別回収されたものの、回収や再製品化のプロセスでのコストが大きすぎることや用途が限られるなど、使い切れずに野積みにされているケースも見られます。市場価値が暴落して回収するほどに赤字となった古紙や、容器包装リサイクル法で回収されるようになったものの生産量が予想以上に増えて対応しきれないペットボトルなどがこうした例としてあげられます。

 −焼却処理にまつわる諸問題−
今日の日本のごみ処理は、焼却による減容を経て、最終的に焼却灰や不燃ごみが埋立処分されています。このとき、ごみの組成や焼却炉の能力等によって燃焼時に有害物質が発生することが社会的な問題となっています。今日特に関心を集めているのがダイオキシンの問題で、対策として高温での焼却ができる大規模な施設の建設もされています。しかし、従来からの騒音や悪臭なども含めて、迷惑施設としての認識が強く、立地条件が厳しくなっています。

●視点
−ごみは消えてなくなるわけではない−
ごみは、ごみ箱に捨てたりごみ捨て場に持っていけば、勝手に消えてなくなるわけではありません。特に今日の人間社会が排出する膨大で、かつ人工的に化学合成されたものを多く含んだごみを安全かつ適切に処理するには、煩雑な行程を要し、また投入されるエネルギー量も大きなものとなっています。
廃棄後のごみの行方を追跡
・探検することで、「ブラックホール」ではないごみの処理についてのより具体的なイメージを獲得し、また理解を得ることが期待できます。このとき、最先端技術を駆使した最新のごみ処理の仕組みや機械のすごさに安心したり圧倒されてしまうだけではなく、そうして処理されているごみと自分の出すごみとのつながりを意識することが大切といえます。

 −自然界にごみなし−
一方、自然生態系や昔の人の生活というのは、ごみのない世界であり、物質循環がうまく回っています。ところが、現在の人間社会では、自然の物質循環に適しない難分解物質の排出や、許容範囲を超える膨大な量の排出等が、ごみ問題の起因となっているといえます。

●発展
ごみに関連した話題としては、「(1−5)生ごみのはなし」、「(2−4)ごみを減らすには」、「(3−1)包みはごみ?」、「(6−1)ごみは流れてどこに行くの」を始め、数多く取り上げています。そこで、ここではごみの行方についての学習を発展させる際のポイントについて、いくつか取り上げることとします。 ○「ワークシートの活用」
ごみのゆくえについて実際に調べる際には、調べる内容を事前に確認したり、現場で記録をとって、調査後の整理や考察に役立てるように、ワークシートをつくるなどして子どもの学習を支援 ・促進することも有効です。
ワークシートには、ごみステーションの場所や収集車の回収ルートを書き込めるように地図をつけたり、事前に役所などでごみの種類や出す曜日、出し方、ごみステーションの掃除などの管理体制等についてヒアリングする際のポイントなどの質問項目と回答を記入するスペースをあけておくなど、子どもと相談しながら、子どもの興味に応じた書式でつくっていくなどして子どもの主体性を引き出す工夫が望まれます。
使いやすく、また子どもが楽しくなるような遊び心のあるワークシートができると、お勉強としてではない子ども自身の主体的な調査研究活動となるでしょう。
また、所々に注意事項や事実のみの記述でない感想の記入を促す投げかけなど、大人が気づいた視点を入れて、子どもの学習をさり気なく支援 ・促進することも場合によっては有効になると考えられます。

○他の地域の状況について知る
ごみの出し方や処理の仕方は、地域によって異なる方法を取っています。遠くに住む親戚や引っ越した友達などに聞いたり、手紙やインターネットなどを活用して遠い場所や世界の国々の状況を調べることでおもしろい発見が期待されます。この際、漠然とした問いかけで先方が困らないよう、また聞き捨てになってしまわないように、大人の側でフォローすることも場合によっては必要となります。
地域や文化によるごみ処理の方法やごみに対する認識の違いを知ることで、自己の固定観念を覆すきっかけとなるのに加えて、ごみの排出という行為を通じた人間と環境との関わり方の現状や望まし方向性などについて考える視点を大事にしたいところです。

●関連情報

  • (財)クリーン ・ジャパン ・センター
    〒105-0001
    東京都港区虎ノ門3-6-2  第2秋山ビル
    TEL: 03-3432-6301
    FAX: 03-3432-6319
    URL: http://www.cjc.or.jp/
  • 家庭や学級、団体などで参加できるインターネットを利用した環境教育:
    (1) ワールドスクールネットワーク
    〒103-0023 東京都中央区日本橋本町2-5-2 竹内ビル2F
    TEL: 03-3244-6540
    FAX: 03-5205-2137
    URL: http://www.wschool.net/
    (2)NHK学校放送  インターネットスクール「たったひとつの地球」
    小学校高学年を対象とした、テレビ番組とインターネットをリンクさせた試み
    NHK教育 水曜日10:00〜10:15、木曜日10:45〜11:00 放送
    URL: http://www.nhk.or.jp/tatta/
    (3)Earth Calendar Online
    国際交流プロジェクトによる内外の比較文化的な情報交換 ・交流の試み
    URL: http://paoprj.town.asahi.okayama.jp/earth-c/index.html


テレビのはなし

●目的

  • 気づき:電気製品には使用していないときにも電力を消費しているものがあることを知る
  • 知識:待機電力という概念や、製品による消費電力の違いについて、また不要な待機電力を避けるために非使用時にはコンセントを抜くなど省エネルギーの方法について学習する
  • 行動:使用に伴う環境負荷に配慮して製品を選択したり、適切な使用方法を取ることができる

●背景

−待機電力とは−
待機電力とは、機器を使用していないときに何らかの入力(作動)待ちとして消費される電力のことをいいます。機器の安全性の確保のためや、利便性を得るために必要となるもので、必ずしもなくてはならない機能ではない場合もあります。こうした場合は、コンセントからプラグを引き抜くことで無駄な電力の消費を防ぐことができます。今日の電気製品には、さまざまな待機電力が使用されています。その実態と使用目的についての正しい認識を得ることで、われわれが享受する豊かな生活の基盤となっている電気について、その利用のあり方を考えることにつながるといえます。

−省エネラベリング制度−
消費電力や待機電力の高い電気製品は、無駄なエネルギーを消費するだけでなく、月々の電気代にも反映します。近年、家電製品の省エネ性能も向上しており、新機種に買い替えた方がいい場合もあります。
通産省は2000年8月21日付で、エアコン、テレビ、電気冷蔵庫など家庭電気製品の5品目について「省エネラベリング制度」に関するJIS規格を公示しています。省エネラベリング制度とは、同省の審議会で決定した各機種ごとの省エネ性能の基準に対して、各製品がどの程度達成しているかを表示するもので、価格や性能とあわせて省エネの性能を購買の基準にとの意図があります。

●視点

−電気製品の消費電力の定量的な把握が環境配慮への第一歩−
今日、われわれの家庭生活では、多くの電気製品が使われています。各電気製品について、待機時や使用時の消費電力を、電力計を用いて測定すれば、家庭の全消費電力のどれくらいをどの製品が消費しているかを定量的に把握することが可能となります。家族での話し合いも踏まえて、それぞれの必要性と使用が環境に及ぼす影響について評価して、自らの生活の中で発生する無駄な電力消費を防ぎ、より環境に影響の少ない行動を取るための工夫について分析してみれば、大きな行動変化が期待できます。また、電気製品を買い代えるときの選択基準として、稼働時の消費電力や待機電力の大きさにも気を配って、環境に及ぼす影響を鑑みた購買行動へと反映させるなどといった視点も望まれます。
消費活動における環境意識の反映については「3−3  ノートの話」で、またこれらの問題の背景としてのエネルギー消費と環境問題とのつながりについては「2−1 電気のもとは?」で扱うこととしています。併せてご参照ください。

●発展

○電気がなかった頃(時代)の生活

・文化

−便利な生活と、問われる「豊かさ」−
電気製品の普及は、われわれの生活を便利に、また快適に変えた一方で、さまざまな環境問題を引き起こす原因にもなっています。そうしたライフスタイルが、結局は自らの健康や周囲の環境を蝕むこと、それは自分自身だけでなく、日本各地や、さらには世界の国々にも多大な影響を与えているということを理解することが大切です。こうした犠牲の上に成り立った「豊かさ」であるということを認識する必要があるわけです。

−電気製品が普及する以前の生活−
では、電気が普及する以前の生活はどのようなものだったのでしょうか。電気製品がまだ高価で、一般庶民の生活には縁遠かった昭和30年代の暮らしは、現代の暮らしと相通じる部分も残している一方で、電気冷蔵庫や電気洗濯機などがもたらした生活様式の変化など、本質的な豊かさについて考える材料を与えてくれます。
かつてはありふれていた何の変哲もない普通の暮らしは、家庭製品の電気化や急速な都市化によって失われつつあります。一方で、そうした生活を、まだ実物が残っており、実際に体験した人から話を聞ける今のうちに博物館などの展示として残す動きも増えてきています。東京都大田区に1999年2月に開館した「昭和のくらし博物館」や、東京下町の「葛飾区郷土と天文の博物館」、千葉県の「松戸市立博物館」、また草分けともいえる愛知県の「師勝町歴史民俗資料館」など、「昭和」をテーマにした展示なども近年増えています。この他、東京 ・池袋の「ナンジャタウン」や横浜市の「新横浜ラーメン博物館」など、昭和30年代の町並みを再現しているテーマパークもみられます。

−今日の生活様式をふりかえり、考えるきっかけをつくる−
これらの展示や、当時の生活を経験してきた地域の先達から話を聞くなど、当時の暮らしと現在の暮らしを比較しながら、利便性を追い求める今日の生活について考えるきっかけとなることが期待できます。

○ごみとしての電気製品
電気製品にまつわる環境問題としては、エネルギーの問題だけでなく、ごみとしての廃家電という側面も一方ではあります。
家庭で不要となり廃棄される電気製品は、約8割が小売業者を経て、残りの2割が市町村によって回収されています。回収後は、約半分がそのまま埋め立てられ、残りも破砕後に一部の金属が回収される以外はほとんど埋め立て処分されています。
こうした現状を改め、製品デザインの段階からリサイクルを前提とした設計を施したり、回収ルートの整備や費用負担のあり方など、リサイクル率の向上を目的に議論が重ねられ、平成10年6月に「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」が制定され、平成13年4月から本格施行されることになっています。

●関連情報
消費電力を測定する機器類の一例

  • 「エコワット」
    製造 ・販売元:東光精機(株)、価格:2,980円
  • 「ワットアワーメーター(省エネ電力量計)」
    販売元:オムロン、価格:25,000円
  • 「消費電力測定機能付きデジタルマルチメーター」
    販売元:秋月電子通商、価格:21,200円
  • 財団法人  省エネルギーセンター
    〒104-0032  中央区八丁堀3-19-9
    TEL: 03-5543-3011
    FAX: 03-5543-3021
    URL: http://www.eccj.or.jp
  • (財)家電製品協会
    〒105-0001  東京都港区虎ノ門1-1-3  磯村ビル4階
    TEL: 03-3595-1861
    FAX: 03-3595-2320


でんちのはなし

●目的

  • 気づき:電池には、稀少資源が使われており、中には有害物質を含むものがあることに気づく
  • 知識:資源の有限性と、有害物質の適切な管理について知る
  • 行動:電池の使用後の処理に配慮する

●背景

−あふれかえる電池−
今日、電池を使わずに生活することは難しい状況になっているといえるでしょう。子どものおもちゃやゲーム機から、時計や携帯電話、自動車など、生活を支える身近なものの多くに電池が使われています。また、目に付く以外のところでも電池は、さまざまな場所や用途で現在の技術文明を支えています。
一度放電を終えると寿命が尽きる乾電池(一次電池)は、携帯用の電気製品などに使われるようになり、平成11年度の国内流通量は約27億5千万個、重量では約7万7千トンに達しています。一方、充電して繰り返し使える二次電池は、小型電池が約2億9千万個(重量で約7千万トン)流通しており、乾電池と併用したり各種充電式電気製品に組み込まれています。自動車などのバッテリーに使われている大型の二次電池(蓄電池)は、約2700万台(重量で27万3千トン)が廃棄 ・交換されています。

−電池と稀少資源−
電池には、亜鉛やマンガン、ニッケル、カドミウムなどの稀少資源が含まれています。これらの資源のうち、ニッカド電池のニッケル、カドミウムは特殊な加熱方法により再生されていますが、乾電池中の亜鉛やマンガンなどは現在の技術では再生するために大量のエネルギーを要することとなり、再資源化のための技術開発を進めている状況にあります。また、カドミウムの再資源化にしても、ニッカド電池への再生には98%以上の高純度を必要とするため、他の乾電池が混ざると再生カドミウムの純度が落ちて電池から電池への再生は不可能となってしまいます。

−電池の中の有害物質−
電池には水銀やカドミウムなど廃棄によって環境中に放出されると有害な成分を含むものもあります。水銀に関しては、国内産の電池に関しては現在は無水銀化されているものの、外国産のものなど一部には水銀を含むものもあります。一方、カドミウムに関しては、顔料やメッキなどの用途にも使われますが、電池への使用量が圧倒的です。ニッカド電池は、1993年に「再生資源使用促進法」の第2種指定製品とされ、リサイクルマークの表示と回収が義務づけられていることに加えて、回収拠点の拡充などリサイクルルートの整備も徐々に進んできています。

●視点
電池に関しては、さまざまな学習を想定できます。例えば、化学で習う電気を発生する仕組みについて学習したり、形や用途、種類の違うさまざまな電池に共通する性質について考察したり、また電卓などに使われる太陽電池が同じ「電池」でも普通に電池と呼ばれるものとは異なる原理を持つことなど。環境教育 ・環境学習として扱う際には、電池のメカニズムやそれを支える自然法則についての学習だけでなく、電池の使用がもたらす人間活動の変化や、それによる環境への影響といった視点で捉えることが重要といえます。

−電池に関わる2つの問題−
本項では、特に電池の管理や使用後の処理について扱っています。電池に使われている重金属の資源としての有限性とその適切な利用について、また一部に使われている毒性の高い危険物質についてはその適切な管理の仕方が問われます。大量に使われるようになった現代社会における資源の有効かつ適切な利用について、電池を通して考えていくことが目的となります。

−資源の有効な利用を考える−
電池には使い方によって、効率性に差が生じます。同じ条件の電池を使う(新品でも製造ロットの違いによって条件が異なる場合もある)ことや、ニッカド電池やニッケル水素蓄電池などでみられるメモリー効果を起こさないような充電の仕方など、適切な使用が電池の性能を引き出すことにつながります。電池の廃棄に際しての配慮も大事ですが、廃棄以前に適切な利用による無駄のない活用という視点も大事にする必要があるといえます。

−水銀とカドミウムにみる、有害物質の管理のあり方−
有害物質の管理の仕方について、水銀とカドミウムの例は2つの方向性を示す典型的な事例といえます。ひとつは、水銀の例のように、「使わない」ことで危険を回避する方法。厳格な管理の下で使用を継続するよりも代替品の開発 ・実用化の方が容易である場合に選択されやすい方法といえます。オゾン層破壊の原因物質であるフロン(フルオロカーボン類)の使用制限と代替物質の開発 ・実用化などもこうした方法が選択されている実例のひとつといえます。
一方、カドミウムの場合は、リサイクルの徹底など適切な管理を行うことで危険回避をしようというものといえるでしょう。他の物質で代替することが困難かつ、比較的管理しやすい状況が確保できる場合には、資源効率性を向上することで使用量を減らしたり、回収ルートを整備することなどによって、使用に伴うリスクが十分に下げられていると社会的に認められる場合に取り得る方法といえます。

●発展

○電池で動く家庭の電気製品
家の中で使っている電気製品のうち電池で動くものを調べてみることで、日々の生活の中にどれだけ電池が浸透しているかを実感することが期待されます。どういう目的(主電源、補助電源、バックアップ用など)で、どのようなタイプの電池がどれくらい使われているか。これらの電池がわれわれの生活にもたらした恩恵と、その反面として環境に与える影響について考察し、人間と環境との関わり方の現状や歴史と文化、また望ましいと思うあり方について考えることが、環境教育 ・環境学習の視点としては重要といえます。

○電池の発展の歴史と、人間活動における電池の果たしてきた役割の変遷
電池が発明されて、われわれの生活はどのような発展を果たした(どのような変化が起きた)でしょうか。また電池や関連機器等の発展とそれに伴う使用の変化は、われわれの生活の中で電池が占める役割をどのように変えたでしょう。こうした変化は、人間活動が環境に及ぼす影響をどのように変化していったといえるでしょうか。
現在、発電所の設置と送電線網の整備によって、日々の生活に電気の使用が浸透しています。都市で生活しているわれわれにとって、電気がなくては生きていけないような状況になっているといえます。災害 ・事故時の停電によって都市機能が麻痺する状況はよくみられます。ところが、初めて電気を取り出せるようになった当時の供給源は、18世紀末に発明された電池でした。
簡単な材料や仕組みによって電池づくりの体験を通して、電池の仕組みの理解と併せて、電池の発明やその後の発展が引き起こした人間と環境との関わり方の変化について考えるような展開が望まれます。
簡単な電池のつくり方については、化学の教科書や科学実験集等を参考にして下さい。

○水銀の行方
〜蛍光管の場合〜
電池の無水銀化が実現した今日、日常で使用するものの中で水銀が多く使われるものとして、蛍光管があげられます。1本ずつの使用量は約10mgと微量ですが、年間廃棄量は全国で約3億3千万本にもなり、不適切な投棄は環境への負荷を蓄積することになります。しかし処理費が高く、多くの自治体では他のごみといっしょに焼却や埋立処分されているのが現状です。
蛍光管に使われる水銀の量自体は過去に比べて大幅に減っています。破損による水銀の飛散があったとしても大気中濃度は世界保健機関(WHO)のガイドラインを大きく下回るとされています。厚生省も、焼却や埋立について問題は認められないとしています。
一方、蛍光管は電球に比べると、熱として逃げるエネルギーが少ないため、同じ明るさを得るのに必要な消費電力が少なく、また寿命も一般に電球よりも長くなっています。このため、省エネルギーの観点からは、電球よりも蛍光管を使う方が望ましいともいわれます。

●関連情報

  • 社団法人  電池工業会
    〒105-0011  東京都港区芝公園3-5-8  機械振興会館5階
    TEL: 03-3434-0261
    FAX: 03-3434-2691
  • 電池に関しては、各メーカーが積極的に詳しい情報(原理や種類、歴史など)を発信、提供している
  • 社団法人 日本電球工業会
    〒100−0006  千代田区有楽町1−7−1  有楽町電気ビル北館12階
    TEL: 03-3201-2641


■生ごみのはなし

●目的

  • 気づき:調理に伴い多くの生ごみが発生することに気づく
  • 知識:コンポスト生成の仕組みを知る
  • 行動:生ごみの堆肥化を実践するなど、ごみとしての排出減量に取り組む

●背景

−生ごみの性質−
自治体によるごみ回収では、生ごみは燃えるごみに区分されているケースが現在のところ多いようです。しかし、生ごみは水分が多いため発熱量が少なく、また食塩の混入で塩分濃度が高いため焼却炉やパイプの腐食の原因にもなります。
一方、生ごみは土に返すことでミミズや土中の微生物などによって分解され、新たな植物を息吹かせるための栄養分となります。自然生態系のつながりや、自然界の物質循環を理解する上で格好の素材といえます。また、生ごみを堆肥化して、庭や畑などで草花や野菜を育てれば、生ごみを使った循環型社会モデルの体験、または実践へとつなげることも可能となります。

−生ごみ堆肥による循環のモデル−
学校や公共施設などから発生する生ごみを堆肥化し、できた堆肥を地場の農業で使い、さらにそこで育った農産物を給食や食堂の材料として戻すという地域内循環の取り組みも見られます。特に農業への活用では、廃棄物の削減という観点のみならず、化学肥料や農薬を減らした、もしくは使わない環境保全型の農業への取り組みにもつながります。

−使われる堆肥をつくることが大切−
生ごみの堆肥化は、臭いや虫の発生などの問題が起こりやすく、技術的に難しい面も多いのが実情です。未成熟な堆肥が腐敗して根腐れを起こすなど逆効果を与える場合もあります。プラスチックなどの不純物の混入も問題です。また、せっかくつくった堆肥も、使用の当てがないまま、対処に困って結局捨てられることもあるといいます。特に事業所等で大量に処理する場合には、供給先の確保も大切な視点となります。このとき、ごみ処理というだけでなく、質のいいコンポストという製品づくりの観点も必要となります。
こうした背景もあって、近年機械化による処理の迅速化や簡便化などをめざして、電動式の生ごみ処理機の開発が進んでいます。反面これらの処理機は、自然の力で堆肥化する場合と異なってエネルギーの投入を必要とするため、ごみとして廃棄するよりもトータルな環境負荷はむしろ高くなる場合もあるので、注意が必要となります。

●視点

−生ごみは「生命の源」−
生ごみのリサイクルに取り組む市民活動では、生ごみを「生命の源」と捉えることもあります。生きていくためには食べ物が必要で、その基盤として土があり、生ごみは土をつくるもとになるという捉え方をするわけです。
こうした循環に対する理解を得ることが重要な視点であり、それがないまま単に、臭くて汚い「生ごみ」を、植物を育てる魔法の「コンポスト」に変換する、便利で不思議な箱(機械)といった見方になってしまわないような展開を図っていくことが必要です。
生ごみによる堆肥づくりを一生懸命進めていく一方で、コンポスト機の中には手付かずの食べ残しがゴロゴロしているようなことがもしあれば、再考を促していきたいところです。生ごみとして一括りにせず、「調理屑」と「食べ残し」をしっかりと区別することが肝要だといえるでしょう。

−食料の輸入と、生ごみ堆肥化の関連−
日本の食料自給率は著しく低下しています。今日さまざまな食材や食料が大量に輸入されています。この問題については、「(3−2)食べ物はどこから?」で扱っていますが、こうした状況で生ごみの堆肥化が進みすぎると、日本の国土が窒素過剰になるともいわれます。生ごみの話から、今日の食生活のあり方とのつながりへと展開していく視点も重視したいところです。

●発展

○ミミズコンポスト

−ミミズコンポストの仕組みと特徴−
「ミミズコンポスト」は、ミミズが動植物の死骸などを分解して、代わりに糞として有機土壌を出す「分解者」としての性質を利用して、生ごみを堆肥化して処理しようというものです。北欧やドイツ、アメリカ、カナダ、キューバ、オーストラリアなどで広く普及しています。はじめにミミズを相当数用意しなければならないことや、生き物相手のため湿度や温度などに気を配る必要があるものの、電気式生ごみ処理機や微生物による堆肥化などと違って、ランニングコストがかからず安価に取り組めることや、できた堆肥は二次発酵などの処理を必要とせずにそのまま肥料として庭や畑で使えることなどが利点として上げられます。
生きものであるミミズを使うことは、臭くて汚い生ごみを機械に投入して処理するという意識であるよりは、むしろミミズを飼育するという意識での取り組みとなります。
ミミズコンポストは、箱や容器といった物理的構造、ミミズとその他の共存生物、温度 ・湿度 ・酸性度 ・換気の調節された環境の維持、詰め物の準備や餌となる生ごみの投入、ミミズの糞の取り分けなどメンテナンスの方法、そして副産物としてのコンポスト(ミミズの糞)の利用などいくつかのポイントがあります。詳しくは下記の書籍やホームページ等でご確認ください。

−自然界の循環とミミズコンポスト−
自然界の循環を実感するには、分解者であるミミズの生態を通じて理解する方が、機械を使った処理以上に自然な理解を得られることが期待されます。また、ミミズの餌として分解され、土に返る生ごみと、ミミズの餌にはならない金属やプラスチック等の人工物のごみ(分解されずに残る)が区別されることは、人間のつくり出した自然界にとっての異物を排出しているライフスタイルのあり方について考える材料ともなることが期待されます。

−自らの生活に引きつけることが重要−
ミミズコンポストの容器は、市販もされていますが、木箱やプラスチック製の収納容器などを使って簡単につくることができます。通気性 ・遮光性がある、深さ30〜40cm程度の容器に、ミミズ床として湿気を十分含んだ落ち葉や切り刻んだ新聞紙などを入れ、その中にミミズを入れれば完成です。容器の大きさやミミズの量は、投入する生ごみの量によります。家庭や学校で出す生ごみの量を事前に調べてみて大きさを決めるなど、自らの生活に引き付けて実施していくことが重要といえます。

○生ごみ処理機
多くの自治体で、ごみ減量を目的として家庭生ごみの堆肥化を促進するための事業として、コンポスト容器や生ごみ処理機の購入補助 ・助成や、モニター制度を行っています。発売当初10〜20万円と非常に高価だった家庭用の電気式生ごみ処理機も、その後半額以下に値段が低下し、また性能も向上、さらに市民の環境意識の向上やガーデニングの流行等を背景に、多くの自治体で購入金額の3分の1〜半額程度の助成を行うなど、普及を促進しています。補助事業等の導入に向けたモニター制度を実施し、利用による減量効果や電力消費量などのデータ収集、臭気等の利用状況についての報告など、簡単なアンケートによる基礎データの収集を行うところもあります。
まだまだ開発途上の面も否めませんが、こうした制度を積極的に利用して、自分のライフスタイルにあった生ごみ処理の仕方を試行錯誤してみるのもいいのではないでしょうか。特に環境教育 ・環境学習のきっかけとしては、さまざまな学びが期待できるといえましょう。

○エコクッキング

−出てきたごみの堆肥化の前に、生ごみを出さない工夫が大事−
生ごみの堆肥化によるリサイクルも大事な取り組みですが、それ以前になるべく調理屑を出さない調理方法や、あまった食材や残りご飯をうまく保存 ・活用する方法等について実践することも、むしろより以上に大切だといえます。こうした取り組みは、エコクッキングと呼ばれています。

−「料理」を通じて環境との関わりを考えること−
エコクッキングは、料理を通じて環境に及ぼす影響をできるだけ低くすると同時に、「料理」という行為を通じて環境との関わりについて考えるものといえます。食材の購入時の選択から、調理時に出るごみや使うエネルギー ・水の量をなるべく減らしたり効率よく使う方法、またあまった食材の保存や活用方法、排水や廃棄屑の処理と活用、食べ残しについてなど、料理に関するあらゆる段階で環境への配慮について検討しています。

−簡単な取り組みからはじめてみよう!−
これらすべてについて実践し、家庭からの環境配慮への具体的な取り組みとして自らの生活様式を見直していくのもよいし、また環境を考える簡単な取り組みのきっかけとして捉えるのもよいでしょう。エコクッキングの具体的な取り組み方法や、アイデアメニューなどは、情報源情報をご参照ください。

●関連情報

  • 生ごみリサイクル全国ネットワーク
    〒101-0061  東京都千代田区三崎町3-1-5(日報内)  「生ごみリサイクル全国ネットワーク」事務局
    TEL:03-3262-3461
    FAX:03-5214-6633
    URL: http://www.nippo.co.jp/nama.htm
  • みみずコンポストに関する情報
    • 「だれでもできる  ミミズで生ゴミリサイクル  −ミミズに学ぶ環境学習」メアリー ・アッペルホフ著、佐原みどり訳、合同出版、1999年
    • 「生ゴミを食べてもらうミミズ御殿の作り方  −ミミズコンポスト完全マニュアル」佐原みどり、(株)ヴォイス、2000年
  • ・エコクッキングに関して
    (1)エコクッキング教室
    • 東京ガスのエコクッキング講座  
      エコクッキングとは、毎日の買い物 ・料理 ・後片づけなど毎日の身近な食生活の中から、簡単にできるエコロジーです。食べものやエネルギーを大切にする暮らしは、地球にやさしくしかも経済的です。
      東京ガスの料理教室では、地球にやさしくおいしい料理を楽しくつくる「エコクッキング教室」を開催しています。調理をひと工夫して無駄なく、無理なく、残ったおかずも新しい1品に大変身!
      6月の環境月間 ・10月のリサイクル推進月間 ・2月の省エネルギー月間に合わせて、各料理教室 ・ショールーム 28拠点で実施しています。詳しいお問い合わせは・・・
      東京ガス料理教室事務局
      TEL: 03-3423-3739(月〜金10:00〜18:00、土10:00〜13:00)
    • 社団法人  日本栄養士会
      食生活改善の推進にも関連して、エコクッキングに取り組む例もみられます。
      〒101-0051  東京都千代田区神田神保町1-35  
      TEL  03-3295-5151
      FAX  03-3295-5165  
      URL: http://www.dietitian.or.jp/

    (2)エコクッキング関連のホームページについて
    URL: http://www.wnn.or.jp/wnn-eco/cooking/index.html

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