南北に細ながーい、長靴のような形をしたイタリア。その中央部にあるのがトスカーナ州です。フィレンツェ、「ピサの斜塔」で有名なピサなど、世界遺産に登録された歴史的な街も多い州ですが、同時に、オリーブやワイン、小麦、野菜の生産が盛んな農業地帯でもあります。
マレンマ州立公園【1】は、トスカーナ州南部の地中海沿いに位置し、1975年に設立されました【2】。公園面積は約1万ヘクタール、その周りのバッファーゾーン(緩衝地域)も約1万ヘクタールあります。
マレンマ州立公園の魅力は、豊かな自然と、伝統的な田園風景。公園中央部には緑豊かなウッチェッリーナ山脈が走り【3】、地中海に注ぐオンブローネ川の河口には、多くの野鳥が訪れる湿原が広がっています。一方で、日当たりのよい山麓には、オリーブ畑や果樹畑が点在し、北部の平野では牛がのんびり草を食む姿が見られます。